①より続き…
順不同になりましたが…
2部 お芝居 新関東嵐
*配役*
島の直次郎一家
親分 直次郎/
直次郎の弟 二代目 白滝三之助*都若丸座長(2役)
代貸 神明の音松*都剛副座長
子分 鉄*都星矢花形
子分 辰吉*都舞斗さん
直次郎の女房 お滝*都ゆかりさん
直次郎とお滝の子 直太郎*らいや君
大場の勘蔵一家
親分 勘蔵*あきらさん
子分*都紗助さん・都雅輝さん・都颯貴さん・都海吾さん
女衒*都英樹さん
小唄の師匠 おしの*都京香さん
おしのの弟子 おみつ*都蘭香さん
おしのの弟子 ?*都清華さん
役人*キャプテン都城太郎さん・都舞斗さん・都英樹さん・都紗助さん・都雅輝さん
*あらすじ*
1幕:一本松
松の木に首を括り死のうとする男を助ける鉄と辰吉。
「向うで見ていて、どうなる事かと…」と言い、直次郎親分がやって来て、訳を尋ねる。
男は、桶屋の大葉の勘蔵と名乗り、「一旗揚げようと、江戸を出たものの上手く行かず、死んで楽になった方が良いと、ここで死のうとした訳です。」と話す。
直次郎親分は、勘蔵を諭し、自分の手持ちの金を全部を差し出す。
「今から、しっかり生きて行こうと思います。」と言う勘蔵を見送る直次郎一家だが、飯を食べに行く金も無くなり、「家でゆっくりするか…」と、帰って行く。
嫌がる娘を、無理矢理、連れて行こうとする女衒。
女郎屋へ売り飛ばす前に、手篭にしようとするところを、音松が助ける。
娘はおしのと名乗り、音松の名前を聞くと、「この御恩は、一生忘れません。」と言い立ち去って行く。
七人を叩き斬ったと、二代目の三之助が役人に引かれ通り掛かる。
音松を見つけると、「音、行ってくらぁ。」と声を掛ける三之助。
2幕:島の直次郎一家
月日は流れ、直次郎親分は、病の床に伏せていた。
子分たちも、一人減り二人減り、鉄と辰吉も一家を出て行き、大場の勘蔵親分に寝返る。
大場の勘蔵の女になっていたお滝が戻って来る。
「縁を切ってもらおうと、ここへ来たんだよ。」と言うお滝に、「直太郎の為にも、残ってほしい。」と頭を下げる直次郎親分。
「一緒に居たくないんだよ。」と出て行こうとするお滝に、直太郎がすがり付くが、「お前を可愛いと思った事なんか、一度もないんだよ。」と突き飛ばし出て行く。
一家に残ると言う音松に、「直太郎を、表に連れて行って遊ばせてくれ。」と頼む直次郎親分。
引き受けた音松は、「帰りに、薬を買って来ます。」と言い、直太郎と二人出掛けて行く。
薬を買うお金さえ無い事を知っている直次郎親分は、その後姿に、「すまねえ。」と手を合わせる。
大場の勘蔵に寝返った鉄と辰吉がやって来て、「恩返し。」と言い、直次郎親分を斬り付ける。
「直太郎!」と叫び、息を引き取る直次郎親分。
音松と直太郎が帰って来る。
家の中の様子のおかしいと、そっと入って来た音松は、変わり果てた姿の直次郎親分を見つける。
しかし、潜んでいた勘蔵の子分に、火鉢の灰を、目に掛けられてしまう。
3幕:橋の袂
目の見えなくなった音松が、直太郎に連れられやって来る。
音松は、おこも生活をしながらも、直太郎の面倒を見ていた。
「二代目が帰って来たら、親分の敵も討ってくれるはずだ。」と直太郎に話して聞かせる。
「右や左の旦那様…」と物乞いする音松。
おしのと弟子たちがやって来る。
音松を見て、「神明の音松さんじゃないですか。」と尋ねるおしの。
