ベトナム訪問記の続きです。ベトナムに行って大変感動するのは街の清潔さです。ハノイでもホーチミンでも市内を歩いていて、道路にごみ1つ落ちていない事に気が付きます。東南アジアの国々や中国を訪れてのイメージでは、まず道路に散乱する食べ物、紙くず、タバコの吸殻等のごみが気になると言う事が多いのですが、ベトナム人は大変に清潔好きで、例え人込みあふれる市場の中に入っても、野菜くず1つ落ちていません。これはとても素晴らしい事です。私がベトナム人は勤勉でたくましいと評する事に付け加えて、大変に信心深く、また清潔好きですと言わなければなりません。下の写真のような仏教寺院が市内の至る所にあり、多くの市民が昼も夜もお参りに訪れて、お供物やお金、お線香をあげている姿を見かけます。私も同じ仏教徒ですから、ハノイでは夜ホテル近くの仏教寺院にお参りをして、中を見学させてもらいました。夜の九時過ぎでしたが多くの市民が立ち寄ってお参りをしていました。
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さて、この季節に(6月・7月)にベトナムに行くと、必ず目に入るのが道端に咲くフレームツリーの真紅の花です。この花の正式和名は「鳳凰木」、別名は「火炎樹」、そしてかつて東南アジアに進出した日本兵はこの花に「南洋桜」と名づけました。亜熱帯から熱帯にかけて広く分布するマメ科の植物です。花の盛りには落ちた花が地面まで真紅に染めて、まるで真紅のじゅうたんを踏んでいるようです。ベトナム語では「ホアフオン」と言うのだそうですが、ホアは花を意味し、フオンは鳳凰を意味するそうですから、まさに正式和名の「鳳凰の樹」と同意語ですね。
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樹上にまるで炎のように咲き誇る真紅の花を見ていると「火炎樹」と言う別名もうなづけますし、日本兵たちが遠く南方に送られて、はるか日本の桜を懐かしんで、花の季節に「南洋桜」と名付けてお花見の真似事をしたと言うのも、なにか物悲しい物語ですよね。
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市内のどこに行ってもたくさんの花々が咲き乱れ、ベトナムの民族衣装のアオザイを着て颯爽と歩く女性にぴったりマッチする感じでした。
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しかし、最近は民族衣装のアオザイを普段に着る女性は減ったそうで、ホテルやレストランに働く女性の制服に使われているのを見かけるぐらいで寂しい感じがします。日本でも和服を着る女性をほとんど見かけなくなったのと同じですね。ベトナムの人達を見ていれば気が付くのですが、日本のように太った人や、メタボと言われるお腹の出た人は全く見かけません。皆一様にすらっと引き締まっていてスタイルが良いのです。これは多分食べ物のせいです。ベトナムでの食事では日本のように脂っこいものがあまり出てきませんでした。香草類を主体とした野菜に(どくだみのサラダには驚きましたが、意外と美味しかったです)、海老や蟹のような海産物が多くて、それにベトナム特有の魚醤(いわし科の魚を発酵させて造る醤油)ヌクマムに唐辛子をたくさん入れて調味料にします。とにかくこのヌクマムは何の料理にも合う調味料で、ベトナム人はこのヌクマムが無ければ食事になりません。また豊富な果実類もたくさん食卓に出てきます。この季節はライチの真っ盛りで、市場や道端で買って、飽きるほど食べてきました。中国の楊貴妃が大好きだった果物だそうですが、この他にもたくさんの種類のマンゴーや、独特の香りのドリアン等々珍しい果物がたくさん売られていて、果物好きの僕にはたまらない国です。
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上の写真はシクロと呼ばれる自転車のタクシーです。最近は自動車のタクシーが増えて、シクロは減ってしまったようですが、海外からの観光客には人気があるようです。一般のタクシーもきちんと料金メーターが付いていて、気軽に止めて乗ってもボッタくられる心配はありません。但し、通貨のドンの単位が、10万ドンで日本の500円くらいですから、勘が狂いますよ、気を付けて下さい。
ベトナムでは野菜や果物や日用品を売り歩く女性の姿をたくさん見かけます。
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昔の日本のように天秤棒に荷物を積んで、街のあちこちを歩きながら、様々な商品を売っています。
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自転車の荷台に果物を積んで売って歩いている人もいました。瓜やパイナップル、マンゴーが見えますよね。
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花を売り歩く女性も多くて、たくさんの種類の花を担いで売って歩いています。特にラン類の花が多く、この花を買って寺院のお供え物にしたり、オフィスや自宅に飾るのだそうです。

次回はベトナムの庶民のデパート、「市場」の様子をお伝えしましょう。

次のお話をお楽しみに。