自民党政権になって「原発ゼロを白紙に」と
言う話が出てきています。
それだけを聞くと、前の自民党に戻った
と言われると思いますが、そもそも
原発をゼロにするという事は口で言うほど
簡単な事ではありません。
今は大飯以外は定期点検で発電を止めて、
再稼働が出来ていないという状態ですが、
今の状態が決して安全ではありませんし
ゴールでもありません。
原発を廃炉にする場合は、
・格納容器の中の核燃料の処分
・冷却プールの使用済み核燃料の処分
・放射能汚染された施設の撤去
などを行う必要があって、1基当たり
約3,000億円の費用と30年くらいの時間が
かかります。
そして核燃料として濃縮したウランは、
使用済み後の処理と言ってもガラス樹脂で
固める事しか出来ず、放射線の放出量が
自然のウラン鉱石と同じくらいになるまでには
約2万年かかるとも言われています。
そして、全国にある54基の原発を全て
廃炉にする場合、
54基 × 3,000億円 = 16兆2,000億円
の費用がかかります。
それでも即時廃炉が必要であれば、国からの
予算をつぎ込んででもしなければいけませんが、
問題は費用だけでは無く実際の作業をする、
作業員の数も足りないし、その人達の
被爆管理の問題もあります。
現在は電力不足を補う為に外国からLNGを
輸入して、火力発電で電気を賄っていますが、
その費用として年に約3兆円かかっているので、
それならば安全性が確認された原発は発電して、
その分減ったLNGの購入費を使って、再稼働
出来ない原発からを順番に廃炉にすると言うのが
現実的な落としどころなのかなと思います。
ただ、今のように結論を先送りするだけでは
何も終わらないし何も変わりません。
無責任に「原発ゼロ」と叫ぶだけでは無く、
核燃料や放射能汚染物質の最終的な処分方法を
どうするのか一刻も早く決めなければならないと
思います。
そして、それがこれまで原発を推進して来た
自民党の責任なのだと思います。