上野の国立西洋美術館で開かれたハプスブルク展へ行ってきました。
最終日だったから、入場制限がある大混雑!
図録は売り切れて、後日発送になっていました。
凄い人気です。
みなさんのお目当ての一つは、ベラスケス作「青いドレスの王女マルガリータ・テレサ」(1659年)かもしれません。
白い肌にバラ色の頬をした青いドレスを着た可愛い女の子の肖像画。
かの有名なベラスケス作「ラス・メニーナス」の主人公でもあります。
女の子は8歳のスペイン王女マルガリータ。
婚約者の神聖ローマ皇帝レオポルト1世に見せるために描かれました。
愛らしく描かれるはずです。
会場には作品の横に、そっくりな肖像画がありました。
背景も顔もポーズも一緒だけれど、ドレスの色だけが青色ではなく緑色です。
ベラスケスの娘婿で一番弟子が模写しました。
まさか360年後に並べて展示されるとは、娘婿にとっては晴天の霹靂、穴があったら入りたい・・・かもしれません。
並べると違いが一目瞭然になってしまうから。
ベラスケス作は、ドレスの質感と光の反射がしっかり描かれ、肌は白く唇は赤くて明るい。
幼く愛らしいながらも、堂々たる王女の風格を感じます。
背景の表現も違い、暗いのに物の形がはっきり描かれています。
特に違うのは目の光だと思います。
ベラスケス作には瞳に白い光が大きく描かれて可愛くて、理知的に見えてきます。
瞳に光を描くのは、少女漫画と同じかなぁ。
マルガリータは父王から「私の喜び」と可愛がられて育ちました。
肖像画を送ったお相手の婚約者は、11歳年上の叔父さん。
王女は15歳で結婚して、1年後に第1子を出産し、6年間で4人の子供を出産しました。
毎年というぐらい出産したけれど、成長したのは長女のマリアだけ。
それにしても、この出産間隔はまるで乳牛みたい・・・。
結婚生活は幸せだったらしいですが、ハプスブルク家王女は大変でした。
4人目の出産後に合併症になって他界しました。