日本は公営ギャンプルが公認されている。
プロ野球の現場でも、練習前のリラックス時間に、球団関係者が「昨日はダメだったよ」のような言葉を耳にしたことはある。就業中かどうか議論があるが、内容は全く問題ない。
麻雀やゴルフでも、違法の内輪賭けは行われている。
ただ金額が些少なら、逮捕や起訴に至らないらしい。「負けたら晩飯」程度だろう。
まず不明点は、「大谷氏が通訳を指名した」とされているが、大谷氏が一本釣りで水原氏を指名したのか、球団が出した名簿から選択したのか。
ファイターズ関係者からヒントを得る方法はあるが、今のところ下世話な話題を持ちかけることはしていない。
ただ通訳を決める時点で、水原氏がギャンブル依存症でないことは必然である。
もし破産するほどの生活を送っていれば、球団内の伝聞と調査で容易に明らかになる。解雇以前でも、そのような人物を大谷氏が指名した時点で、球団はストップをかけるはずだ。
ファイターズ球団は25年以上近くで見ているが、組織体質上間違いない。
ただ、選手が退団する時点で、その後の生活面を鑑みて球団がどこまで助言あるいは介入すべきか。この点は、厳格な球団運営を見ていると、踏み込むべきでない線が存在したことも間違いない。
水原一平氏が日本で上記のようなギャンブルを、サラリーの範囲内で行っていた可能性はある。
だが、特に問題はない。
ギャンブル依存症になったとすれば、渡米後だろう。
通常マフィアは、ドラッグやギャンブルで依存症に導く。
水原氏をハメるとすれば、ドラッグは明らかに症状が現れるので、ギャンブルが適当だろう。
日常の思考力は衰えないし、本能の辺縁系が飢えて新皮質へ小手先手続きを命じる。
その場しのぎで延命を図る知恵は働くが、その先のリスクは本能が覆い尽くす。
正規の銀行を使っている点で、永遠に続かないことはマフィアも承知で、良くむしり取った営業成績といえる。
関係者の今後は報じられる事実を知るのみで、それ以上の関心はない。
考えるのは、日本球界からアメリカ球界へ選手が移る過程で、空白や漠然とした部分が存在している点だ。
その隙間を上手く突いたのが今回のマフィアで、通訳、代理人、マネージャー、アメリカチームの弁護士やスタッフ、こういった人物の業務上アンタッチャブルエリアと境界線を明確にする必要がある。
現実は明確であっても、日本選手が概要を理解し、アメリカ社会に精通した日本人の側近が付くべきだ。
そのために、送り出す日本球団がどこまで関与するのが適切かを、統一する必要がある。
早急に、NPBの出番と思う。
日本人初MLB選手
(web Sportiva - 集英社 より転載)