④より続き…
2部 お芝居 才三時雨旅
*配役*
下田屋
女将*夢路えみさん
娘 お駒*大川礼花さん
大番頭 忠助*大川忍副座長
手代 才三郎*椿裕二座長
旅籠屋仲居*椿キラさん
やくざ*椿孝也さん・椿みらんさん
旅鴉*椿孝也さん
*あらすじ*
1場:下田屋
忠助の許へ、「貸した銭、いつになったら返すんだ!」と取立にやって来るやくざたち。
「暮れ六つまでま待ってくれませんか。」と頼み込み帰って貰う忠助。
越前屋の掛取りから戻って来たお駒と才三郎。
「おっかさんにお話があるの。お婿さんが欲しいの。私の好きな人は手代の才三なの。」と言うお駒に、才三郎の女の様な性格を危惧するも、お駒の願いならと渋々夫婦になる事を許す女将。
「私から女将に渡してあげるから。」と、才三郎から越前屋の掛けのお金を預かった忠助だが、再び、「掛けで頂いたお金を私に渡しなさい。」と言う。
「渡しました。」と答える才三郎に、「私に嘘を吐きましたね。」と騒ぎ立て、女将を呼ぶ忠助。
女将に嘘を話し、「今日この限り、才三に暇を出して下さい。」と言う忠助に、「思い違いじゃないですか。」と言いつつも、下田屋を切盛りしている忠助が出て行っては困ると、才三郎に暇を出す女将。
故郷へ帰ると言う才三郎に、女将は、「お前様に借りた手拭を持って行って下さい。」と言い手渡す。
女将から手渡された手拭の中には財布とお駒の簪が忍ばせてあった。
2場:街道
才三郎を追って忠助がやって来る。
「下田屋を出る時、女将に何か頂きましたね。それを渡しなさい。」と迫り刃物をちらつかせる忠助だが、割って入った旅鴉に恐れをなして逃げ去る。
才三郎から訳を聞く旅鴉。
「私、強い男になりたいんです。お前さんみたいな立派なやくざになりたいんです。」と言う才三郎に、旅鴉は、「俺がお前さんを立派なやくざにしてやる。」と言う。
3場:三年後の下田港旅籠屋
酒を持って来た仲居に、「姉さん、下田屋って所を知っているか。」と尋ねる旅人。
「大番頭の忠助がお駒お嬢さんを嫁に貰ったまでは良いですが、今じゃ、飲む打つ買うの三道楽。大旦那さんは孫の守、お嬢さんは茶屋奉公に出ているじゃありませんか。あの忠助に腹が立って仕方ないんです。」と話し、勧められた酒に酔い潰れ寝入ってしまう仲居。
その話を聞いていた才三郎が現れる。
「行くつもりか。」と問う旅鴉に、「今のあっしは下田屋さんとは縁も所縁も有りません。返さなければならない物が有るだけだ。」と言い、お駒の簪を手に部屋を出て行く才三郎。
4場:下田屋前
「いつになったら銭を返すんだ。」と迫るやくざたちに、「暮れ六つまで待って下さい。お金が出来なかったその時は、あっしの女房お駒を岡場所に叩き売ってでも銭は作ります。」と言い帰って貰う忠助。
「銭、持って来い!」と迫る忠助に、「お金なんか有りません。」と答えるお駒。
忠助は、「お前は岡場所に行け。」と言い無理矢理連れて行こうとする。
割って入った女将は、「三年前、手代の才三に暇を出し、お駒と一緒にさせて下さいと頼むから、お駒を説得し、お前の女房にさせ、下田屋も繁盛する事が出来ました。二人の間には子供が出来たと言うのに抱いた事が有りますか。」と言うと、「お駒を幸せにしようと一生懸命働き、下田屋も二倍になったが、お駒の心に居るの別の男だ。」と言い、お駒を無理矢理連れて行こうとする。
そこへ才三郎がやって来る。
才三郎を見て、お駒との仲を疑う忠助。
才三郎と忠助が刃物沙汰になろうとした時、暮れ六つの鐘が鳴る。
やって来たやくざたちだが、才三郎に恐れをなして退散する。
忠助に刃を向ける才三郎に、「私と忠助さんの間には、こんなに可愛い子供が。」と言い割って入るお駒。
忠助に無理矢理に子供を抱かせる才三郎。
子供を抱いた忠助は涙する。
下田屋から暇を出された時に貰った簪をお駒に手渡し、財布を忠助に手渡す才三郎。
そして、「いつまでも、幸せを祈ってます。」と言うと、「才三寂しや時雨旅か…」と旅に出る。
才三郎役の椿裕二座長、手代の頃の女々しさに笑いました。
三年の旅は、女々しい男を立派なやくざに変貌させました。
旅籠屋仲居役の椿キラさん、今回も醜女メイクの三枚目役でしたが、喉を鳴らし酒をあおる様は、前回よりも上手くなっていました。
口上挨拶
大川忍副座長
9月に花形就任公演の御二方
大川礼花さん
椿孝也さん
⑥へ続く…


