やまと座は寒いイメージが有ったのですが、10月初日はまだまだ暑く、千穐楽が近づくにつれ、大阪とは違う寒さが身に染みる程に季節が移り変わっているのを実感しました。

 

1部 お芝居 うぐいす侍

*配役*

小松屋一家
菊之助*松丸家小弁太座長
親分 七兵衛*咲田せいじろう副座長
娘 お七*松丸家ちょうちょさん

音羽屋一家
親分 勘五郎*下町かぶき組 昴斗真花形
子分*松丸家こももさん・松丸家りへどん


茶店 雀のお松*松丸家美寿々さん
本陣宿やまと屋主人*松丸家こももさん

明石藩
殿様(菊之助)*松丸家小弁太座長
爺 藤本喜左衛門之丞時紀(フジモトキザエモンノジョウトキノリ)*天神龍太さん


*あらすじ*

(前回の観劇レポをほぼそのまま貼り付けています)

1場:茶店前

音羽屋一家がやって来る。

そこへ、酒に酔った菊之助がやって来て、道を譲る譲らないと言い争いになる。

「景気付けにひと節聞かせてやるから、よーく聞きやがれ。ほーほけきょ。」と吹き応戦しようとした菊乃助だったが、音羽屋一家に斬られそうになる。

茶店から出て来た七兵衛親分が割って入り、菊之助に詫びを入れさせる。

捨て台詞を吐き帰って行く音羽屋一家。

「お前には話したい事がある。会わせたい人がいる。」言う七兵衛親分。

茶店の中から出て来たのは明石藩の爺 藤本喜左衛門之丞時紀だった。

明石十万石の若君の菊之助に、「明石の城にお戻り下さいませ。」と頼む爺だが首を縦に振らない菊之助。
菊之助は長男ではあるが妾の子。弟の菊次郎は正妻の子。

その正妻は菊之助と菊次郎を分け隔てなく育ててくれたが、自分が居たのでは弟が家督を継げないと言う思いから自ら城を出ていた。
「御殿様におかれましては御他界あそばされました。」との言葉に驚く菊之助だったが、「弟の菊次郎がいるじゃないか。」と言う。

「菊次郎様におかれましても、後を追うように御他界あそばされました。主君無しでは民百姓や家臣の者が路頭に迷います。」と話す爺。
それを聞いても、「城に帰るつもりはない。」と拒む菊之助の言葉に、爺は腹を斬ろうとする。

七兵衛とお七がそれを止め、菊之助を説得する。

前髪立ちの頃から、小松屋一家の前で行き倒れになっていた菊之助を助け、医者や薬やと介抱し、我が子同様に育てて来た七兵衛。
七兵衛とお七の頼みならと渋々了承する菊之助。
菊之助は御守代わりにと、母の形見の懐剣をお七に手渡す。

「明石の殿様の特権と言うものは有はしないのか。」と尋ねる菊之助に、爺は、「明石十万石のお殿様は切捨御免でございまする。」と答える。

「こりゃ良い事を聞いた。爺、後に続け。」と明石の城へと戻って行く菊之助。

 

2場:小松屋一家
菊之助が居なくなって、小松屋一家は子分も一人減り二人減り、七兵衛は盲(めしい)になっていた。

芋の煮っころがしを持ってお松がやって来る。

「腹が立ちませんか。町の五人衆ですよ。もうひとつ腹が立つ事があるんです。あの菊ちゃんの事ですよ。」と言うお松に、「あいつはな、曰くのある男でなぁ。これから先は菊の話をするのはよしちゃぁくれないか。」と頼む七兵衛。

お松が帰った後、「賭場の隙見をしたお七を出せ。」と音羽屋一家がやって来る。

「お七はまだ戻っちゃいない。お七もやくざを親に持っているんだ。そんな事をする筈はない。」と言う七兵衛に、「お七が帰って来たら、必ず俺の所へ連れて来い!」と言い帰って行く音羽屋一家。

