ひょんなことから憧れの獅子舞を学ぶ事になったチュン

師匠であるチャンの指導のもと少しづつ上達していく

しかし突如チュンに大きな試練が訪れる

鑑賞日　2023年5月27日

映画館　ワンダーアティック

めでたい席で欠かせない伝統芸「お染ブラザーズ」。

正月のテレビ番組で「おめでとうございま～す」と言いながら傘で升や鞠を回す様子は昭和生まれなら一度は見たことがあるはず。

・・それ以外だと獅子舞があります。

噛まれるとご利益がある存在ですが、子どもがギャン泣きする事請け合いです。

そして、この獅子舞文化は中国にあり、こちらはふさふさの獅子舞となっています。

本作はそんな中国の獅子舞を題材にした作品。

本国で大ヒットしたらしく、日本で上映するにあたり豪華声優陣による吹き替えとなっています。

本作のポイントは獅子の鼓動。

両親が出稼ぎのため祖父と二人暮らしのチュン。

そんなチュンは獅子舞が大好きだが、貧弱だったこともあり本職の獅子舞演技者から馬鹿にされてしまう。

その時、凄腕の獅子舞演技者が現れ彼らの目を出し抜く。

その正体は女性ながら大会優勝者のメンバーであるチュン、同じ名前のよしみとして彼女から獅子頭をプレゼントされる。

本格的に獅子舞を習うため友人であるマオとワン公と共に元獅子舞演技者のチャンのもとで修行することに。

少しづつ体力と技術を身につけ予選に挑み大会の切符をつかむチュン、しかし出稼ぎに出ていた父が事故にあってしまう。

一家の生活を支えるため出稼ぎに向かいチュン、劣悪な環境で獅子舞を舞う気力も失ってしまうが・・？

果たしてチュンの獅子舞は再び舞うことが出来るのか？

なお、本作での獅子舞は縁起物としての舞だけではなく、獅子舞同士でのバトルも行うという激しいもの。

しかも、ルール無用というどこぞの白いマットのジャングル張りの危険なデンジャーゾーン。

そのため、生まれながら体が弱く迷信で女性の名前を付けさせられたチュンにとってはつらい現実です。

「なんだ、男か」という言葉が聞こえたのはナイショ。

見どころは前半、獅子舞バトル。

地元の有力獅子舞チームに喧嘩を売った謎の獅子舞演者。

獅子舞対決として非常に見ごたえのあるシーンとなっています。

気になった点は地元チームの手のひら返しが酷い事。

前半は散々チュンをコケにしてきた連中なのですが、チュンが全国大会すると「昔から良きライバルだったんだぜ」感を出して思いっきり手のひら平を返してきやがります。

一応、チュンが出稼ぎに出たシーンで偶然に目撃したということはありますが、そこを掘り下げても良かったのかと。

スポ魂要素が満載と思いきや地方からの出稼ぎ労働者の闇が入ってくるなど、一筋縄ではいかない本作。

そのため気が落ち込む場面も多く、結構キツイシーンも多いため見た目ほど楽しい作品ではありませんが、アジアのフルCGアニメの現在位置が分かる作品と言えるかもしれません。

ライオン繋がりでチョイス。

もっともこちらは実話を題材にした感動作品なのであしからず。

お前は獅々だ！獅子になるのだ！ ライオン少年