3連戦前に、ファイターズ関係者へつぶやいた独り言。

「7月末時点で勝率5割をキープし、投手陣がフレッシュなら、後半から終盤にかけて面白いことになる。

このシリーズが首位攻防などとは考えていない。たぶん新庄監督も。」

 

ベースは、福岡市南区の野球観だ。

福岡市北部は、約2000年におよぶ商圏博多地区である。ここに西暦1600年、西部湿地帯に築城され城下町が生まれた。これが福岡地区だ。

博多と福岡は中州で分断され、何かと諍いや刃傷沙汰が起こったと地誌にある。

時は過ぎ、昭和20年のいわゆる戦後に核家族化が進み、福岡市南部に新興住宅地が生まれる。

小中学校が次々に生まれ、1学年45人10クラスが標準だった。

 

そこで育ったのが新規小学校の新庄少年であり、隣町で同じく新規小中学校の筆者は、ご尊父の「新庄さん」含め地区のナイターソフトは皆知人となった。当時の南区住民は、伝統商家や誇り高き武家の出自など関係なく、地域で親子野球を楽しんだ。

加えて「新庄さん」や筆者の世代は野球一色で、いっぱしの解説程度は皆できた。

さらに加えて、雑多なルーツを持つ野球好きは、それぞれの野球観を肯定し、独自の面白いプレーを披露する。

このようにして生まれたのが、「よかろうもん」気分である。

 

ファイターズの新庄監督は、生まれ育ちの必然から、この「よかろうもん」野球がやりたいと見ている。

自身、オールスターで本盗を決めたのも、よかろうもん野球の体現である。

ただ前提として、ひらめき→決断→スキル→実行が不可欠で、これらが成立して達成感や面白がりが生まれる。

 

現在のファイターズ選手には、まだ条件が満たされていない。従って、旧来の定石を交えて戦っている。

ただ昨日の継投は面白かった。

勝つ可能性の低い状況で、延長11回にクローザーを出した。これは、中1日で試合観を維持する目的と見た。圧巻の投球で、最終回は3試合目の中継ぎを起用する。

サヨナラ負けの可能性が高まったが、ゲームの結果より8月以降の戦いを見据え、ダブルクローザー構想を試していると見た。

もし負けても貯金は3ある。よかろうもん。

そういうことだ。

 

今日負けて3連敗でも、5割キープに変わりない。

戦いの中で得るものがいくつかあれば、若手の成功体験が積み重なり、先々面白い野球ができる。

ただ一旦5割を割れば、ビジョンが変わる。無理もするし、故障者も生まれる。

 

よかろうもん野球への道は厳しくもあるが、現状の登録メンバーで戦う姿は、見ていてすでに面白い。