瀕死の状態のお七が七兵衛の許まで辿り着く。
「私、悔しい。お父つぁんの薬を貰いに行った帰り道、通りがかった音羽屋の賭場の前。お前は隙見をしただろうと言われ、踏んだり蹴ったり叩いたり。お七は賭場の隙見なんかしちゃいない。どうか、お七の疑いを晴らしてちょうだいね。もしも、菊之助兄さんに会ったなら、お七は兄さんから貰った形見の懐剣を胸にしっかりと抱きしめて、兄さんの名を呼びながら死んで行ったと、必ず伝えてちょうだいね。兄さん、兄さん、菊之助兄さん。」と言い遺し息を引き取るお七。

「お七、つらかったな。この小松屋七兵衛、両の眼は見えずとも、心の眼じゃ泣いているんだ。迷わず成仏してくれよ。お七!」と言い敵討ちを決心する七兵衛。

 

3場:本陣宿
初の参勤交代で本陣宿に滞在していた菊之助は七兵衛とお七に思いを馳せていた。

そこへ、出火を知らせる鐘が鳴る。

「聞くところによろますと、小松屋七兵衛宅より出火との事でございます。」と言う主人に、「委細が知りたい。」と言う菊之助。
主人は、「小松屋七兵衛宅に出入りしている者がいます。」と雀のお松を連れて来る。
七兵衛が盲になった事、お七がなぶり殺しされた事、今回の出火も音羽屋一家の仕業に違いは無いが、勘五郎親分の妹が高槻藩江戸家老の寵愛を受け、役人が手出しできない事を聞いた菊之助は、「一晩だけで良いから。」と爺を説き伏せ、本陣宿を後にする。

 

4場:音羽屋一家
盲の七兵衛がお七の敵討ちにやって来る。

七兵衛がいたぶられているところへ、「ほーほけきょ。」と季節外れのうぐいすの鳴き声。

様子を見に行った子分が、「表にこんな物が…」と勘五郎親分に差し出す。
それは菊之助の手土産代わりの勘五郎親分の妹の首だった。

現れた菊之助に、「お前はだれだ。」と言う勘五郎親分。

「俺の顔を忘れたか。だったら、ひと節聞かせてやる。ほーほけきょ。」と吹いた菊之助は、「明石十万石のお殿様は切捨御免だ。」と無事仇討ちを果たす。

爺に連れられ七兵衛が菊之助の許へやって来る。

「この場で殺してくれ。」と言う七兵衛に、「父つぁん。」と声を掛ける菊之助。

「今の声はまさか菊か。」と尋ねる七兵衛に、菊之助は、「俺だ。菊之助だよ。会いたかったぜ。」と答える。

お七の今際の言葉を伝える七兵衛。

菊之助は、「お七坊、見ていてくれたか。おめえの恨みは晴らしてやったぜ。迷わず成仏してくんなよ。」と言い、七兵衛に、「父つぁん、一緒に明石の城へ来てくれないかな。俺にとっちゃ、命の恩人じゃないか。城に帰れば御殿医もいる。その目が見える様になるかもしれない。」と言う。

七兵衛が探していた杖を菊之助に手渡す爺。

「明石の城までは遠い道のりだ。その道のり杖の先走り、道案内はこの倅の菊之助だ。おいらと一緒にこう来なよ。」と言う菊之助。

一本の杖で繋がった菊之助と七兵衛は明石の城へと向かう。

 

 

目をばっちり明けて、杖で音羽屋一家の子分たちのお尻を叩く七兵衛親分。

盲の七兵衛親分は実は明き盲だった事が発覚目

七兵衛親分役の咲田せいじろう副座長に笑わせて頂きました笑

 

 

口上挨拶

松丸家小弁太座長

 

 

松丸家美寿々さん

 

 

物品販売のお手伝いをする松丸家あーちゃん

 

②へ続く…