今日の東京はとても暖かくて、ついに桜も満開です。今日は外を歩くにもコートが不要です。でも今朝は山手線で人身事故があって、通勤時間帯に山手線が運行がストップ。おかげで地下鉄がもの凄い混雑。いつもの路線で、新宿御苑に着くまで、すし詰めの車内で息も止まりそうでした。

さて、せっかくフランスに行く機会があったのであれば、もう1つ是非見に行っておいた方が良いところがあります。言わずと知れた「ベルサイユ宮殿」です。パリから西南に20kmほどですから、一日で充分に往復できますし、場合によっては半日観光も可能です。
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フランス王国ブルボン王朝の太陽王と謳われ、「朕は国家なり」と言う言葉で有名な、絶頂期のルイ14世が、パリ市内のルーブル宮の生活に嫌気がさして、当時の科学技術と芸術の最高峰のスタッフを使って建てた宮殿です。1682年の完成と言われております。下の写真がベルサイユ宮殿にあるルイ14世の銅像です。


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今では年間400万人以上の観光客が訪れる観光名所です。中世、近世を通じて、世界で造られた宮殿の中でも最高峰の宮殿です。この宮殿の様式を模して後世に造られたのが、ウィーンのシェ-ンブルン宮や東京の赤坂離宮(現在の迎賓館)と言われています。建築はル・ヴォーとJHマンサール、装飾はル・ブラン、庭園はル・ノートルらの当代一流の技術者・芸術家の最高傑作です。
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この宮殿には国王夫妻を始めとして、宮廷に遣える貴族や高級官僚、そしてその家来等々、合わせて5,000人以上の人達が住み込み、毎晩のように舞踏会や晩餐会が開かれました。その当時の礼儀作法やテーブルマナーがそのまま現代の公式式典や食事会の正式マナーとして引き継がれています。

しかし面白い事に、この宮殿には国王夫妻の居住区にしかトイレが無くて、集まった貴婦人や紳士達は、携帯式のトイレを持ち込むか、広い庭園の中で用を済ますしかなかったようです。当時の貴婦人の裾の大きく広がったパラソル型ドレスは、庭園でそのまま用を足すのに便利なようにデザインされたものなのだそうです。ですから今でも野外で用を足す行為を、優雅に「花を摘みに行く」と言うのは、ベルサイユ宮殿の庭園の花園で用を足す貴婦人の行為から生まれたと言われております。その広大な庭園とたくさんの東屋も、じっくり見ようとすれば1日や2日では不可能かも知れませんが、ルイ14世は寛大にも、一般庶民にも庭園の見学や散策は許していたそうです。この庭園には水源が無くて、セーヌ川の水を複雑な水道工事を使って引き込み、大小1,400もの噴水があります。その水道設備が今でも機能していて、そのまま使われているのも驚きです。
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さてそのように栄耀栄華を誇っていたブルボン王朝も、ルイ16世の時代になると翳りを兆し、ついに1789年7月14日のフランス革命を迎えます。ルイ16世は性的不能者であったそうですが、当時の最高の医学の治療を受けて回復し、王妃マリーアントワネットに3人の子供を生ませています。王妃マリーアントワネットの浪費と乱脈な遊び癖は終生治らなかったそうで、国民の不満は頂点に差し掛かり、フランス革命の遠因になったとも言われております。
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この肖像画がマリーアントワネットです。さすがに貴婦人の雰囲気がありますよね。最後には、二人とも革命法廷で死刑判決を受けて、ギロチン台の露と消えました。

さてルイ14世の居住区と言われた、「鏡の間」の写真を見てください。
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こんな絢爛豪華な部屋で日常生活を送る様子を想像してみてください。落ち着いて寛げる感じがしますか。私にはとても落ち着いた暮らしのイメージがわきません。

日本人の感性とは当然違うのでしょうが、落ち着いた暮らしをするのであれば、日本の茶室のように簡素でシンプルな部屋に、一幅の水墨の掛け軸、一輪差しの花瓶に一重咲きの質素な花が一輪あれば、充分な気がします。

あなたはこの宮殿を見てどう思うでしょうか。