筋紡錘って何?
『筋線維が引き伸ばされましたよ!』という刺激をキャッチする筋伸展受容器。
筋紡錘の構造
筋肉の大部分は、α運動ニューロンに支配される骨格筋線維からなる。
いわゆる『ふつうの』骨格筋線維である。
このふつうの骨格筋線維の間に、並列に並ぶようにして紡錘状の筋紡錘が散在している。
筋紡錘の全長は6~8mmで、ひとつの筋に数十個程度存在しているといわれている。
筋紡錘は被膜に覆われることでカプセル状になっており、中はリンパ液で満たされている。
カプセルの一端は腱に、他端は錐外筋の筋腹に結合している。
※錘外筋線維…ふつうの骨格筋線維のこと。
筋紡錘は、骨格筋線維の間に埋もれているような感じだ。
白い部分はリンパ液?
筋紡錘の内部には、特殊な骨格筋が存在している。
どう特殊かというと…神経支配がα運動ニューロンじゃない。
これを錘内筋と呼び、
錘内筋線維にはさらに、太い『核袋(かくたい)線維』と細い『核鎖線維』の2種類がある。
筋紡錘部分をさらに拡大
核(青い点)がたくさん集まって袋に詰まるように存在している線維が核袋線維、
核がひとつずつ鎖状につながって存在している線維が核鎖線維らしい。
核袋線維と核鎖線維
ネッター解剖生理学より
核袋線維
核袋線維には、2つの神経線維がくっついている。
①Ⅰa線維(正確にはⅠa phasic(ワンエー・フェイジック))
求心性の感覚神経線維である。
相動性(=すばやい)筋伸張刺激を中枢へと伝える役割を担っている。
【機序】
骨格筋(錘外筋)が伸張する
それに伴い、錘内筋が伸張する
それに伴い、Ⅰa phasicが興奮する
脊髄後角へ刺激を伝える
②γ(ガンマ)線維
遠心性の運動神経線維である。
γ線維は筋紡錘の両端にある横紋構造の収縮部を支配している。
γ線維の働きを理解するには、下の絵がわかりやすいと思う。
骨格筋がα運動ニューロンの命令によって収縮すると、筋紡錘はたるんでしまう。
この、たるんだ状態では筋紡錘の感度は非常に悪く
もし筋が伸張しても、筋紡錘はその刺激を感受することができないかもしれない。
筋紡錘はどんなときも常に、ほどよい緊張状態を保っていなければいけないのだ
そこでγ線維の出番。
「錘内筋よ、収縮しなさい!」と命令を出してほどよい緊張状態に調整するとのこと。
核鎖線維
核鎖線維には3つの神経線維がくっついている。
①Ⅰa線維(正確にはⅠa tonic(ワンエー・トニック))
求心性の感覚神経線維である。
持続性筋伸張刺激を中枢へと伝える役割を担っている。
持続性筋伸張刺激って何だ???
②Ⅱ線維
求心性の感覚神経線維である。
Ⅰa線維と同じような役割を果たしている???
③γ線維
核袋線維のものと同じ。