「女衒から助けて頂いたおしのでございます。今じゃ、小唄の師匠さんをやっているんですよ。今の私があるのは、みんな音松さんのおかげ。私の家に来ませんか。御恩になった万分の一です。」と言うおしのに、経緯を話し、「ぼんだけでも、温かい物を…私はもう少しここで、稼いで行きます。」と言うと、直太郎に、「ぼん、必ず迎えに上がりますので待ってて下さいよ。」話す。
「門前横丁に着いて、おしのと聞いてもらえれば、分かりますから。」と言い、直太郎を連れて帰るおしの。
その後姿に、音松は、「地獄に仏とはこの事だ。有難うございます。」と頭を下げる。
大葉の勘蔵一家がやって来る。
「昔のよしみと言う言葉があります。少し恵んで貰えませんか。」と頼む音松に、「びた一文やる金はないわ。」とあざ笑う勘蔵親分。
「以前、親分に世話になっておきながら…恩は忘れれば犬畜生。」と言う音松に斬り掛かる勘蔵一家の子分たち。
その子分の刀を奪い取り、「これが欲しかったんだ。これさえあれば、敵が取れる。」と刃向かう音松だったが、斬り殺されてしまう。
あざ笑い帰って行く大場の勘蔵一家。
「そんな所で寝ていると踏み潰すぞ。」と言い、二代目三之助が通り掛かる。
寝ているのではなく死んでいる男が音松と分かり、「一体誰が…」と驚く三之助。
4幕:大場の勘蔵一家
「俺に逆らえば、音松の二の舞だ。」と、上機嫌の勘蔵親分。
酒の用意を言い付けられたお滝が、襖越しに刺される。
襖を破って出て来た二代目三之助を見て、おののく直次郎一家の元子分たちを尻目に、お滝に止めを刺す三之助。
三之助は、「七人斬り、関東嵐と言われた白滝三之助に、どすを向けた奴はいないんだぜ。」」と言い、勘蔵一家の子分たちを次々に片付けて行く。
最後に残った勘蔵は命乞いするが、背後から、三之助に斬り掛かろうとする。
「白滝三之助、後ろにも目が付いているんだ。」と、勘蔵を斬ったうえ、止めを刺す三之助。
三之助からの投げ文を見て、おしのと直太郎がやって来る。
「おじちゃん、おじちゃん、おじちゃん!」と駆けて来る直太郎。
「すまない。おじちゃんが側に付いていれば、こんな事にはならなかった。」と詫び、「直太郎、本当だったら、おじちゃんがお前の側に居て、ずっと守ってやりたいが…直太郎、いいか、生きる事は楽なもんじゃない。辛い事、苦しい事があったて、必ずにこっり笑って暮らせる事があるんだ。しっかり前を向いて歩いて行くんだぞ。」と言い聞かせる三之助。
そして、おしのに願い事があると言い、「もう少し大きくなるまで、側に置いてやってくれないですか。」と頼む。
快く引き受けるおしの。
三之助は、やって来た役人にお縄になる。
「おじちゃん。」と呼ぶ直太郎に、「直太郎、しっかり、その目に焼き付けるんだ。これが、やくざの成りの果て。やくざ馬鹿にはなるんじゃないぞ。」と言い残し、三之助は引かれて行く。
「おじちゃん、おじちゃん、おじちゃん…」と呼び続ける直太郎。
「犬畜生」:命を助けてもらったうえに、手持ちの金まで全部貰うと言う恩があるにも関わらず、恩を仇で返す勘蔵。
「地獄に仏」:女衒から助けて貰った事を恩に思い、御恩になった万分の一と、直太郎の面倒を見る事を約束するおしの。
両極端の登場人物でした。
両極端と言えば…
温和で情のある直次郎と、容赦なく止めを刺す冷淡な三之助。
驚いた両極端はお滝役のゆかりさんでした。
直次郎の女房として赤子を抱くお滝の顔は、優しさに溢れていましたが、直次郎や直太郎を捨て、勘蔵に女になった顔は、憎々しく鬼畜の様でした。
このお芝居は、かなり前に見た事があります。
笑いのないお芝居で、若丸座長曰く、「今月は、(笑いの芝居、真面目な芝居)色々取り混ぜて…」と。
その分、3部のショーでは、たっぷりと笑わせて頂きました。