「三代目大川竜之助座長祭り」に行って来ました。

 

1部 お芝居 長脇差(ドス)と草鞋と三度笠

*配役*

播州赤穂 今朝治一家
親分 今朝治(ケサジ)*三代目大川竜之助座長

女房 おその*美穂裕子さん

子分 佐吉*大川礼花花形

三下 六助*大川忍副座長

吉良 権六一家
親分 権六*椿裕二座長

子分*椿孝也花形・夢路えみさん・椿みらんさん


茶店の娘*椿キラさん

 


*あらすじ*

1場:茶店前
茶店で休んでいたおそのと佐吉。
遅れてやってきた六助は綺麗な景色に見とれてつまずき、足の生爪が剥がれていた。
六助に、「ここで、少し休むと良いよ。今日の旅籠の播州屋で、目印を付けて待ってるよ。」と言うおその。

「そのどすを預かるよ。」と言う佐吉に、「親分から預かった大事な刀。」と言い断る六助。

おそのと佐吉は一足先に播州屋へ向かう。
権六一家がやって来る。

「若が二度の士官の道が叶う為には名刀一振が必要だ。」と子分たちに話す権六親分。

六助が茶店を発とうとすると、「親分に茶かすをかけたままでずらかるつもりか。」と言う権六一家の子分。

「茶かすと言えばやくざにとっては禁物だ。」と言う権六親分に、「知らなかったとは言え…」と手をつき詫びる六助。

一旦は、「許してやる。」と言うも、六助が播州赤穂の今朝治一家の身内と知ると、前言をひるがえし、「落とし前を付けろ。今朝治を連れて来い。牛馬の通る大道で、今朝治が俺の前で詫びを入れれば許してやる。」と言う。

困り果てた六助は、「今朝治親分の守り刀の志津三郎を大地に置き、頭を下げれば親分が謝るも同じ事。」と、志津三郎を前に手をつき詫びるが、志津三郎を取り上げられてしまう。

今朝治親分の「喧嘩はするんじゃないぞ。どすは抜くんじゃないぞ。」の言葉を思い出し、茶店を後にする六助。

2場:旅籠屋 播州屋
播州屋に辿り着いた六助に、「背中のどすは。」と聞く佐吉。

事の子細を話す六助。

一緒にどすを取り返しに行こうとする二人を止めるおその。
「六助、よく辛抱してくれたね。人間一人の命と刀を取り替える事は出来ないからね。決して、短気な真似だけは起こすんじゃないよ。酒でも飲んでおいで。」と奥の間へ行かせる。

一人になったおそのは、「吉良の権六親分と言えば腹黒いお人と。何かひと悶着起きなきゃ良いんだが。」と懸念する。
そこへ、「今朝治の部屋は何処だ。」と権六一家がやって来る。
「話は聞きました。若い者の粗相はこの私の粗相。私に免じて許して下さい。」と言うおそのに、「お前は誰だ。」と言う権六親分。
今朝治親分の女房と知って子分の一人が、「色気がない。」と言い、おそのの額を割る。

「額の割り返しをしてやる。」と奥の間から出て来た佐吉を止めるおその。

「志津三郎を返してほしけりゃ、今朝治が、俺に茶かすを掛けた若い奴の生首を持って来やがれ。」と言い帰って行く権六一家。

「この事は決して六には言うんじゃないよ。」と佐吉に念押しするおその。

酒に酔った六助がやって来る。

「今日限りで、親分子分の盃を水にしてもらえませんか。」と言う六助に、「この話はうちの人が着いてからにしておくれ。」と言うおその。

「待てないから、姐さんに頼んでいるんです。」と言う六助に、おそのは、「お前の望み通り、盃は水にしてあげようじゃないか。人の恩を忘れれば犬畜生だと言う事を忘れないでおくれ。」と言い部屋を出る。

「一緒に謝りに行ってやる。」と言う佐吉に悪態をつき、「手土産を置いていってやるよ。」と言い手を上げる六助。

怒った佐吉は六助を斬り付けてしまう。

「何て馬鹿な事をするんだ。」と駆け寄るおその。

奥の一間で涙ながらに全部聞いていた六助だが、自分で首を斬る事が出来ず、佐吉に悪口雑言ついて斬られる覚悟だった。

「六助、お前の気持ちも気付かなかったこの私を許しておくれ。」と詫びるおその。

虫の息の中、故郷に帰ったら、母には白髪染め、祝言を挙げるのを待っているおいま坊に花かんざしをと託し、「あっしの首で、必ず長脇差を返してもらってほしい。最後にひと目、親分に会いたかった。」と言い遺し息を引き取る六助。

渡船場で、事の成り行きを何もかも聞いて駆けつけた今朝治親分だが、変わり果てた姿の六助に涙する。

六助の首を抱え、権六一家の許へと向かう今朝治親分。

その後に続くおそのと佐吉。

 

3場:旅籠屋 伊勢屋

今朝治がやって来る。

「俺に茶かすを掛けた若蔵の首は持って来たんだろうな。」と言う権六親分に、六助の首を差し出す今朝治親分。

六助の首に末期の水と痰唾掛け、「そこらのどぶ川にでも捨てて来い。」と投げつける権六親分。

「志津三郎を返して頂きましょう。」と言う今朝治親分に、「あれは俺が欲しくなった。」と返さない権六親分。

おそのと佐吉が追い付いてやって来る。

刃物沙汰の末、志津三郎を取り戻し、六助の仇を討ち、六助の首と共に、播州赤穂に帰って行く今朝治一家。

 

 

口上挨拶

大川忍副座長

 

②へ続く…