しばらく多忙でブログの更新が出来なくて申し訳ございません。3月に入ってようやく暖かくなってきましたが、天候が不順で、まだ何となく春が実感できませんよね。気候の変わり目は体調を崩しやすいですから、皆さんも気を付けましょうね。今日は日本のお隣、台湾のお話をしましょう。何しろ日本の最西端の島「与那国島」からはたったの110kmしか離れていない隣国です。広さは日本の十分の一、九州とほぼ同じ面積です。
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地図でもお分かりのように、中国本土とは指呼の先の島ですが、その所属をめぐる立場は国際的には非常に微妙なものがあります。私は隣国と言いましたが、この国の政治的な主権はどこに有るのかは、未だに国際的には確定しておりません。と言うと、中華人民共和国を支持する人達からは、怒られてしまうかも知れませんが、それはこの国の歴史に遠因があります。この国の歴史は先史時代からあるのですが、この国の政治的な支配が明確に確定したのは、1885年清朝が中国の一省として台湾省を新設した時と言われるのが一般的です。その後1895年の下関条約により、この台湾省は大日本帝国に帰属する事となりました。1945年に第二次世界大戦で日本が降伏し、実質的な支配権はGHQの委託を受けた中華民国に移ります。しかしその後の中国の国共内戦で、1949年に中国共産党が支配する中華人民共和国が成立し、内戦に敗れた中華民国の蒋介石は、台湾に逃れて、その後も台湾で中国の正当政府は中華民国であると主張し続けます。1952年のサンフランシスコ条約で日本政府は台湾の全ての権利を放棄しましたが、その条約の中では台湾の帰属がどこかを明示していなかった為に、国際法上は台湾は未だに帰属が明確でない空白地帯、もしくはアメリカ合衆国が統治を委託した暫定占領地区と言う事になってしまいます。つまり中国を統治する唯一の合法政府を自称する政府が二つ並立する状況に有るわけです。このような問題が背景にあるためにアメリカは未だに中国本土政府がいかに文句を付けても台湾政府に武器を供給し続けているのです。しかし1971年に国連で中国の代表権を中華人民共和国が取得した為に、多くの国(日本も含めて)が中国本土政府を中国の正当政府として承認しています。それでも中華民国が実効支配している台湾との非公式な関係を維持し続けているアメリカや日本のような国も多く存在しているのが現状です。
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その台湾の首都が台北市です。実は中華民国側としては台北市はあくまでも臨時首都であり、正式な首都は南京市であると言う事になっております。台湾には日本人観光客も毎年多く訪れており、手軽な海外旅行として親しまれております。気候は北部は亜熱帯、南部は熱帯に属し、一年中暖かいですが、山岳地帯が多く、玉山と呼ばれる台湾の最高峰は3,952mもあり、日本の富士山より高い山です。
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これは台湾の総統府の写真ですが立派な建物ですよね。台北市は高層ビルが林立する近代都市です。下の写真は台北101と呼ばれる国際金融センタービルで、2004年に完成し、高さが509.2mあり、2007年にアラブ首長国連邦のブルジュ・ハリファーが531.3mに達するまでは世界一の高層ビルでした。私もこのビルの展望台まで上がりましたが、東芝製のエレベーターは時速60.2km、ギネスブックに登録された世界一の高速エレベーターです。
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台北市では、市内の市場に多くの人や観光客が集まります。下の写真のように屋台の食べ物屋が軒を連ねていて、美味しい台湾料理がいくらでも楽しめますから、是非行ってみましょう。
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ロンドンのバッキンガム宮殿のように、毎日決まった時間に衛兵の交代式が行われる忠烈祠で、アクロバットのような銃剣の振り回しを見るのも楽しいですよ。
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是非訪ねて欲しいのが故宮博物館です。蒋介石が北京市の歴代王朝の秘宝を台北市に移した博物館で、北京市の故宮博物館よりもはるかに多くの中国の文化物に接する事ができます。1日掛けても時間が足りないくらいですよ。
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下の写真が北京市の故宮博物館ですが、文化大革命で多くの展示品が破壊されてしまい、私は両方訪ねてみましたが、北京市の故宮博物館では、展示品の質の低さにがっかりしてしまいました。
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さて、今日の表題のお話ですが、今から20年ほど昔、当時の仕事の関係で、お取引先のお客様を台湾へゴルフ旅行にご招待するイベントがあり、人数が多かったので、ゴルフの日程を4日間に分けて組み込みました。私は主催者側で4日間全てのゴルフに参加したのですが、実は台湾に行く前日も日本でゴルフのお付き合いがあって、合計5日間、毎日ゴルフをする事になったのです。皆さんは海外旅行で病気になった事はありませんか。医療事情が分らない国で体調が悪くなると、実に心細いものです。
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私は、連日のゴルフで、とうとう3日目に肩から首に掛けて、捻挫を起こしたように固まってしまい、遂にその痛みで首を回す事すら出来なくなってしまいました。首を回すだけではなく、前や後ろにも倒す事すら出来ず、その痛みは尋常ではありませんでした。宿泊していたホテルの支配人に事情を説明し、良いお医者さんを教えて欲しいと頼みましたら、「西洋医学の医者が良いか、それとも東洋医学の医者が良いか」と訪ねられたので、貴方ならどちらにしますかと聞いたら、「私なら東洋医学の先生を頼る」と答えたので、それならそのお医者さんを呼んでくれと頼みました。30分後にホテルの部屋に頼んだお医者さんが来てくれました。しかしその先生はよれよれのジャンバーにちびた草履を履いた、あごにヤギひげのお爺さんです。こんな医者で大丈夫かなと不安になりましたが、とにかく症状を伝えて診察してもらいました。するとこの医者は、「簡単だ、二分で直してあげるから、ちょっと待ちなさい」と言って、ぼろぼろの古びたカバンから注射器と薬液の入ったビンを取り出しました。そしてビンの中のピンク色の薬液を太い注射器に吸い上げて、いきなり肩の首の近くにぶすりと突き刺して、注射をしたのです。ビックリして抵抗も出来ない内に注射が終わりました。医者は道具をしまってから、手振りで、首を動かしてみなさいと言うので、恐る恐る首を回してみたら、何と驚いた事に全く痛くありません。首も肩も自由に動きます。未だにその薬が何だったのか分りませんが、多分麻薬の一種だったんだと思います。でもそのお陰で翌日は何の痛みも無くゴルフが出来ました。今になっても肩が痛んだり、腰が痛んだ時にそのお医者さんを懐かしく思い出します。東洋医学というのは実に奥深いものなんだと実感した出来事でした。

ではまた次のお話をお楽しみに。