きょうは、お芝居レポートです。

タイトルは、【留八しぐれ】


○○組の娘おまちは19歳。
親分である父に、そろそろお嫁に行く年だと言い、
最近この組に入ったばかりの留八(ダイヤ)に惚れて居るんだ、と
打ち明ける。

顔よし、気風良し、度胸ある
中々の男で、俺も気に入って居る。と
親父さんは、即座に首を縦に振り、娘を喜ばせる。

すぐさま、留八を呼びつけて、
娘と婚姻し、この組を継いでほしいと言うが、
まだ、組に来て三ヵ月しか経っていない自分が
そんな事になったら、周囲がとまどうのでは・・・
だから、この話はありがたいが、
断ると言う留八に、親分は、二度惚れ。

「お前はやっぱり俺の思った通りの男だ!
任せておけ。とにかく、仮祝言を上げよう」

と、大喜び。

ついては、仲人をたてねば・・・
誰がいいかと案ずるが、留八は
兄貴分で代貸しの源太 (たつみ) に
頼みたいと言う。

源太は、かたぎの人たちからも
好かれている人物だし、それなら・・と
親分も、おまちも大喜び。

留八の母親にもすぐに知らせねば・・・と、
組を飛び出したところで、源太と出くわす。


話を聞いた源太は、自分の事のように喜んだ。

親分には、留八がこの組を継いだなら、自分は
新しい親分になった留八からも、あらたに
盃を受けて、この組を守って行きますよ。と約束。

おまちも、そんな源太に、

「出雲の神さま、よろしくね」と、嬉しそうに拝む真似。





おまちに横恋慕している文太郎(嵐山 瞳太郎)と言う男が居る。

こいつが、おまちに恋文を送ったものの、あっさり振られて
むかっ腹をたてて居た。そこへ現れたのが浪人 (大蔵)

付け火をして、一家をこわしてやれと耳打ちする。





そして、組に火の手があがる。


(舞台) 黒い幕の前での火事騒ぎ・・・

皆が騒ぐ所へ、かけつける源太。
親分と、お嬢さんがまだ、家の中に居ると聞いて、
火の中へ飛び込もうとする源太を皆が、押さえて止める。

「助けなければ!」
そこへ、飛んで来たのが留八

源太は、「俺が行く」と言うが
「お嬢さんと祝言をあげれば、親分は親も同然。
 その親を助けに、俺が行かずにいられようか」

と、火の中へ。そして、無事に親分を助け出す。
続いて、おまちを助けに、再び火の中へ・・・

助け出された親分に
文太郎が、

「親分、助けたのは、あたしですよ。文太郎ですよ。」

と、盛んに言い続ける。(なんて、奴だ!!)


そして、留八は、お嬢さんを助けだすが、
端正な顔の左半分に、ひどい火傷を負って居た・・・・






そして、数か月・・・

留八の家では、母親が1人
そこへ、組の三下の1人、サンちゃん(ライト)が手紙を持って
やってくる。

源太からだった。
いつもなら、顔を出してくれるのに、なぜ手紙など?

サンちゃんも、手紙を置くと早々に帰ってしまった。


そこへ飲んだくれてフラツキながら、留八が帰ってくる。

あの火事以来、組からは、留八になんの連絡もなく
月日ばかりがいたずらに過ぎて行くだけだったからだ。

お嬢さんとの祝言の話は?
俺の事を親分は忘れてしまったのか?
そんな焦燥でいっぱいの留八の心は
荒んでいくばかりだった。



「もっと酒をよこせ。とっくりが空だから買って来てくれ」と
母親に言う留八に、母親 (龍子さん)
は手紙を渡すが、留八は読む気がない。


なだめすかして、とにかく手紙を
読ませると、
そこには、身支度を整えて、組に来るようにと
書かれていた。

祝言の・・・・と言う文字。

留八の頭が、冴えた!

「親分は、やっぱり俺の事を忘れて

いたわけじゃなかったんだ! お袋!」

嬉しそうに明るい顔で立ちあがった留八。

だが・・・



手紙には、お嬢さんとの祝言に来てくれ。と・・・
ただし、それは留八とのではなく、
あろうことか、文太郎との祝言だと言う。


情けない・・
悔しい・・・



母に説得されて、そして、
お前の祝言と聞いた時に、貧乏な母に何ができるかと言えば・・と
紋付き袴を用意しておいてくれた母の心をくみ、

留八は、母に手伝ってもらい、
身支度を整える。

ここがまた見せ場の一つで、

着物の着付けシーン。


以前、他の劇団で見た時は、
時間をかけ過ぎたきらいがあったが、

たつみ劇団、ダイヤ扮する留八は
実に自然に、しかし、キリッと、その見せ場を
作って見せてくれた。


思わず、唸らされた!



~~~続く~~~