私達が、海外旅行などでは普通に何気なく使っているアメリカ合衆国ドル。このお札には様々な背景が有ることは前回のブログでお話をしました。世界中で貿易決済や金融決済に使用される米国ドルは、世界の基軸通貨として信任され、流通していますが、米国ドルが世界の貿易取引や金融取引に使用する基軸通貨として、その地位が確認されたのは1944年の事です。第二次世界大戦が終戦となる1年前、1944年にプレトン・ウッズ会議がアメリカのニューハンプシャー州のキャロルと言う町の1地区であるプレトンウッズで開催され、戦争終了後の国際通貨体制に関する協議が行われました。そこで米国ドルを貿易決済や金融決済に使われる基軸通貨とする事が決められました。下の写真が歴史的な会議場となったプレトンウッズの「マウントワシントンホテル」の全景です。


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その後、世界の国々は自国の通貨と米国ドルとの為替レート(交換比率)の設定によって、米国ドルの基軸通貨体制を維持するようになります。多くの主要な国は変動相場制を採用し、その時々の各国の経済力や生産力等で、対ドルとの為替レートが変動する体制になりました。しかし中華人民共和国の通貨である「元」は事実上固定相場制に近い体制の為に、いま大きな問題となっており、徐々に変動相場制に移行する事が求められています。

そしてドル相場が不安定で、ドル高傾向が余りに強くなってしまうと、アメリカは輸入が増えて、輸出が減ると言う経済的なダメージが大きくなる為に、1985年9月22日にニューヨークのプラザホテルでG5(先進国蔵相、中央銀行総裁会議)が開催され、ドル安傾向に誘導する「プラザ合意」が採択され、日本の円は翌日には235円から一気に215円まで上昇し、その1年後には半分に近い150円まで上昇しました。更に最近では90円を割り込み、86円台まで円高傾向が進んでいます。

まぁ難しい話はさておき、下の写真を見てください。1ドル札の一番上に「FEDERAL RESERVE NOTE」と印刷されているのが見えますね。これは翻訳すれば「連邦準備券」と言う意味で、FRB=連邦準備制度理事会が連邦準備銀行に許可を与えて発行させている紙幣と言う意味です。ワシントンの肖像画の左側に大きく丸の中に「B」と印刷されているのが分りますか。このアルファベットは全部でAからLまでの12種類あり、アメリカの12ある連邦準備銀行のどこが発行したものかを表示しています。ちなみに「B」はニューヨーク連邦準備銀行が発行した事を表しています。その下の1ドル札の写真の表示は「L」になっていますが、これはカリフォルニヤ州のサンフランシスコ連邦準備銀行が発行した事を表示しています。同じ1ドル札でもこんな違いがあります。
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さて折角ですから、もう少しFRBの勉強をしてみましょう。設立は1913年、ウッドロウ・ウィルソン大統領がオーエン・グラス法に署名し、ワシントンDCに連邦準備制度理事会がおかれ、全米12地区の連邦準備銀行を統括する連邦準備制度が成立しました。この時は多くの上院議員が休暇中の12月23日であり、反対勢力のいない隙に成立させたと後日多くの非難を浴びました。連邦準備制度理事会はFRBと称され、Federal Reserve Boardの頭文字をとってFRBと呼ばれています。FRBは7人の理事によって構成され、そのトップは議長(Chairman of the Federal Reseve Board)と呼ばれます。FRBの理事、副議長、議長は大統領が上院の助言と同意を得て任命します。FRBは株式を発行していませんが、連邦準備銀行は株式を発行しており、アメリカ政府はその株式は1株も持っておりません。またその株式は民間人が所有する事は禁じられており、連邦準備銀行の管轄化に有る個別金融機関が出資しています。アメリカ政府機関の中では大統領に対して最も強い独立性を持っており、その経済に対する影響力は絶大で、アメリカではFRB議長は大統領に次ぐ権力者と見られています。現在の議長は2006年2月1日に前任のアラン・グリーンスパンから引き継いだベン・バーナンキです。両者ともユダヤ系アメリカ人です。下の写真はワシントンDCにあるFRBの本拠「エクルズ・ビル」です。

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さて、前回紹介した米国ドルの裏面に印刷された奇妙なマーク「ピラミッドとプロビデンスの目」はフリーメーソンの象徴マークですが、このプロビデンスの目は「人類を監視する神の目」と言われており、フリーメーソンが関与したとされる多くの事例で使用されています。下の写真はフランス革命の後に発表された人権宣言ですが、天使の左側ににちゃんと「プロビデンスの目」が描かれていますよね。そもそもフランス革命を主導したのがフリーメーソンのメンバー達だと言われており、アメリカ独立戦争、アメリカの南北戦争、そして第一次世界大戦、第二次世界大戦等も全て、ユダヤ系の金融資本家達の画策で起きたと言われております。フリーメーソンは秘密結社と言われ、ユダヤ系の人たちによって主導されていると思われがちですが、これには諸説があり、実態は良く分らないと言われております。アメリカの歴代大統領にはフリーメーソンのメンバーが多く、皆さんの良く知っている人では、ジョンソン、レーガン、ブッシュ親子等はフリーメーソンのメンバーです。日本では皇族の東久邇宮稔彦王、政治家の鳩山一郎等がフリーメーソンのメンバーとして登録が確認されています。
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さてさて、今日は長くなってしまいましたので、また次回以降にお話を譲りますが、世界史を勉強するにも、その裏面史を少し知ると、もっともっと歴史が面白くなりますよ。

では又、次回の話をお楽しみに。