旅のお話の続きです。往年の名作映画「哀愁」をご存知ですか?ロバート・テイラーとヴィヴィアン・リー主演の第1次世界大戦の時代をテーマにしたラブロマンスです。イギリス貴族で英軍将校のロバート・テーラーと踊り子のヴィヴィアン・リーの悲恋のラブロマンスですが、今観ても、誰もが感動する不朽の名作といっても良いでしょう。僕は中学生の頃に劇場で観てから、すっかりこの映画のファンになってしまいました。詳しいストーリーはここでは語りません、興味のある方は又してもアマゾンかTUTAYAで探して観て下さい。
ケニーのブログ
この映画ではロンドン市街の名所が随所に出てくるのですが、最も感動的なシーンの舞台が、ロンドンのウォーター・ルー駅です。ロバート・テーラーが戦死したと思い込んでいたヴィヴィアン・リーが、暮らしに困り、自棄になって娼婦に身を落とし、客の袖引きをしている所に軍人の帰還列車がホームに到着し、死んだと思い込んでいたロバート・テーラーが降りてくるのです。派手な化粧しているヴィヴィアン・リーがホームの柱の陰でそっとルージュを落として、彼と出会います。その夜のレストランでワルツを踊る二人のシーンの美しさ、照明が消えて、ローソクの灯がワルツの進行につれて一つ一つ順番に消えていき、最後に真っ暗になる心憎い演出に、感動しました。この映画で一番の舞台になるのが二人が再会する夜のウォーター・ルー駅と霧に包まれたロンドンブリッジです。私はロンドンに行ったときに真っ先に行きたかった場所が、このウォーター・ルー駅でした。そして次が霧に包まれるロンドンブリッジでした。初めてロンドンに行った最初の晩に、私がまずタクシーで連れて行ってもらったウォータールー駅を目にした時の感動は忘れられません。当時の面影はあまり残っておらず、建物も改修されていましたが、線路がホームの端で行き止まりになっている終着駅の雰囲気は当時のままでした。ホームにいた可愛い中学生の女の子に訳を話して頼んで記念のツーショットの写真を取らせてもらい、今でも大事に持っています。東洋人がそんな映画に感動して、わざわざ駅を訪ねて来たことを、その娘は分かってくれたようでした。その足でタクシーの運転手にロンドンブリッジに連れて行ってもらいながら、今夜は霧が出るだろうかと尋ねたら、この季節は毎晩霧が出るよとのこと。橋に着いたら、幸運にも霧に包まれたロンドンブリッジでした。橋の入り口で降ろしてもらい、橋は歩いて渡るから向こう側で待っていてくれと運転手に頼み、ゆっくりと霧のロンドンブリッジを渡りました。まさにロバート・テーラーになった気分でしたよ。

皆さんもこんな旅の楽しみ方を知ると、海外旅行も数倍楽しくなりますよ。