前回は涼を求めてカナディアン・ロッキーの旅をご紹介しました。せっかくカナダまで行ったのですから、そのままナイアガラの滝を訪れてみましょう。ナイアガラはトロントから南南西におよそ120km、ナイアガラフォールズ州にあります。

以前にご紹介した南米大陸のイグアスの滝、そしてアフリカのザンビアとジンバブエの国境にあるビクトリアの滝と併せて「世界の三大瀑布」の1つと言われております。僕は残念ながらアフリカのビクトリアの滝だけをまだ見ておりませんから、いつの日か必ず制覇するつもりでおります。イギリス人探検家のリビングストンが1855年に発見したビクトリアの滝もさぞや見事な景観であろうと、今から楽しみにしております。

ナイアガラの滝はそれよりもはるかに昔、1604年にフランス人探検家サミュエル・ド・シャンプランによって発見されたと言われております。先住民のイロコイ族はこの滝を「雷鳴のとどろく水」と呼んでいて、そのイロコイ族の言葉をそのまま使って「ナイアガラ」と名付けられました。

氷河期の最後の時期に出来た滝と言われ、エリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川にあって、ゴート島がカナダのオンタリオ州とアメリカのニューヨーク州を分ける国境線になっています。

滝はカナダ側のカナダ滝(落差53m・幅670m・滝壺深さ56m)、とアメリカ側のアメリカ滝(落差21m~34m・幅260m)、と同じくアメリカ側のブライダルベール滝(落差55m、幅15m)の三つに分かれていますが、観光客の90%はカナダ側のカナダ滝を訪れます。
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この写真は手前がアメリカ滝、奥の水煙が上がっているのがカナダ滝です。

氷河期に出来た時の滝の位置は、現在の位置よりも10kmも下流にあったそうですが、滝の水による侵食で毎年1m以上も滝が後退して、ゴート島で分岐して現在の姿になったそうです。100年前から多くの技術者がこの侵食を食い止めるべく取り組んで、今では年間の侵食による後退は年間3cmまでになったそうですが、それでも25,000年後にはエリー湖に吸収されて、この滝は消滅してしまうと言う試算がでているそうです。
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お天気が良くて、陽がさしている日には、写真のような虹が見られます。私が行った時にも大きな虹が見えて、今までこんなに間近で虹を見ることが無かったので、しばし呆然と虹を見上げてしまいました。
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滝を近くで見るときには、カナダ滝の直ぐ近くにテーブルロックと呼ばれる展望台がありますから、そこから真下に落ちていく滝を見てください。すごい迫力で圧倒されてしまいます。大自然の持つ力、水の持つ力を近くで見ると、人間が決して征服できない地球と言う星の持つ大きな底力を思い知らされますよ。
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滝の近くまで行くときは、滝の飛沫でびしょぬれになってしまいますから、写真のようにビニールの合羽を買って着て行きましょう。
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更に滝の落ちている真下まで、案内してくれる船があります。「霧の乙女号」とロマンチックな名前が付いた船ですが、滝壺のすぐ真下まで行っても少しも動じない、なかなかたいした乙女です。
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カナダ側の上流には可動堰が設けられていて、滝に流れる水量を調節しているそうで、夜間や冬季は昼間の半分に水量を落としているのだそうです。下の写真がカナダ側のナイアガラ川です。ヘリコプターでの上空からの見学も出来ますから、その時には滝の上流まで見ることが出来ます。
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カナダ側から訪れるときには、ナイアガラフォールズの街から行く事になります。ほとんど観光客で経済が成り立っている人口8万人くらいの小さな街ですが、下の写真のように街にはお土産やさん、ホテル、レストランや呑み屋さんがたくさんあって、とても賑やかですから滝の見学が終わったら街を歩いて、ゆっくりお土産でも探してみましょう。
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さらにナイアガラから北に13kmほど行ったところには、ナイアガラオンザレイクというお洒落な町がありますから、是非訪ねてみてください。宿泊をこのナイアガラオンザレイクにするのも良いと思います。この街はイギリス人移民が開拓をした街で、19世紀のビクトリア様式の街並みがとてもお洒落で、下の写真で分かるように、まるでスコットランドに紛れ込んだかと錯覚させるような雰囲気を持つ街です。
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この街には古い歴史を持つホテルが多くあり、中でも下の写真の「プリンスオブウェールズ・ホテル」がお勧めです。古く良きヨーロッパの雰囲気をじっくりと味わえますよ。
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さてカナダと言えばお土産はメープルシロップが定番ですが、ナイアガラに来たら何と言っても「アイスワイン」です。世界のアイスワインの70%がこのナイアガラオンザレイクの街の近くで生産されています。アイスワインとはブドウの実が成熟しても収穫せずに、そのまま冬までおいて、やがて冬になって凍ってアイス状になったブドウを発酵させて作るワインです。糖分が多い為に大変に甘くて、飲み心地が女性向です。奥さんや彼女へのお土産にすれば受ける事は間違い無しです。是非試してみてください。下の写真がナイアガラオンザレイクの郊外にあるアイスワイン用のブドウ畑です。
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ナイアガラの滝の近くには、あまり知られていませんがカジノも二箇所あるので、ギャンブル好きの人は、帰りがけに運試しをして行くのも一興です。

私は、アメリカに駐在していた時に、二度ほどナイアガラの滝を訪れましたが、また行きたい所の1つです。3日から4日くらいの余裕のあるスケジュールで訪れると、のんびりと楽しめますよ。

では又、次の旅をお楽しみに。皆さん夏バテしないで頑張りましょうね。