高橋大輔が一応(消化不良な記者会見と言われつつも)

引退宣言をして、競技会から退いた形から、今回のスケート大会は、

何か華がない・・雰囲気でのスタート。 女子の浅田真央、鈴木明子、

男子が大輔、織田信成・・・と、いわゆる日本でのトップスケーターが

一気にいなくなってしまったのだから、雰囲気的にも、ポカ~っと、

穴があいた状態なのは、どうしても否めない。


羽生くんが金メダリストとは言え、19歳の少年が1人で、何やら

引退した選手たちの荷を背負わされている気がしないでもない。



これだけのレベルがありながら、どうしてコンスタントに競技会に

出られないの?と海外マスコミから不思議がられていた無良選手は、

レベルは高いと思う。

が、しかし、何せ上には大輔が居た。

「だから、これほどの選手でも、出場できなくなるんだ。日本はすごい

ね」と、羨望の溜息さえ、つかれたそうだ。


その無良が、今回は堂々と出場。

いや・・・べつに、上がいなくなったからだよ、良かったね~とは言って

いない。誰でも自分の時期と言う物が、ある。

ようやく彼の時期が来たのだろう。 そして、


町田 樹。

今、一番表現力があると賞されている彼の滑りは、元世界チャンピオン

のステファン・ランビエールに教えを受けてから、ガラリと変わった

ように思える。

彼の自信のなさだか、謙虚だか・・・それが、帰国後は堂々と自信に

満ちて、目つきも変わり、氷上での演技は、ダイナミックな中に、

優雅さと繊細さが漂う。

ただ、ランビエール大ファンの私から見ると、ランビのコピーみたいに

見える事がしばしば。

良い方へ作用しているから吉としても、町田君の独自の色に

ランビエールの教えを、ミックスして欲しいなと、若干思うのですよ。



かつて、高橋大輔が、やはりランビエールから振り付けをされ、

日本のアイスショーに出た時、思わず場内から失笑に似たものが

もれた。何故?

ランビエールなら、様になる、そのアクションが・・・・大輔にはマッチして

いなかった?のか?それとも?

大輔が、ランビエールの教えに忠実過ぎたきらいが、あったからだ。


滑り方が変わった。

ランビエール独特の、エレガントなセクシーさがなぜか、大輔が演じて

みせると・・・アァ、大ちゃん。それって、違うんじゃない?と、

思ってしまう。



しかし、それから、本のしばらくして、同じプログラムを大輔が演じた

時、

彼は、見事にランビエール色を自分の高橋大輔色に変えていた。

自分の物として、良いものを消化し、己の魅力と特徴に加えた。


やっぱり大輔だ! と、喜んだ。


教えられた事をそのまま、コピったり、何でも、はいはい・・と言われる

ままでは、何でもダメなんだろうな~と、改めて実感した。 



茄子がママ、キュウリが、パパ・・・もとい

成すがままでは、自分の物ではない。


高橋大輔が見せた、そうした事も、技術の一つと言えるだろう。


これからの選手たちは、今までよりもっと海外に出て、優れた世界の

コーチや元選手たちに教えを受けることが出来るだろう。

でも、決して、全部教えられた通りではなく、自分の色で、本当の

自分の味にしてほしいと思う。