「美穂裕子祭」
順不同になりましたが…
1部 お芝居 花街の母
*配役*
芸者 奴(本名ゆき)*美穂裕子さん
娘 早苗*椿キラさん
車曳 たっちゃん*椿裕二座長
伊勢屋主人*大川忍副座長
浪花屋主人*椿孝也さん
江戸屋
女将*夢路えみさん
倅 秀樹*大川礼花さん
女中*椿みらんさん
*あらすじ*
1場:江戸屋座敷
浪花屋主人を持て成す伊勢屋主人。
やっと現れた芸者の奴は、「色は年増が止めさす。」と早々に浪花屋主人と二人して座敷を出る。
一人になった伊勢屋主人が、「栗原仙蔵より ゆきへ」と書かれた奴が落とした財布を見付ける。
2場:川岸
恋仲の江戸屋の倅の秀樹と奴の娘の早苗。
二人が居るところへ出くわした酒に酔った奴は、早苗の相手が江戸屋の倅と知ると、早苗をけしかけ、浪花屋主人とその場を後にする。
江戸屋女将がやって来る。
倅の相手が奴の娘と聞き、「枕芸者、しょんべん芸者の娘。」とけなすと、秀樹を連れ帰ってしまう。
3場:奴の家
「早苗ちゃん、居るか。」と奴の幼なじみのたっちゃんがやって来る。
「早苗に良い男が出来たのよ。相手は江戸屋の倅の秀樹。四時か五時頃、堤通で会ったのよ。」と言う奴に、「留が七時か八時頃、堤通で会ったら、泣いてた気がしたらしい。」と言うと、心配で早苗を捜しに行くたっちゃん。
座敷で奴が落とした財布を届けに伊勢屋主人がやって来る。
「栗原仙蔵より ゆきへ」と書かれた財布の事を尋ねる伊勢屋主人に、「ゆきって言うのは私の本名なんです。」と答える奴。
「栗原仙蔵をたぶらかし、東京から連れ出した尾の無い狐と言うのはあなただったんですか。栗原仙蔵は私の兄なんです。兄はどうしているんですか。」と言う伊勢屋主人に、「あの世…栗原さんは亡くなってしまったんです。私の話を聞いて貰えますか。今から二十年位前に知り合ったのが栗原さんでした。お互い、好意を持つようになり、一緒になってくれないかと言われ、二つ返事でお受けしたんです。それから、御両親に挨拶に行ったんですが、芸者とは一緒にさせる事は許さないと猛反対され、東京を出て柳ヶ瀬と言う所へ行ったんです。栗原さんは日雇いの仕事で一生懸命働いてくれましたが、過労で倒れ結核の病に掛かってしまい、子供の事は頼むと言い亡くなってしまったんです。栗原さんの事は騙してはいません。心から愛していました。」と経緯を話す奴。
早苗を見付ける事が出来ず、たっちゃんが戻って来る。
そこへ、早苗が帰って来る。
「今直ぐ芸者を辞めて頂戴!」と言い江戸屋女将との経緯を話す早苗に、「芸者は辞めないわよ。」と言う奴。
「芸者を辞めてくれないなら、秀樹さんと付き合えないじゃない。私、舌噛んで死んじゃうから!」と言い飛び出して行く早苗。
「江戸屋さんは早苗さんが奴さんの娘だから結婚させる事は出来ないとおっしゃってるんですよね。私にとっても姪っ子になる訳だし、一旦、私のところへ養女として迎え、そこから嫁に出せば良いじゃないですか。」と言う伊勢屋主人に、「今、あの子を養女に出してしまったら、あの子の花嫁衣裳を見る事が出来ないんです。式に出る事も出来ないんです。用がお済ならお帰り下さい。」と言い部屋を出て行く奴。
伊勢屋主人と二人になったたっちゃんは、「早苗ちゃんにとっては良い話。話を進めて下さい。」と言う。
承諾し帰って行く伊勢屋主人。
「たっちゃんが年の離れた妹として左褄を取ったらどうだと言ったじゃないか。花嫁姿を楽しみに一生懸命育ててきたのよ。養女に出してしまえば花嫁衣裳も見る事も出来ないし、式さえ出る事も出来ないのよ。何の為に苦労してきたかわかりゃしない。」と言う奴に、「おめえの愛はめくら愛なんだよ。一番に考えるのはあの子の事じゃないか。」と諭すたっちゃん。
「早苗の幸せの為よね。早苗の事は死んだつもりで養女に出すわ。たっちゃんにお願いできる。」と頼むと、一人になった奴は泣き崩れる。
4場:祝言の場
早苗と秀樹の祝言の日。
「向島から芸者さんが祝いの舞を披露したいと来ているんですがどうしますか。」と尋ねる女中に、「内々の事だとお断りして。」と言う江戸屋女将。
伊勢屋主人が、「目出度い席です。祝って頂きましょう。」と言い招き入れる。
お面を付け舞いながら現れたの奴とたっちゃん。
花嫁姿の早苗を前に涙ながらに舞う奴。
「母さん、母さんなんでしょ。」と奴にすがる早苗を支える秀樹。
お面を付けたまま、その場を去って行く奴。
前半は奴の言動に大笑いします。
「他人にきかれりゃ お前のことを 年のはなれた妹と…」
「花街の母
」の歌詞にもある母の夢は娘の花嫁姿。
お面越しに、涙ながらに見る娘の花嫁姿。
ラストの祝いの舞には泣かされます。
口上挨拶
大川忍副座長
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