先日インドネシアのバリ島で日本人女性が殺害されると言う恐ろしい事件がありました。日本にいるとよほどの事が無い限り、治安に不安を覚える事はありませんが、海外では安全に関してはかなり危険なところが多いですから、気を付けましょうね。私も永い間、海外ビジネスに携わっていた時に、いくつか恐ろしい目にあっています。そんなお話を少し続けてみたいと思います。皆さんの海外旅行の参考にして下さい。

まずはサンフランシスコ。アメリカのカリフォルニア州の北部にあり、市の人口は78万人ほどですが、オークランドやサンノゼを含めたベイエリア全体では700万人を超える、アメリカでも有数の大都市圏です。
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上の写真がサンフランシスコのダウンタウンです。ここは1776年にスペインの探検隊が、サンディエゴから陸路北上をしてきて、天然の良港であったサンフランシスコ湾とゴールデンゲート海峡を発見したのが近代の歴史の始まりです。1821年にメキシコ領となりましたが、1846年アメリカがメキシコから獲得して、翌1847年にサンフランシスコと改名されました。坂道と霧の発生で有名な街で、下の写真のように坂道には有名なケーブルカーの路線が張り巡らされています。
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ゴールデンゲート海峡に掛けられたゴールデンゲートブリッジも有名ですよね。1937年に建設されました。
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港町ですから、海側に出れば、有名なフィッシャーマンズ・ワーフと言う観光スポットがあり、ここでたらふく美味しいシーフードを楽しむのも良いでしょう。
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東洋系の人達が多く住む街で、サンフランシスコのチャイナタウンと言えば、全米でもトップの中華街です。まるで香港か上海に紛れ込んだような中華街で、美味しい中華料理を楽しむのも良いでしょう。
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サンフランシスコ湾には有名な囚人を収容する監獄島「アルカトラズ島」があり、数々の映画でも題材となった恐ろしい島が、街のどこからでも目に入ってきます。ショーン・コネリー主演の「ザ・ロック」、クリント・イーストウッド主演の「アルカトラズからの脱出」が面白いですから、是非TSUTAYAで探して視て下さい。
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さて、そんなサンフランシスコでの出来事です。私がフロリダから日本に帰国する途中で、少し用事が会ってサンフランシスコに2日間滞在していた時のことでした。市内でも有数の豪華なホテル「フェアモント」に泊まっていました。午後の3時過ぎに用事を済ませてホテルに戻り、エレベーターホールから上階の自分の部屋に戻ろうとしていました。午後の中途半端な時間で、エレベーターホールには誰もエレベーターを待っている人はおりませんでした。やってきたエレベーターに乗り込み、降りる階のボタンを押した瞬間に、一人の男の人が飛び込むように乗り込んで来ました。見かけは直ぐにわかるメキシカン風で、水色のジャンバーを着た中年の男性です。豪華なホテルには似合わない労働者風の人だったので、何となくいやな予感がしたのですが、エレベーターは直ぐに動き出してしまいました。エレベーターが動き出して直ぐにその男は懐から38口径のリボルバーを取り出して、私の腹に突きつけて、判り難い英語で金をよこせと言いました。私はおとなしく、ゆっくりと両手を上げて、抵抗する意思の無い事を示して、肩から下げていたショルダーバッグと胸の内ポケットの財布を、ゆっくりと相手に渡しました。相手はそれらを奪い取ると、適当にエレベーターのボタンを押して、止まった階で降りて、逃走してしまいました。皆さんは経験が無いでしょうが、間違いなく弾の入っている拳銃を目の前で腹に押し付けるように突きつけられると言うのは、経験しなければわからない恐ろしさです。うろ覚えの記憶では下の写真のような拳銃でした。
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さて、その後の事ですが、直ぐにホテルのセキュリティーを呼んで事情を話して、直ぐに警察を呼んで欲しいと伝えたのですが、保安部長は私にまずは怪我の無い事を確認したあと、詳しい状況を聞こうと別室に連れて行かれました。直ぐに警察がパトカーのサイレンを鳴らして駆けつけてくれるものと期待していた私は拍子抜けです。警察を呼んでくれとしつこく頼んだら、近くの分署に目の前で電話をしてくれて、出た警察官に自分で話せと受話器を渡されました。警官は状況を聞いた後で、今は忙しいから、そちらが分署まで来てくれと言うのです。日本では拳銃強盗の事件が発生すれば、直ちに非常線を張って大騒ぎになるのでしょうが、その様な事件が日常茶飯事のアメリカでは、誰も大騒ぎをしてくれません。仕方無しに分署まで行って、出てきた警官に事情を話したら、盗られたものを詳しく聴取されて、被害届を作成し、盗難証明書を書いてくれて、旅行保険の申請をしなさいと親切に?説明してくれました。その後日本領事館に行き、パスポートが盗られてしまったので、帰国用の臨時パスポートを作ってもらい、更にノースウエスト航空で盗られた帰国便のティケットを再発行してもらったりで大忙しでした。

さてこの話には後日談があります。この事件から半年後、日本の自宅にアメリカのFBIから出頭命令が来たのです。日本から転送されてきた出頭命令を見て、直ぐにFBIの担当者に電話をして何の事かと聞いたら、盗られた私の国際免許証の写真を張り替えて悪用し、高級車のレンタカーを借りては、売り飛ばしている犯罪集団がいたのです。サンフランシスコの警察分署の盗難証明書をFAXして、その免許証は強盗に盗られたものだと説明したら、私への容疑は晴れて出頭しなくても良くなりましたが、危うく自動車泥棒の一味にされるところでした。

海外旅行は決して安全なものではありません。皆さんも充分注意をして安全な海外旅行を楽しんでください。

ではまた次のお話をお楽しみに。