ツアーの様子をドキュメンタリーにする企画を考えたロイ

そこで、知人であるエリアンに撮影を依頼することに

しかし、肝心のライブシーンにNGがついてしまう

鑑賞日　2024年1月21日

映画館　キネマ館

ミュージシャンをはじめとするアーティストはその活動を残したいもの。

ミュージシャンならば当然音楽という形で今はもちろん後世まで聞いてほしい・・はずなのですが。

本作は天才的なジャズトランペッターであるロイ・・のツアーの様子を収めたドキュメンタリー映画。

・・となるはずが、本人の考えと裏腹に資本主義に翻弄される内容となっています。

ポイント

本作のポイントは思うようにならない音楽。

本作はトランペッターであるロイ・ハーグローヴが自分のツアーの様子を知人である映画監督のエリアンに撮影を依頼したもの。

そのため、ロイのインタビューや持病の話、後輩への期待が収められているのですが、肝心のライブ映像が全くない！？

というのもロイのマネージャーが楽曲を含む音源の使用を禁止したため。

しかも、本作のツアー直後、ロイが急死してしまう事に。

結果、バンド仲間のインタビューではマメージャーに対する罵詈雑言の雨嵐となっています。

ミュージシャンのライブ映像と思ったら全く別なものが映っていたという、ある意味すさまじい展開の本作。

しぶりにクズ野郎の存在を強烈に印象づける内容で、黒人の才能を白人のクソ野郎が全て台無しにするという何度も繰り返されてきた悲劇の構成をまざまざと見せつけられます。

ロイが残した素晴らしい音楽もクソ野郎共の飯のタネにしかならないのは不幸すぎます。

ジャズトランペッターといえばやはりマイルス・デイヴィスということで。

絞りつくされた存在 ロイ・ハーグローヴ 人生最後の音楽の旅