「大河一心誕生日ロング公演」
㉒より続き…
順不同になりましたが…
2部 お芝居 明治六年
*配役*
緒方新之丞*大河一心さん
会津屋主人 太助(本名/轟正一郎)*近江新之介座長
相模屋
主人 利兵衛*鹿島劇団 二代目鹿島順一座長
女房 おと代*浪花めだかさん
芸者 仇吉*浪花しめじさん
半玉(はんぎょく)芸者 ぽんた(本名/轟織江)*浪花こころさん
板前 菊治*澤村龍聖さん
用心棒*鹿島劇団 菊章吾さん・雷鉄命さん
*あらすじ*
1場:相模屋勝手口前
芸者の仇吉は緒方新之丞を自分に振り向かせようと追いかけ回す。
その新之丞はぽんたの事を思っていた。
歌舞伎見物の帰りにぽんたを送って来た会津屋。
鉢合わせになる四人。
2場:相模屋の一室
会津屋がやって来る。
「半玉のぽんたの旦那になってやろう。あの娘の水揚げをしてやろう。この一円札は一両小判一枚の値打ちが有るんだ。ぽんたを身請けする為の手付金。」と言い相模屋主人に一円札の兌換券を差し出す。
「ぽんたには、悪い虫が付いておりまして…」と答える相模屋主人に、「虫落としに。」と言いさらに一円札を手渡す会津屋。
そこへ、新之丞がやって来る。
「あの娘は訳有りだから、座敷に出してくれるなと言ったよな。何で出した。」と怒る新之丞に、「あの娘に掛かったお金百五十両を出してくれたら…」と言う相模屋主人。
そして会津屋は、「ぽんたは僕が身請けする。金が無いのは首が無いのも同じ事。」と言う。
会津屋は散切り頭で、一円の兌換券(だかんけん)を持ち、文明開化
の波に乗った男。
一方、緒方新之丞はその波には乗り切れず、断髪令・廃刀令に背き、髷を結い、腰には刀を携えている侍くずれ。
会津屋はやって来たあだ吉に後の事をあだ吉に任せ部屋を出て行くが、あだ吉も聞く耳持たない新之丞に、「どうなっても知らない。」と捨て台詞を吐き部屋を出る。
腹の虫が収まらない新之丞は会津屋の後を追おうとするが、板前の菊治に止められる。
「会津屋、今度会ったら容赦しないぞ。」と帰って行く新之丞。
3場:ぽんたの部屋
酔って、ぽんたの部屋で目を覚ました会津屋は壁に掛けられていた「忍」の文字の掛け軸を見て驚く。
「あの掛け軸は一体誰の物か。」と尋ねる会津屋に、「私の物です。」と答え、「本名は轟織江。兄の名は轟正一郎。」と経緯を話すぽんた。
「今宵のうちに身請けするぞ。好いた男は居るのか。緒方新之丞か。必ず添わせてやる。その祝言の席でお前に見せたい物がある。」と言うと、ぽんたに掛け軸を忘れない様にと念押しし、直ぐに身支度するように話す会津屋。
ぽんたが身支度に部屋を出る。
会津屋は、「人の道に外れぬ様、見守ってくれたんですね。」と亡くなった両親に感謝する。
そして、相模屋主人に、「今宵のうちにぽんたを身請けしたい。本宅へお金を取りに行く。」と言い相模屋を後にする。
「ぽんた、いやぁ織江、お前のお陰で人の道を外さなくて済んだ。」と安堵する会津屋。
「会津屋を出せ!」と新之丞がやって来る。
「ぽんたを見受けする金を取りに本宅に帰って行きました。」と答える相模屋主人の言葉に、「会津屋!」と後を追う新之丞。
4場:言問橋(ことといばし)の袂
金で用心棒を雇う相模屋夫婦。
やって来た新之丞を後ろから刺す相模屋主人。
怒った新之丞は相模屋夫婦と用心棒を斬り殺す。
会津屋がやって来る。
「話が有るんだ。」と言う会津屋を斬ると、割って入ったぽんたまでも斬る新之丞。
「織江、織江、俺はお前の…」と言い掛け息を引き取る会津屋。
やって来た仇吉と板前の菊治。
二つの掛け軸に気が付いた菊治が、「新さん!」と呼び、「堪」「忍」とそれぞれに書かれた掛け軸を見せる。
その兄妹の証に驚愕し、自らの腹を突く新之丞。
見請けしようとした半玉芸者が妹だったが、父の形見の掛け軸のお陰で、身請けする前に分かる。
その時に兄妹名乗りしていたなら、こんな悲惨な事は避ける事が出来たかも…
ラストは重苦しい悲惨なお芝居でしたが、笑いの場面も多々有りました。
浪花めだかさんの塩沢ときさん張りの出で立ちや、夫婦役の二代目鹿島順一座長との掛け合いには爆笑しました。
時代に取り残された侍役の一心さん奮闘のお芝居でした。
お芝居が始まる前に、明治六年の政変の説明と配役がプロジェクターで映し出されました。
役名やその字体が分かるのはとても有難いです。
口上挨拶
大河一心さん
鹿島劇団 雷鉄命さん
浪花こころさん
澤村龍聖さん
舞台の上に二人切
澤村龍聖さんのご挨拶を
聞いている大河一心さん
生まれ年で2年、学年で1年、澤村龍聖さんが年上だと。
澤村龍聖さん、私は初めましての役者さんです。
口上挨拶時、一心さんに、いの一番「おめでとうございます。」と言われた澤村龍聖さん。
帰り際に、ブログ掲載の確認をした時には、「広めて下さい。」と。
好印象の好青年でした。
㉔へ続く…





