しばらくブログの更新が出来ずに申し訳ありませんでした。今月も19日から4日間ほど香港に出張し、帰国後も様々な予定が詰まっていて、時間を作れませんでした。今回の香港では、台湾を襲って甚大な被害をもたらした台風11号が、台湾通過後に香港の北部に来襲して、滞在中はずっと雨と強風でした。下の写真のように九龍側からみる香港島の夜景も雨でかすんで見え、時には全く見えなくなるほどの強い雨でした。
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香港島と九龍側を結ぶスターフェリーの乗り場でも、写真のように香港市民も傘で雨を避けても強風でびしょ濡れ、おまけに気温が下がって、寒くて長袖を着ていました。
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香港と言えば、世界有数の港町ですが、今日のお話は日本の代表的な港町「横浜」のお話です。横浜港を見下ろす小高い丘の上に「港の見える丘公園」が有るのはご存知ですよね。9月25日の土曜日にこの公園で、小さなイベントがありました。この「港の見える丘公園」は横浜市が管理する風致公園で、有名な山下埠頭を見下ろす小高い丘の上の小さな公園です。江戸時代末期の横浜開港時にはイギリス軍とフランス軍の駐留地となっていて、第二次大戦の終戦後はアメリカ軍が接収して駐留地としていました。近くには有名な外人墓地もあり、昭和の時代は若者達の横浜デートコースとして有名でした。僕の大学時代は慶応の日吉校舎から近いこの公園周辺は、手軽でロマンチックなデートコースとして、何度か訪れた思い出があります。クリスマスイブの晩に、近くのレストランで食事をしていたら、近くのフェリス女学院の女子学生達のキャンドルサービスの長い列に遭遇し、とても幻想的な風情に感動した思い出があります。え~、誰と何回来たかは”秘密”です。
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さて、この公園には下の写真の「港が見える丘」の歌碑が建立されています。1962年に米軍の接収が解除され、歴史的なこの丘は公園として再出発をしたのですが、その後、昭和22年に大ヒットした歌謡曲「港が見える丘」を記念して、歌碑が建立されました。この歌はビクター専属の作詞作曲家であった東辰三氏の作品を歌手の平野愛子さんが歌って、昭和22年の敗戦後の打ちひしがれた日本人に、夢と希望を沸き起こさせた戦後初のヒット曲です。この二人のコンビでヒットした曲には「君待てども」も有名ですよね。
この歌碑が建立された7周年を記念して、僕の友人の作詞作曲家の石坂まさを先生が企画した「港が見える丘ありがとう感謝祭」が開催されたのです。
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この日は、東辰三先生の息子さんである作詞家の山上路夫先生、平野愛子さんの娘さんであるシャンソン歌手の平野淑子さん、神奈川県知事の松沢成文氏、バーニングプロダクションの周防郁雄社長等々錚々たる人達が出席して下さり、僕が司会役を仰せ付かって約2時間のパーティーとなりました。
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石坂まさを先生が、開会のご挨拶をして下さり、パーティーのスタートです。石坂まさを先生は、足と目がご不自由で車椅子の日常ですが、15分もお話をされ、合間に歌まで歌われると言うお元気さですよ。五体満足な僕らは見習わなくてはいけませんね。
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石坂まさを先生に続いて、東辰三先生の息子さんである山上路夫先生が、父の思い出をお話下さいました。山上路夫先生も74歳におなりだそうですが、お元気で現役で活躍なさっています。山上路夫先生と言えば、戦後の歌謡界で次々と大ヒット作を生み出された大作詞家ですが、僕の大好きな作品を独断と偏見でご紹介させて頂くとすれば、まず小柳ルミコさんの「瀬戸の花嫁」、梓みちよさんの「二人でお酒を」、アグネス・チャンさんの「ひなげしの花」、井上順さんの「お世話に成りました」、GAROの「学生街の喫茶店」、ゴダイゴの「ガンダーラ」、野口五郎さんの「私鉄沿線」、由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」等々、挙げだしたらきりがありませんね。テレビドラマの主題曲やCMソングもたくさんありますが、良く覚えているCMソングではハウス食品の「ハウスバーモントカレー」も山上路夫先生の作品です。下の写真のようにご挨拶の時も背筋をピンと伸ばされて、とても70歳を超えているとは見えません。
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続いて、神奈川県知事の松沢成文氏がご挨拶と共に、横浜の歴史と「港の見える丘公園」の歴史をご紹介くださり、作詞家の皆さんにこれからも多いに横浜の歌を作って、横浜を盛り上げて下さいとお願いをされました。
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さて、この戦後の大ヒット曲「港が見える丘」を歌ったのが、当時その美声を「濡れたビロウド」と称されたビクターの平野愛子さん。下の写真が当時の平野愛子さんです。残念ながら昭和56年に亡くなられましたが、当日は娘さんのシャンソン歌手平野淑子さんが出席されて、ご挨拶の後でお母さんのヒット曲「港が見える丘」を熱唱して下さいました。
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上の写真と比べてみるとお母様に良く似ていらっしゃいますよね。本職のシャンソンを歌う時よりも、お母様の「港が見える丘」を歌った時の方が拍手が大きいのですと仰っておられましたが、とても素晴らしい歌でした。
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パーティーが終わってから、出席された皆さんで順番に歌碑の前で記念写真を撮りました。
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今日は、港町香港と横浜のお話でした。さて今日のお話の中で、公園の名前は「港の見える丘公園」、歌の題名は「港が見える丘」。「の」と「が」の違いに気付かれましたか?そうなんです、公園名と歌の題名では一字違っています。特に意味は無いそうですが、歌が先に有ったのですから、一緒にすれば良かったのにと思いました。

では又、次のお話でお目に掛かりましょう。