被害者は誰? (講談社ノベルス)/貫井 徳郎

¥861
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うだつの上がらなそうな刑事が、難事件に出くわすと
先輩で、ミステリ作家の吉祥院慶彦に相談して、事件を解決するという
いわゆる安楽椅子探偵もののミステリ。

「被害者は誰?」
「目撃者は誰?」
「探偵は誰?」
「名探偵は誰?」

という4つの短編を収録している。
全体的に、事件の解決が唐突かなという印象。
まぁ、安楽椅子探偵ものというのは概してそうなりがちではあるが。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)/道尾 秀介

¥660
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第6回本格ミステリ大賞候補作。

甦り、もしくは、生まれ変わりを少し変わった感じで取り込んだミステリ。

たぶん道尾氏はこの作品くらいから頭角を現してきたのだと思うが、
最近の道尾氏の作品に比べると荒さが目立って、
でも逆に、それがこの作品の魅力に繋がっている。

S君の死の謎、ミチオの家の家族内の不可解な状況、
石鹸を口につっこまれ、関節を曲げられて殺される犬や猫、
様々な謎が、どんでん返しを繰り返しながら、解きほぐされていく。

読了後、読み返してみると伏線の巧みさに舌を巻くだろう。
mystery classics ブラウン神父編 1 (1) (月刊マガジンコミックス)/森元 さとる

¥410
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mystery classics ブラウン神父編 2 (2) (月刊マガジンコミックス)/森元 さとる

¥420
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mystery classics ブラウン神父編 3 (3) (月刊マガジンコミックス)/森元 さとる

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mystery classics アルセーヌ・ルパン編 1 (1) (月刊マガジンコミックス)/森元 さとる

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mystery classics アルセーヌ・ルパン編 2 (2) (月刊マガジンコミックス)/森元 さとる

¥420
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こんなのが連載されてたんですね。
たまたま本屋で見つけて知りました。

古典は活字で読むとどうしても古めかしく感じてしまいますが、
こうして漫画化されるとまた違った印象で、なかなか面白いですね。

しかも、アルセーヌ・ルパンやブラウン神父という有名どころだけでなく、
私も知らなかった作家の短編なども含まれているのが、
マニアックで、いい感じです。
「探偵Xからの挑戦状!」
4月1日(水)深夜0:10~0:39

NHKで4月から興味深い企画がスタートする。
登録しておくとメールが届き、番組放送1週間前から携帯で「問題編」の小説を読むことができる。
そして、犯人当ての投票に参加し、
実際の放送で「解決編」としてドラマが観ることができるというもの。

携帯とテレビの融合を積極的に試みた企画と言える。
第1回作品の作家は辻真先氏。その後も著明なミステリ作家がひかえている模様。

この試みが成功するかどうかは分からないが、
ミステリ好きには楽しみな企画であるのは確かだ。

とりあえず、早速登録!!
きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)/西尾 維新

¥924
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これは傑作だなとというのが偽らざる素直な感想である。
もちろん本格ミステリとしても。

構成からして際だっている。
学園内で起きたある高校生の殺害事件。
そして、その解決というミステリの流れは一本なのであるが、
物語の中で、死体は登場せず、殺人事件が起きたという事実のみが語られる。
もちろん、安楽椅子探偵ものであれば普通のことだが、
この物語は、登場人物はほぼこの学園の関係者であり、
事件の際、学園内にいたはずなのである。

この特異な構成で、論理的に真相が明らかにされる様は、
快感ですらあった。
トリックが、私が長年経験してきたことに関わっているからかもしれないが。

兄と妹の倒錯した関係に、やや引いてしまうところはあるものの、
探偵役とワトソン役の微妙な関係、
そして、最終的な結末における破壊と犠牲も見事である。
十二国記の世界 月の影 影の海篇 [DVD]

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十二国記の世界 風の万里 黎明の空篇 [DVD]

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先月までyahoo動画で無料でみられたのだが、
結局全てみることはできず、レンタルしてきてしまった。
アニメの方をみるのは2回目だが、やはり面白い。
もともと挿絵を描いていた山田章博氏が描いていることもあるが、
小説のイメージを崩すことなく、アニメ化を成功させた稀有な例と言えるだろう。

