前回書いたこれ
陳小姐の下りなんですが、なんか自分でも腑に落ちないままいたんですが、ようやく気付きました!
最後に陳小姐の銃口の向きが変わったのではなく、カメラのアングルが変わったのだとしたら?やはり廊下の端や階段の上から観察している人がケーキ屋の店主と推察出来る!この方がしっくりくるな~という感じです
でももう確認出来ないな~
スミマセン!そこまで観切れてなかった~
「無名」実は8回観たんです(笑)
でも、全く考察とは程遠い深読みしか出来ない場面もありました。
ここまでくると本当に勝手に推理です。
真珠湾攻撃の一報を受け、日本がアメリカと開戦した事を知った渡部は上海を制圧するために関東軍を配備する。この戦下に乗じて関東軍を国外へ排除したいタンは重慶国民党と手を組み日本側と交渉する事を決意した。その裏側には関東軍を追い出し国民党の戦力を共産党打倒に集中させるという思惑があった。
この会談をタンから聞いたフーはそれを阻止すべく江小姐から受け取っていた「日本人要人所在」を使い、身分を隠し密かに小隊に属していた大山公爵の元へ共産党員らを差し向け暗殺に成功する。
この事件をきっかけに重慶国民党と日本側との交渉は決裂した。
機密の「日本人要人所在」を江小姐に奪われた事に気付き渡部が「切腹せにゃ」と言ったのは本心だったかもしれない。
「本気でそう思っているなら口には出さない」と返すタンは、全ての失敗はそこにあると薄々感づいていて皮肉を込めて言ったのかもしれない。
「大山閣下の事だが・・お前が埠頭に行って見てこい。」とイエに向かって言った時、正直なんの事か理解出来なかったが、もしかして江小姐が共産党に組し、そこに居るかもしれないとでも思ったのか?謎です。
イエの隣に座っているのは大山公爵を暗殺しに行った狙撃手
埠頭に身を隠す共産党は、そこにイエが姿を現すことで渡部の手が忍び寄ってきている事を把握する。そして次第に迫る恐怖に怖気づいたジャンは寝返る事を決意するが待ち合わせたホテルでフーに殺されてしまう。
その翌日以降の場面(だと思う…)
「ひとつ仕事を終わらせて来た」⇒ジャンを始末した。
「もう続けられない」⇒この先はイエの出番。
そしてジャンから得た共産党のアジトの住所を元に関東軍は奇襲をかけます。
(ジャンから得た情報は隠すが、ノートに記したジャンの証言は報告します。ジャンが話す前に陳小姐の名前を書くのは皆さんご存じ!)
奇襲の情報を得て、方小姐を巻き込みたくないイエは彼女がいる化粧室で「失敗するぞ。」と忠告をするが、方小姐は聞く耳を持たない。それどころかイエを罵り「死ね」とまで口走る。
本来なら、自分も共産党員だと告げ一緒に戦う事も出来るはずなのに、今の自分には使命がありそれも出来ない。自暴自棄になり日本兵に当たるしかその怒りを鎮める方法は無かった。
しかしその頃…ふたりの会話を全て聞いていたワンの手に掛り、方小姐は命を落としていた。
翌日、昨晩の日本兵との乱闘騒ぎをワンに指摘され「女と喧嘩でもしたのか?」と聞かれたイエは、ワンに不信感を抱きながらもまだ漠然とした気持ちでいた。
しかし、共産党のアジトを奇襲した後、この作戦にワンが来ていない事から渡部の疑念はワンに向けられる。
「今日は彼の父親の誕生日だと聞きました。」と答えるイエに、「お前と一緒にいて撃たない奴は共産党員の可能性が高い。」と渡部に言われ、始めてワンの存在に強い疑念を抱き、方小姐の行方を探し始めるイエ。
床に落ちていた彼女の死を伝える記事を見たイエが思ったのは「なぜあの時彼女をひとりにしてしまったのか?なぜあの時冷静さを失ってワンに彼女の存在を知られてしまう事になったのか?」自分の行動が許せなかったのでしょう。
そしてこの後、ワンを殺すまで数日あったはず。でもイエは最後まで冷静さを失わなわず方小姐の仇を討つことになる。
【ワン隊長の存在意義】
この映画で一番の謎はこのワンです。
彼の存在とその役割はいったい何だったのか?勝手に深読み
この父親の誕生日の辺りから深くなっていきます。
誕生日の時にはもう方小姐を殺した後だったと思う。
苦しみ跳ねる真っ赤な酔っ払いエビを見て手にかけた方小姐を思い出しているのか…
この後の、方小姐を殺すシーンはワンの回想なのかもしれない。
「君が好きだ。でも君は友人の婚約者だ。この後の憂いを無くすために君を殺す」
こんな感じの事言ってますよね?端折ってます。
これをこのまま受け取る訳には行きません!
