「忍・修の日」
⑯より続き…
順不同になりましたが…
1部 お芝居 川北長治
*配役*
川北一家
親分 川北長治*大川忍副座長
子分兄貴分 長吉(ナガキチ)*劇団美川 美川慶二座長
子分弟分 政吉(マサキチ)*椿孝也さん
おこも*椿裕二座長
依頼人*大川礼花さん/椿キラさん
人斬りの旅人*舞川修若手リーダー
茶店の娘*夢路えみさん
*あらすじ*
1場:茶店前
川北長治は幼い頃に離れ離れになった兄を捜していた。
「歳の頃なら四十と七。南部訛りのある男。」と言う事だけが手掛かり。
長吉と政吉は長治親分に夢を叶えてもらいたいと、日々、兄捜しに奮闘していた。
茶店でおにぎりを頼む長治親分。
おこもが通りすがりに、長治親分が床几に置いた財布を盗む。
いきり立ち問い詰める長吉と政吉を静め、長治親分は、「おこもさんは人の情けは貰っても、人の物には手は出さないと聞いていたが…」と言いその訳を尋ねる。
「仲間の中には歳をとった者や子供が居まして、この三日の雨続きで、何か物を食べさせて上げたくて…」と答えるおこもに、長治親分は、「このお金があったら仲間たちが助かるのですか。」と言いその財布を差し出す。
そして、おこもの商家の様な喋り言葉に、経緯を尋ねる長治親分。
「呉服問屋を営んでいました。女房と歳の離れた弟と幸せに暮らしていたんです。ある日、使用人の火の不始末から店は焼け、女房は亡くなり、弟だけどうしても見付ける事が出来なかったんです。おこもさんになれば大勢の人に会えると…弟を捜しています。」と話すおこも。
「私の話も聞いてもらえますか。盛岡の生まれで、両親と兄さんがおりました。家族を捨て出て行った兄さん。両親も亡くなり、幼い時にあっしを捨てた兄さんに会いたい。」と長治親分も生い立ちを話す。
そして、「あっしの所へやって来ませんか。そこから弟さんを捜せば良い。あっしは兄さんと呼びます。あっしの事を弟と思って、長治と呼んで下さい。」と言い二人連れだって、川北一家へ帰って行く。
その後姿に、長治を斬る様にと人斬りの旅人に依頼する男たち。
2場:川北一家
長治親分の兄さん捜しから戻って来た長吉と政吉に、「俺には兄さんが出来た。挨拶してくれ。」と言う長治親分。
長治親分の横に座るその兄さんを見て驚く二人。
長治親分がその兄の為に、飯の支度や風呂を沸かす様に言い付けるがなすり合う二人。
「俺がする。」と怒って部屋を出て行く長治親分。
慌てて後に続く長吉と政吉。
川北長治を斬りに人斬りがやって来る。
長吉は長治親分は留守だと嘘を付く。
「長治に言っとけ。川向うの一本松でお前が来るのを待つ。来なければ、蚊蜻蛉(カトンボ)やくざになり下がってしまうぞ。」と言い残し去って行く人斬り。
長吉は政吉を呼び事の仔細を話す。
人斬りを追いかけようとする政吉を止め、「俺が親分の代わりに行く。」と言う長吉。
政吉は一緒に行くと言うが、長吉は、「俺にもしもの事があったら、親分の事を頼む。俺のどすを持って来てくれないか。」と頼む。
戻って来た政吉は、「親分から貰った大事などす。これを持って行って欲しい。」と言い長吉に差し出す。
長吉は政吉のどすを持ち、一人一本松へ向かう。
その様子を見ていたおこも。
政吉の様子がおかしい事に気付いた長治親分は訳を尋ねる。
「言わなかったら、親子の盃は水だ。」と言われ、訳を話す政吉。
3場:一本松
長吉は長治親分になりすまし、人斬りと刀を交えるが斬られてしまう。
被り物を取り、あの時の子分であると告げ、「親分の夢を叶えてやりたいのが俺たちの夢。長治親分の命だけは助けてほしい。親分は、幼い時に離れ離れになった兄さんを捜している。歳の頃なら四十と七、南部訛りのある男…」と言うと、この人斬りがその兄さんかも…と思った瞬間、斬り殺される長吉。
長吉を追って一本松へやって来た長治親分と政吉だが、時遅しで息絶えていた長吉。
政吉に、「棺桶をふたつ頼んで来てくれ。」と言い付ける長治親分。
「生きていると約束してください。」と言い駆けて行く政吉。
「若い者のけりだけは付けさせてもらう。」と斬りかかる長治親分。
「長治…お前は南部盛岡生まれか。」と言い、母親の名前を確認すると、長治が手にしていたどすを自分のお腹に突く人斬り。
そして、「大きくなったなぁ。お前、おとっつぁんにそっくりだ。若い者の仇、お前が討て。とっつぁん、おっかさん、俺の分まで長生きしてくれ。」と言うと自らの首を斬る。
「兄さん!」と叫ぶ長治親分。
長治親分は着物を脱ぎ、「すまねえ。俺の為に。」と長吉に掛ける。
そして、半纏を人斬りに掛けようとした時、「親分!親分!」と叫び戻って来る政吉。
廻りの様子に、「生きていると約束したじゃないですか。」と叫ぶ政吉の肩を叩く長治親分。
「親分、生きている。」と長治親分の履き物を拭き履かせる政吉。
長治親分はいつしか現れたおこもに、「俺の姿が見えなくなったら、そこで倒れているお方に印半纏を掛けてやって下さい。」と頼む。
「街道一の親分さんは清水次郎長親分と言われるが、それにも勝ると劣らなぬ日の本一の親分さんでございます。」と呟くおこも。
長吉の後の事を政吉に頼み、一人帰って行く長治親分。
昼夜で配役替えが有ったそうです。
紙雪が掛からない場所で息絶えた長吉役の美川慶二座長でしたが…
紙雪を両手ですくうと、何度も慶二座長の顔に掛ける椿裕二座長でした。
おこも役の椿裕二座長曰く、「真面目な芝居なので、真面目にふざけました。」と。
口上挨拶
大川礼花さん
眉毛が…恐~い
椿孝也さん
お二方
⑱へ続く…