とうとう今年のゴールデンウィークも終わりましたね。各地の高速道路、鉄道、飛行機等も大変な混雑でしたが、皆さんは如何お過ごしでしたか。僕は南那須の両親の山荘を訪ねて、久し振りの親孝行。父は今年で92歳になりますから、この先で何回のゴールデンウィークを息子と過ごせるかと考えると、出来る限り時間を作って、顔を見せてあげるのが最大の親孝行かなと思って、足を向けました。昨年もブログで写真をお送りしましたが、南那須は春を通り越して、初夏の雰囲気。父の山荘は別荘地の中ですから、広い庭は春の花と初夏の花の競演、まさに様々な花の真っ盛りでした。とりわけ今の季節を飾るツツジの花は、庭の彩としては見事なものです。今日は南那須の野生の花の写真集をお届けします。
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最初にお見せするのが「黒船つつじ」。薄いピンクの大輪の花を咲かせるこのつつじは外来種、と言っても1668年(寛永8年)徳川家綱将軍の時代に、朝鮮半島から持ち込まれたそうです。当時の外国船は黒く塗装されていた為に、黒船と呼ばれていたそうですが、その船の呼称から「黒船つつじ」と呼ばれるようになったそうです。江戸末期の蒸気船の黒船とは別のものです。大変に珍しいつつじですが、庭に高さ3m近く成長した木が2本あります。近所の人が毎日のようにこの黒船つつじを見に来てくれました。
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満開になると見事なもので、他のつつじを圧倒しています。
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大輪の花をアップにすると、この黒船つつじの華やかさが伝わるはずです。中国東北部や朝鮮半島が原産地と言われております。「つつじの女王」と呼ばれるのもうなづけますね。
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次に見事なのが「蝦夷紫つつじ」と言う、紅紫色の花を咲かせるつつじ。これも3m近い大木で、東北や北海道で自生するつつじです。
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アップで花を見ると、野生種とは思えないほど見事で可憐な八重の花ですね。
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そして、次は「三つ葉つつじ」。淡い紫ですが、新葉が展開する前に花が満開になります。
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花は一重で地味ですが、とても可憐な感じのする花ですよね。
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そして日本の里山に行けば、どこでも見られる「山つつじ」。父の山荘の庭にも至るところにこの山つつじの群落が見られます。花も小さくて素朴な花ですが、まとまって咲くと、それはそれで見事なものです。
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オレンジ色の山つつじの花も、まとまって咲いていると、景色がオレンジに染まって見えます。
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園芸種の定番の「白花つつじ」。鮮やかなピンクや紫やオレンジのつつじの中に混じってしまうと、清楚では有りますが、いかにも地味で、ちょっと可哀想な感じがします。

さて、「つつじ」をズラッと紹介しましたが、華やかなつつじの足元に咲く山野草の可愛い花も見逃せません。

下の写真は春の野草の王様、「西洋タンポポ」です。鮮やかな黄色の大輪が群生している姿に春を実感します。
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「蛍かずら」って知っていますか。
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これは紫の花の中心に白く星型が見える、小さな花が可憐な「ほたるかずら」です。高山植物ですが、父の山荘の庭に増えて、あちこちで群落を作っています。
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花の直径は1cmほどの小さな花ですが、黄色のじゅうたんのように群落しているのが「きじむしろ」。良く見ると可愛い花ですよね。
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小さな花を一輪咲かせて見せてくれているのは「礼文草」。もう少し暖かくなると花の数も増えてきます。
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純白の小さな花を見せてくれているのは「稚児ゆり」。落ち葉の下からひっそりと立ち上がり、可愛い花を見せてくれました。


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栽培種と違って地味ですが、紫の花弁に花芯は白の「山オダマキ」。自生種ですが、花の直径は5cm以上あって、とても華やかです。その左後ろにすっと立って、下から上まで小さな紫の花を連なって咲かせているのは「十二単」。1つ手折って小さなガラスの花瓶にでもさして、テーブルに乗せるととても愛らしい花ですよ。

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「つた桔梗」は一重の大輪。付近の木に絡まって上へ上へと伸びていきます。
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「いかりそう」。花の形が船の碇のように見えることから、この名が付いたそうで、漢方の薬草でもあります。しかし種類も豊富で、父の山荘ではこの白花の他にも、下の写真のように5種類もありました。
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紫の花が咲く「いかりそう」もあります。
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紫ですが花弁の小さな「いかりそう」。
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白花で花弁が碇のように尖っていない「いかりそう」。
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花弁の中心に黄色の花芯のある「いかりそう」。
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ワラビもあちこちで芽を出していました。
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そして。最後に「山桜」。染井吉野のお花見シーズンは終わりましたが、日本の桜の原生種である山桜は、今が盛り、素朴な花の花吹雪が山には舞っていました。花より先に葉が出る山桜、葉の薄緑と花の薄ピンクのコントラストが何とも言えない風情を醸し出していました。


さて、いかがでしたか?少しは南那須の晩春から初夏の雰囲気を味わって頂けましたか。辺りにはたくさんのウグイスがいるらしく、早朝から夕方までウグイスの鳴き声が響き渡ります。正調の「ホーホケキョウ」がきちんと歌えるウグイスと、まだ正調には程遠い「ケキョケキョ」としか歌えないウグイスが混じっていて、聞き分けていると楽しいですね。散歩のついでに摘んできた「ワラビ」と「キャラブキ」を母に料理してもらいましたが、ほろ苦さが山菜特有の味わいで、とても美味しかったですよ。

今日はゴールデンウィークの僕の小さな旅のお話でした。

では又次の話をお楽しみに。