【ワンの憂い…心配とは?】
この「無名」には「時世」という言葉が頻繁に使われます。
この「時世」をワンが考えたなら…
幼い妹まで以前と同じ生活が出来なくなった事を「これも日本人のせい?」とワンに問いかけます。そのくらい皆、日本人に対して深い恨みを抱いている。
なのに自分は日本人の下で働いている。その「時世」が変わったら?自分の家族に被害が及ぶ事になるかもしれない。
ワンはきっと何処にも属していない。共産主義者だといって方小姐を殺しても大した手柄でもない。しかしイエの想い人がその方小姐だと知ったワンは、この先板挟みになるであろうイエの為に方小姐を殺そうと決めた。イエの憂いを取り除いたのだ。
そして家族の為にワンは死にたかったのだと思う。
そしてイエ(友)に殺して欲しかったのだと…
イエの友情を殺意に変える為に、方小姐を乱暴した後に殺すという残忍な手口を使い、新聞の切り抜きをワザとイエに見せ自分への疑いと憎悪を植え付けて行く。
そして最後に弾丸が空の銃口をイエに向ける事でイエの殺意を完成させる。
そう「敵は許せても友の裏切りは許せないもの」を造り上げたのだ。
そもそも銃の重さからして弾が抜かれている事にワンが気付かない訳がない!監督もそんなテキトーな演出はしないと見ています。
ワンに背を向け涙を流すイエもまた、そのワンの気持ちを察していたのかもしれない。その思いが無ければワンの家族に会いには行かないだろう。
自分の「死」を覚悟して早々に家族を香港へ逃がしたワン。彼の生死さえも知らずに暮らすその家族。あの時、方小姐を殺していなければイエの心は揺れ動き、このフーとイエの作戦は失敗したかもしれない。真実を知らないままワンはイエを救っていた。ワンこそが「名も無き者」だったのかもしれない…
方小姐が座っていたテーブルに座るイエの前には彼女の分と思えるカクテルが置かれている。
このカットは忠告に来た時のものなのか?それとも彼女の「死」を悼んでいる時のものなのか?同じネクタイを締めていた…
日本語を話し、思ってもいない事を口にして来たイエ。
「私も(共産主義者)だ!」
方小姐にず~と言いたかった言葉を口に出したのだろう。
おまけ「カトちゃんぺっ!」
大山公爵が「この顔、誰に似てるか分かるか?」と言った似てる人は誰?
これはたぶん「近衛文麿」
当時のお偉いさんにはこのちょび髭が流行ってたようでみんなしてます。
代表的なのが近衛文麿。総理大臣でしたので日本国民もよく知った顔。
なので、ちょび髭⇒近衛文麿⇒華族となります。
この大山公爵は字幕がなかったのでたぶん侯爵ではなく公爵かなと推測されます。そして公爵は元々公家(華族)。近衛文麿の親族という設定で顔が似てるだろう?を言いたかったのかな?
昔の日本映画だったか、ドラマで子供たちが「近衛文麿の真似~」といって同じような「カトちゃんぺっ!」のポーズをしていたのを観た事があります。
しかし残念ながらここにいた日本兵は日本国内に居なかったので流行りが分かんなかったのでしょうね(笑)
次は‥「感想」を書きたい。
※画像はYouTubeからお借りしました。
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