社長70歳。
紺色の上等なシャツに白いジャケットを羽織ってオシャレ!
しばらくぶりに会ったのだけれど、マトちゃんのことを心配してくれていたよう。
70にもなると、何を言っても動じなくなるのか、わたしはこの社長には本音を言える。
「マトくんいくつになったんだい?」と聞かれたので、
「マトちゃん、来月に二歳よ」
「そうかい、大きくなったねえ」
「うん。でも…発達は生後半年くらいみたい…体は大きいけれど、赤ちゃんなんだぁ」
すると、社長は
「でも、ほんの少しずつでも、ゆっくり発達はしているのだろう?」
と言う。
「うん…たぶん。でもとっても、…ゆっくり」
「えむちゃん、発達をするということは、速さじゃないんだ」
「以前から言っているけれど、うちの家内はもう二度と発達することはない。
ゆっくり、でも確実に退行していくしかないんだ」
社長の奥さまは昨年、60代前半で若年性痴ほう症になったのだ。
「先週と今週では明らかに違うのがわかる」
と社長は言っていた。
そして
「孫との対比を見ていると、規則にのっとって成長発達していくのと全く反対にひとつひとつ退行していくというのは、変な言い方だけれども面白いものだよ。
孫は先週できなかったことが今週できるようになっている。
妻は先週できたことが今週はできない」
と言った。
人が順序良く覚えていくことを、人は順序良く忘れていくのだろうか。
とても不思議だ。
マトちゃん、最近、発達はあまり感じないけれど、見えないどこかで、ほんの少しずつ、発達しているのかな?
そうだといいな。
そうじゃなくても別にいいけどさ!
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