ベトナムのハノイに2泊3日の超短い出張をして帰ってきました。今回はベトナム社会主義共和国の国防省経済局と、ベトナム最大の国営企業で電力、ガス、燃料等々のエネルギー産業を一手に握っているペトロベトナム社と我々日本側とで合弁企業を設立し、ベトナムで新しい事業を始める為の合意書の調印式の為でした。ベトナムは政治体制は社会主義ですが、経済は完全に資本主義体制で、株式市場も存在し、上場企業が続々と誕生していると言う、珍しい国です。1億人近い人口を持つ大国です。フランス植民地からの独立を目指した11年にも及ぶインドシナ戦争、そして南北に分断された国家の統一を目指した16年にも及ぶベトナム戦争を戦い抜き、唐の時代から1千年以上続いた、他国の支配からやっと自らの国の独立を果たした国でもあります。来年はハノイ遷都1000年記念のイベントを迎える、古くて新しい国でもあります。

皆さんは、ベトナムの国防省が何でビジネスの合弁に関係が有るのか不思議に思うでしょう。実は今回スタートする合弁事業はベトナム海軍との合弁事業なのです。ベトナムでは陸海空軍の兵役で招集された兵士達は、平時で戦争の無い時は、何らかの形で仕事をしているのです。海軍も平時は海運業、水産業、船舶補修サービス、船舶への食料や燃料の補給サービス等々の様々な事業を経営しています。そこで今回の合弁事業が我々の提供する技術と一体となってスタートする事になったのです。具体的な事業内容については、今年の12月に事業がスタートしたら、またこのブログを通じて皆さんにご報告します。今回はベトナム海外投資計画庁の長官の立会いの下で、国防省経済局の局長の大佐と、ペトロベトナム社の社長と、日本側を代表して僕が、合弁事業に関する合意書にサインをしました。交渉を始めてから10ヶ月、意外と早い調印でした。ベトナムの近年の経済発展は目覚ましく、行くたびに、市内で欧米人のビジネススーツにきちっとネクタイを締めたビジネスマンの姿を見かける事が多くなりました。多くの国の企業がベトナムでのビジネスチャンスに期待をしています。

今回は更に浄水器イワナⅡのベトナム国内での販売をしたいという企業と、ベトナム全土での総代理店契約も締結すると言うおまけもありました。ベトナムでは首都ハノイ市近郊やホーチミン市で住宅開発がすごい勢いで進んでいて、住宅機器に対するニーズが高く、特に日本製品は信頼が厚いようです。

そんなこんなで慌しい旅だったのですが、2日目の早朝、ベトナム外務省の要請で、ベトナム民族舞踊団の公演を見させて頂きました。1200年以上の伝統を誇る民族舞踊ですが、是非日本との親善の為に日本公演を行いたいから、観た上で知恵を貸して欲しいと頼まれての、特別公演でした。僕の過密なスケジュールを承知しているので、特別に朝8時に劇場を開けて、団員の皆さんが、幾つかの演目を演じて下さいました。雰囲気的にはタイやインドネシアの民族舞踊に近い感じを受けましたが、言葉が判らなくても、ストーリーは理解できる楽しいものでした。下の写真でいくつかご紹介しましょう。

美しい民族衣装での群舞です。
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様々な楽器の演奏を見せてもらいましたが、下の写真は中国の胡弓と同じですね。
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一本の長い竹に弦を張って弓で奏でる珍しい楽器をコミカルに演奏してくれました。
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下の写真も一弦琴の一種ですが、とても不思議な音を奏でる楽器で、郷愁を呼ぶ旋律を聴かせてくれました。
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下の写真は有名な竹を長短に割って並べた木琴のような楽器です。
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下の写真、何だと思いますか。この扮装の踊り子さんはお坊さんの役なのです。木魚と鉦を叩きながら、一生懸命お経をよんで、厳しい修行に耐えているところを演じています。
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そこに美しい若い女性が、このお坊さんに惚れ込んで、あの手この手で何とか自分に興味を引かせようと、必死に誘惑します。このストーリーがコミカルに展開されて、言葉は判らなくてもついつい吹き出してしまう面白さでした。日本でも歌舞伎の道成寺のように修行中のお坊さんに懸想する女性の話がありますよね。ベトナムではこのお坊さんはどうなると思いますか。そうです、このお坊さんはとうとう若い女性の誘惑に負けて、ついに修行を放り出して、一緒に手に手をとって駆け落ちしてしまいます。何とも愉快ですよね。日本公演を実現させてあげたいものです。
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さて、そんなこんなで忙しい旅でしたが、取り敢えずの出張報告です。また11月には海軍基地での実務打合せで訪越する予定です。

ではまた次のお話を楽しみにして下さい。