先日、新作の短編が「yomyom」に掲載されて話題になったが、
(私はまだ読んでいない)
ここまで待たされても尚、人気が衰えていないというのもすごい。
否、待たされているから人気が持続しているのか。。。

ところで、最近、amazon UKでアニメDVDを買うと安いというのが話題になっていたので、
ちょっと十二国記を探してみた。
「Twelve Kingdoms」というタイトルらしい。当たり前か。。。
確かに安い。DVD-BOXが6000円ちょっとである。
US版なので、リージョンが違うのが難点だが、
ちゃんと日本語も入っているようだ。
うーん、英語の勉強にもなりそうだし。買ってしまおうか・・・。

The Twelve Kingdoms Premium Collection One

The Twelve Kingdoms Premium Collection Two

さらにレビューをみてみると。
海外での評価もかなり高い。
日本以外の国では理解しにくい世界観かなぁと思っていたのだが。
アジア版指輪物語なるコメントもある。
良い作品は、世界共通ということですね。
第1回 既読書評

著者: 倉知 淳
タイトル: 壺中の天国

第2回 未読

著者: 山田 正紀
タイトル: ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件

第3回 未読

著者: 笠井 潔
タイトル: オイディプス症候群

既読

著者: 乙一
タイトル: GOTH リストカット事件

第4回 既読書評


著者: 歌野 晶午
タイトル: 葉桜の季節に君を想うということ

第5回 既読書評

法月 綸太郎
生首に聞いてみろ

第6回 既読書評

東野 圭吾
容疑者Xの献身

第7回 未読
シャドウ (ミステリ・フロンティア)/道尾 秀介

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第8回 既読書評
女王国の城 (創元クライム・クラブ)/有栖川 有栖

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第1回 未読

著者: 権田 万治, 新保 博久
タイトル: 日本ミステリー事典

第2回 未読

著者: 若島 正
タイトル: 乱視読者の帰還

第3回 未読

著者: 笠井 潔
タイトル: 探偵小説論序説

第4回 未読

著者: 千街 晶之
タイトル: 水面の星座 水底の宝石

第5回 未読

天城 一, 日下 三蔵
天城一の密室犯罪学教程

第6回 未読

北村 薫
ニッポン硬貨の謎

第7回 未読

巽 昌章
論理の蜘蛛の巣の中で


第8回 未読
探偵小説の論理学―ラッセル論理学とクイーン、笠井潔、西尾維新の探偵小説/小森 健太朗

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「奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻」

「奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻」

今年2月3日に永眠された泡坂妻夫氏の代表作の1つ。

失礼な言い方だが、辿々しい文章が泡坂氏の特徴である。
そのため、どうしても取っつきにくいのだが、
読み込んでいくと、ミステリとしての魅力に少しずつ引き込まれる。

驚きを提供するという目的を共通に有する奇術とミステリ。
その奇術の技術を巧みミステリに取り込み、物語を形作る。

短編を一つ一つ読み進めながら、串目少年の成長に口元がほころび、
曾我佳城の探偵ぶりに目を見開く。違和感を強くしながら。
そして、最後の「魔術城落成」で驚きは最高潮に達する。
20年かけて、少しずつ練り上げられた作品集である。
見事としか言いようがない。
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb/道尾 秀介

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ヤミ金によって人生を狂わされ詐欺師となった男。
そして、その男に従う元鍵屋。
そんな二人にたまたま助けられた女すりと、その姉、その恋人。
5人の奇妙な共同生活が始まる。

さらに共通のヤミ金グループによって嵌められていたことが明らかとなり・・・。

「ソロモンの犬」でも感じたように、
非常に考えられた、巧みなプロット構成である。

最後の大どんでん返しも見事だし、
なおかつ、結末が爽やかというのがすごい。

ただ、やはり難点は綺麗すぎることか。
そのために、鳥肌が立つほどの驚きとまではいかなかった。