3月9日(月)


晴れ。



涼子さんの娘さんにあげるバッグが完成した。
美奈子さんに見せに行った。
彼女はこれが娘さんのために編んだのを知っている。

涼子さんが通りかかったので、美奈子さんの部屋で渡した。
涼子さんはこれを編んでいるときから、この色は好きだ素敵だと言っていた。
娘が喜ぶと言って、涼子さんの目から涙がポロポロ流れた。網膜剥離で見えない目からもポロポロ流れた。

涼子さんの涙を見るのは3度目。初めて見たのは、わたしの娘が遠くに行くのに手を握って別れたあと、泣いているわたしの横に座って一緒に泣いてくれた。次は、長男が責任を取って小指を詰めたとき、痛かっただろうと涙を流した。
今日の涙は娘さんのための嬉しい涙。
よかったよかった。


回診のあと、涼子さんがコーヒーを持ってきた。
ベッドに座って分け合って飲んだ。ところが微糖で甘く涼子さんは血糖値の関係で飲めない。


リハビリでストレッチのあと腰を温める。優しいナイチンゲールが週刊誌を持ってきてくれる。


この団体に全額寄付するバザーのために、バッグやタワシを編んでいるが、このような記事を読むともっと頑張らねばと思う。


涼子さんが何度も来る。
同居していると笑われるくらい入り浸るのは、彼女の同室の患者が一日中喋るので疲れるそうだ。
しかも、涼子さんの娘さんがお菓子を買って差し入れると、娘さんに聞こえるように文句を言ってから食べる。


姐御の宿題を作ろう。
やり始めたところに涼子さんが来てわたしのパンツがほしいと4枚持っていった。
入院するときに新しいのを持ってきたが2度くらいは使って洗っている。
涼子さんは細いがコルセットなのでぴったり。
ご主人にリハビリパンツを履かされているが、高いし蒸れる。
わたしのに履き替えて気持ちよさそうにした。
驚かない訳では無いが、何でもありだから。


午後のリハビリでPT耕史がわたしの車で乗り降りの練習をした。両足を揃えて乗り降りすると痛みがなく楽勝だった。
運転は気合い、乗って帰りなさいと言う。
そうだね、土曜日の外泊は乗って帰ろうかな。

リハビリで、病院の敷地、院長の家や母屋を囲む道を散歩した。坂道やデコボコが危なかったが気晴らしになった。


美奈子さんは大学病院に手術前検査に出かけた。
案外早く戻り、しんどそうにしている。
股関節の手術をするのに下肢の筋肉が弱すぎて、今のままでは術後は寝たきりになると脅された様子。


21時に痛み止めを2個飲むことを覚えた。
これで5時間は眠れるニヤリ