⑰より続き…

 

順不同になりましたが…

 

2部 お芝居 お市物語

*配役*

お市(オイチ)*姫川寿賀座長

 

中山一家

子分*玄海劇団 沢村菊乃助座長

子分*姫川恋華さん

子分*姫川家紋さん

 

犬神(イヌガミ)一家

親分 五郎蔵(ゴロゾウ)*姫春之助座長

五郎蔵の女房*二代目 姫川竜之助総長

子分*光栄座 滝夢之助座長

子分*玄海劇団 沢村菊乃助座長

子分*姫川恋華さん

子分*姫川家紋さん

用心棒*姫春之助座長

 

女郎

お菊(オキク)*姫川京さん

お美代(オミヨ)*劇団鷹ノ羽 梅沢菊之助座長

 

大前田英五郎(オオマエダエイゴロウ)*二代目 姫川竜之助総長

坊様*光栄座 滝夢之助座長

茶店 主*姫川小代美ボス

旅館女将 おとき*光栄座 夢乃楓さん

 

 

*あらすじ*

1幕:茶店前

目界の女を捜して、中山一家の子分達がやって来る。

「そんな人は来ていない。」と茶店の主が言うと、「その女が来たら、これを飲ますように。」と薬包を渡し立ち去る。

暫くして、目界のお市がやって来る。

茶店の主が、中山一家の子分達の事を告げると、「中山一家の親分があくどい事をするので、痛めつけたやった。」と答えるお市。

そこへ、坊様(盲の三味線弾きの事)がやって来る。

お市:「越後で、犬神の権蔵を見たり聞いたりした事はないかい?」

坊様:「越後で、喧嘩に負けて、秋田に流れて来た男が権蔵と言ってた。」

お市:「三両で買われたお美代と言う女は知らない?」

坊様:「津軽じょんがらを、その女に聞かせた。」

お市:「その三味、私にも聞かせてくれない?」

その音色のから、「お市姉ちゃん、お市姉ちゃん。」とお美代の声聞こえた様な…

お市は、自分が捜しているお美代に間違いないと確信する。

「坊様のおかげで、私の行く道が分かったわ。」と言うお市。

そこへ、中山一家の子分達がやって来る。

お市は、全員を叩き斬り、去ろうとする。

「待ちな。」と茶店から男が出て来る。

男は、大前田英五郎と名乗り、「うちに草鞋を脱がないか?」とお市に言う。

お市は断り、「おじさん、さよなら。」と、お美代を捜すべく、去って行く。

その後ろ姿に、「あれが、座頭市の娘のお市か。」と呟く大前田英五郎。

 

2幕:浜辺

犬神一家の子分達に絡まれていたおときを助けたお市。

そこへ、犬神一家の用心棒が現れる。

「私を相手にすると、明日はないよ。」と斬り付けるお市。

そして、おときの営む旅館へ、二人して向かう。

 

3幕:おときの営む旅館

出かけていたお市が、坊様を連れ帰る。

お美代を見つける事ができないお市。

「あの時の三味を、もう一度聞かせて欲しい。」と言う。

犬神の五郎蔵の事を聞き、「犬神の五郎蔵…洗い場の権蔵…お美代の事だけは、必ず探してやるからね。」と、お市が言う。

 

4幕:女郎屋いろは前

女郎屋いろはは、犬神一家が営んでいた。

「このまま私を死なせて。」と、女郎屋いろはを飛び出して来たお美代。

「死んだら、会いたい人に会えなくなるんだよ。」と必死で止めるお菊。

犬神一家の姐さん達が追って来て、連れ戻される二人。

そこへ、お市がやって来て、女房を盾に、権蔵を呼び出す。

「お美代を出せ。」と言うお市に、「お美代は死んだ。」と答える権蔵。

「お前が、お美代を殺したのか。」と権蔵の女房を斬るお市。

女郎屋の中が争いで騒がしいうちに逃げようと、お美代とお菊が出て来る。

「お市姉ちゃんに貰った命より大切な風車がない。」と戻ろうとするお美代。

「私が取って来てあげる。お美代ちゃんは、向こうで待っていて。」と、お菊が戻って行く。

お美代が死んだと聞かされたお市は、敵を討つ。

 

敵討を果たし倒れ込んでいるお市。

そこへ、お美代が戻って来る。

「こんな汚い体じゃ、姉ちゃんに会えない。」と呟くお美代。

「その声は、お美代ちゃん?」と聞くお市に、「違います。」と答えるお美代。

「ずっと捜していたんだよ。」「お姉ちゃん。」「お美代。」「生きてて良かった。」と抱き合う二人。

「20年前、権蔵に連れて行かれる時のお美代の「お姉ちゃん、助けて。」の叫び声。

でも、子供の私には何も出来なかった。

お父ちゃんと会う事が出来たんだ。でも、斬ってしまったんだ。お互い渡世人同士。

一宿一飯の義理で斬り合い、先に私と分かって、お父ちゃんがわざと私に斬られてしまった。

やっと会えたんだ。これからは、ずっと、私と一緒だよ。」

風車を持って、お菊が戻って来る。

「お美代ちゃん、今度こそ幸せになるんだよ。」と言うお菊。

「美代、もう心配いらない。これからのこの道は、ずっと、あたいと一緒だよ。さぁ一緒に行くよ。」

 

5幕:雪山

追っ手に追い付かれない様に、お市とお美代がやって来る。

「姉ちゃん、帰りたいな。生まれ在所に帰りたいよ。」と言うお美代に、「あたいが、美代を連れて帰ってやるよ。」と言うお市。

しかし、親分の敵と追ってきた犬神一家の子分達の手に掛けられてしまったお美代。

「姉ちゃんに抱かれて死ねるお美代は幸せだ。

人間生きていれば必ず良い事が有るんだなぁ。」と言い、息を引き取るお美代。

「一緒に帰るんだろ。しっかりしてよ。お美代ちゃん!あたいは、もう生きる夢もないや。

お父ちゃんも自分の手で斬った。妹がわりのあんたも、守る事が出来なかった。

約束通り、もう、離れたりしない。

これから先も、ずっと、あたいと一緒だよ。」

 

 

 

 

 

お市とお美代、一時でも、再会できた事が救いでしょうか…

 

⑲へ続く…