7月末から1週間のベトナム出張から帰国しました。ベトナムも暑い国ですが、帰国したら東京はもっと暑くて、海からの爽やかな風に恵まれているベトナムより暑く感じました。今回のベトナム出張は2つの案件がありました。まずはJALでホーチミン市に入り、昨年からの懸案のLEDプロジェクト。ベトナム最大手の蛍光灯メーカーのDien Quang社(元国営企業で、現在は民営化された上場企業)とのベトナムでのLED照明の合弁事業の次のステップへの打合せ。アクトグリーン社の岡野社長と同行し、会議を行いました。そして、次の案件は、ベトナムPhu Yen(フーエン)州とのマグロの合弁事業プロジェクト。LEDプロジェクトの会議の終わった翌日、国内線でホーチミン市から約1時間のフーエン州の州都Tuy Hoa(トゥイホァ)空港まで飛びました。ここはホーチミン市とはがらりと変わって、海沿いの静かな地方都市。海からの爽やかな風が吹く、400年の歴史を持つ落ち着いた街です。まずは写真でTuy Hoa市をご案内しましょう。
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僕が泊まったのは市内中心部にある4星ホテルのKaya Hotel(カヤホテル)。その10階の部屋から見た市内の風景です。高層建物はほとんど無く、緑豊かで静かな街です。
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目抜き通りは綺麗に整備されていて、他のベトナム大都市と比べるとバイクの数も少なくて、ここなら僕でも車で運転できそうな感じです。ちなみにホーチミン市やハノイ市の市内で車を運転するには相当な勇気と度胸が必要ですよ。
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会議場となった州政府の投資計画局のある建物の前の通りですが、綺麗に整備された公園と道路にも殆ど人影が有りません。
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公園の先は(画面上方)は海で、海水浴場として整備されています。赤い旗はベトナム国旗で、至るところに掲げられています。日の丸掲揚を軽視する日本とはだいぶ違いますよね。
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僕達に同行してくれた政府の投資計画庁のThang長官は、毎朝、早起きしてこの海で海水浴をしてから、ホテルに帰って朝食を食べると言うスケジュールでした。62歳ながらタフな体力の持主です。
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さてマグロ合弁プロジェクトの会議のメイン会場となったのが、この州政府の計画投資局の建物。もう何回もここで会議を重ねてきましたから、お馴染みの場所です。この周辺には州政府の建物がたくさんあります。
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建物の入り口には左右の門に、英語とベトナム語のプレートが掲げられていて、何の役所か分ります。
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会議室にはどの部屋にも、必ずベトナム建国の父「ホーチミン」氏の胸像と国旗が飾られています。
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会議の冒頭で挨拶をする計画投資局の局長Nguyen Chi Hien(グエン・チ・ヒエン)氏。ベトナムではグエンさんはたくさんいます。日本の鈴木さん、佐藤さんのように一番多い名前です。ベトナムでは会議場での「偉いさん」の挨拶(演説?)が延々と続きます。この朝8時からの会議の初日でも、延々1時間もの間、次々と挨拶が続き、座って聞いているだけでもお尻が痛くなってきます。
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Phu Yen州政府の各部局の皆さんです。女性の職員も重要な役職についている人が多くいて、発言も活発です。

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合弁事業に参加する民間企業の経営者の皆さんです。ベトナムは政治体制は社会主義ですが、経済体制は資本主義体制で、株式市場に上場する企業もたくさんあり、企業活動はとても活発です。
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3日間の協議の結果、ベトナムマグロプロジェクトの合弁事業推進の協議が整い、最終日にJoint Venture Contract(合弁契約書)に調印の運びとなりました。州政府及び中央政府の皆さんの立会いで調印式が行われました。ベトナムは領海内での外国企業の操業は一切認めておらず、今回のように日越の合弁事業とは言え、日本側が51%の株式を保有する形での合弁会社に、ベトナムでのマグロ事業を認可するのは画期的なことです。しかも中央政府と州政府が強力にバックアップする体制で、フーエンブランドのベトナムマグロを世界に発信すると言う重要な役割を課せられての事業のスタートです。地球に残された最後の大陸棚と言われるほど、豊富な漁業資源に恵まれたベトナム領海で、日本の最先端の捕獲技術、保蔵技術、加工技術を駆使して、ベトナムの水産業を発展させようと言う壮大なプロジェクトが発進する事となりました。まだまだ中央政府からのライセンス発給、合弁会社の設立等々、操業開始までには、やらなければならない事はたくさん有りますが、とりあえずスタートの号砲がなりました。後は一途に走るだけです。
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調印式の終了後、州政府のLe Van Truc副知事(実務の最高責任者)主催の晩餐会。画面右側が副知事です。とても気さくな方で、自分の名前(Truc)は漢字で書くと「竹」と言う字だと、手のひらにボールペンで漢字を書いてくれました。ベトナムは約1,000年にわたって中国の属国でしたから、中国系の姓が多いのですが、現代では漢字の読める人は殆どいません。ベトナム文字はアルファベットでフランス語と同じ表記です。フランス植民地100年の歴史からそうなっているのだそうです。
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晩餐会に出席の州政府の計画投資局のDung(ズン)次長(右側)、この人は英語がペラペラですが、何と独力で英語を勉強したと言う努力の人です。
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合弁事業に参加する民間企業のVin Sam社のSam(サム)社長夫妻。この会社の社長は左側の奥様の方です。奥様は非常にパワーのある方で、僕らもたじたじとなるほど活発に意見を出します。旦那様はおとなしい方で、時には奥様にこっぴどく怒られて、しょんぼりしている姿が印象的でした。とても従順に奥様に従う、理想的な旦那様でした。
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会議の合間に、近くの水産加工工場に視察に行ったのですが、今のシーズンはマグロのシーズンではない為に、輸出用のエビの加工をしていました。
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加工ラインの一部では、冷凍マグロのアメリカ輸出向けのパッキングをしていました。アメリカ、カナダ向けで、ツナステーキ用だそうです。
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ツナステーキのパッケージの箱に、キハダマグロのステーキ用と表示されています。
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工場見学の帰りに、製氷工場も見てきました。地下水を汲み上げて漁船用の氷を作っています。余り氷温は低くなくて、改善しなければ使えそうもありません。

と言う事で、ようやくベトナムでのマグロ合弁事業が、発進する状況になりました。さー、これからが大変だぞって覚悟を確かめながらの帰国でした。また8月末からベトナム出張が待っています。次はまずハノイ市に入り、中央政府の各省庁への挨拶回り。その後で、フーエン州に飛び、合弁会社設立の準備に入ります。日本市場に細々と入荷していたベトナム産のマグロが、本格的に流通する日を夢見て頑張ります。