⑳より続き…
 
順不同になりましたが…
 
2部 お芝居 江戸の朝霧
*配役*
美濃部一家
二代目 新太郎*美月姫之助座長
新太郎の弟 政吉*藤龍都花形
 
七郷一家
親分 団平*藤仙太郎座長
子分*藤優馬さん
子分*美月ことさん
子分*藤竜太郎さん
 
小金井小次郎*初代藤ひろしさん
 
 
*あらすじ*
1幕:七郷一家
父親を殺され、二代目を継いだ新太郎が、弟の政吉を伴い、挨拶にやって来る。
七郷親分は、回状が届いていたにも関わらず、届いていないと難癖を付ける。
挙句には、「手土産を持って帰ってくれ。」と言い、新太郎の額を割る。
「三年以内に、俺より立派になったら、額の割返しを受けてやる。」と言う七郷親分。
親の今際の際の言葉で、額の割返しをしなかった兄の心情を聞いた政吉は、「小金井小次郎親分の許へ行き、男修行してほしい。」と言う。
政吉の言葉を受け入れた新太郎は、「政吉、俺の帰りを待っててくれよな。」と、その足で旅立つ。
新太郎を見送った政吉だったが、七郷親分に斬られてしまう。
 
2幕:大川端
新太郎を追って、七郷親分達がやって来て、「旅に出る前に、明神下の賭場を譲ると、一筆書け。」と迫る。
「明神下の賭場は、親が残してくれたもの。譲れない。」と断る新太郎に、襲いかかる七郷一家。
 
斬られそうになった新太郎を、旅人が助ける。
 
3幕:美濃部一家
七郷親分に、片腕を斬られた政吉だが、明神下の賭場を守っていた。
そこへ、七郷親分達がやって来る。
「明神下の賭場を譲ってくれ。そんな体では、開帳出来ないだろう。」と言う。
「五輪五体、何をされても、声を出さなければ、明神下の賭場に、手を出さないでくれ。」と言う政吉に、容赦なく、ずたずたに斬る七郷親分達。
「お前の親父をやった奴、知ってるんだ。ばっさりやったのは俺だ。」と言う七郷親分。
「やっと、親父の敵が分かったんだ。親父の敵を討ってやる。」と言う政吉に、七郷親分は一突きした挙句、「末期の水を飲ませてやる。」と、唾を吐きかけ、帰って行く。
「兄貴、おめえ今頃、何処で何をやっているんだ。三年前に出てから、便りひとつ寄越してくれない。生きているか死んでいるか…やっとの事で、親の敵も分かったんだ。証拠の品がなけりゃ、敵を討つ事も出来ないだろう。俺が証拠の品を上げてやるから待ってろよ。」
政吉は、瀕死の体で、証拠を残そうとする。
「親仇七郷」と書き終えると、「必ず敵だけは討ってくれ。会いたかった。」と言い、息を引き取る。
三年前、七郷親分に斬られそうになった新太郎を助けた旅人は、小金井小次郎親分だった。
小次郎親分の許で修行を積んだ新太郎が、小次郎親分をを伴い、帰って来る。
「政、誰がお前をこんな目にした?政、誰がやった?誰に斬られた?」と叫ぶ新太郎。
政吉が手にしていた紙に気付く新太郎。
「親仇七郷」と書いてある証拠の品。
小次郎親分は、「良かったら、この俺も、手を貸すぜ。」と、助っ人を申し出る。
「政、迷わず成仏してくれよ。」と、敵討する事を誓う。
 
4幕:七郷一家
「俺の跡目を継いだ若い者が、お前さんに会いたいと言ってる。」と言い、小金井小次郎親分がやって来る。
小次郎親分の申し入れならと、会う事を了承する七郷親分。
新太郎は、「土産を持って来た。お前さんに、箔をつけてやる。」と言い、銚子で七郷親分の額を割り、「これから三年、俺以上の男のなれば、額の割返しを受けてやる。」と言う。
小金井小次郎親分の助っ人の許に、無事敵討ちを果たす新太郎。
 
 
 
 
 
 
だが…なかなか死なない七郷親分役の仙太郎座長
「兄ちゃんに、こんな役させて。お前がやれ。お前の方が似合うだろ。」
「斬られたら、もう出番はないんだぞ。」
 
「親父さんと弟さんの供養だけは、ちゃんとするんだぞ。俺は、まで行く所がある。達者でな。」と言い、先に旅立つ小金井小次郎親分。
「三年前、親分に助けられた時は、江戸は朝霧に包まれていた…
これからは、ずっと、お前と一緒だ。この俺と兄弟鴉で、出かけようか。」
政吉の遺髪と共に、旅立っていく新太郎。
 
 
 
口上
美月姫之助座長
 
 
美月姫之助座長&藤優馬さん
 
㉒へ続く…