アラン・ドロンの訃報。

初めて観た作品は親と一緒に観た「太陽がいっぱい」だったが、

この一本といったら

「あの胸にもう一度」を思う。

彼女を冷たく愛す教授の役、

マンディアルグの原作とは違うキャラクター造形だけど大成功、レベッカを惹きつける（マリアンヌも原作とは違う）冷たく残酷な魅力がドロンにすごく似合っていたのです。

「山猫」のタンクレディの無敵の輝きも、

「冒険者」の切ない青二歳も

「太陽は知っている」のダメやさ男も

よかったなあ。

まだ観てない作品もたくさんあるけれど。

小学一年生の頃、クラスにいたちょっぴりおしゃれなS美ちゃんが、好きな男性のタイプはアラン・ドロンと言った時、小学生なのになんてオマセさんなんだ、と感心したことを思い出す。

昭和の時代、小学生の女子にまで美男子の代名詞はアラン・ドロンというのが定説であった。

ドロンのおかげで、ダーバンが外国のブランドだと結構大きくなるまで信じてしまっていた。

ちなみに自分の母はドロンはハンサムなのはわかるが冷たさがイマイチといい、娘時代はマルチェロ・マストロヤンニとジェラール・フィリップと錦ちゃんのファンであった。

誰もが認める美貌、ただご本人の性格はなかなかよくはないという噂を聞くようになった頃、

やっぱりニコとの息子アリの悲運な人生を思わずにいられない。

不幸な生い立ちや性格からくる翳りのようなオーラが、また持って生まれた美貌を最強のものに補完していたようにも思います。