質問 歴史に関心を持つようになったきっかけも知りたいところです。
最初は……宮本武蔵に興味を持ちました。小学校1,2年くらいの時にNHKでドラマでやっていました(NHK新大型時代劇「宮本武蔵」)
それと、大河ドラマの「独眼竜政宗」です。伊達政宗の生涯を描いたドラマで、当時は大人気でした。よく、眼帯つけて友達とチャンバラしてました。「梵天丸もかくありたい」とか。
で、4年生の3学期に授業参観に、政宗でクラスで劇をやって脚本を担当しました。これが、創作のスタートだったように思います。クラスメイトと作り上げることは、とても楽しかったです。
……で、本番はインフルエンザが大流行して。
欠席者が相次いでいて。私は脚本兼片倉景綱の役でしたが、景綱と、政宗の母の義姫と二役やりました。他の子も二、三役を兼ねて、なんとか成功させました。
冬の授業参観に手の込んだものをやってはいけないと、教訓が残ったようです。
質問 執筆の決め手となるテーマはどのようにきめていらっしゃいますか。
仮想戦記から商業作品を描くようになりました。
依頼作品もあります。「本能寺の変の明智側で」と言われたのが『本能寺将星録』です(主人公は細川忠興、ガラシャ)
この時などは、細川忠興、明智光慶(光秀の長男)、蒲生氏郷、津田信澄(織田信長の弟の信行の子)など、何人か候補を出して……
プロットつくって、そこから商業作まで質を上げられるか考えます。
近作なら、『猫絵の姫君』の時は「女性主人公」「幕末明治」「群馬関係」を描こうとなり、主人公として武子さんを選びました。
この時は、他に主人公候補はいなかった気がします。この3つをクリアする人って、そうそういませんね。
質問 智本先生は自分の作品のなかで好きな登場はいますか?思い入れのある人はいますか。
自分の生み出した人々ですので、みんな思い入れはあります。
中でも『風花』の新田義顕と『関ヶ原群雄伝』の大谷吉勝は「デビュー作」なので、やはり思い入れは強いです。数年ぶりの著作となったので、岩松武子もそうですね。
出しただけで、もう少し描いてみたかったのも結構います。高山右近(『本能寺将星録』)とか、五郎八姫(『豊臣蒼天録』)など。金井烏洲もそうですね。もう少し描きたかったですけど、寿命が。
『銅の軍神』なら須田遥かな。
ガラシャもいつか、もう1度はどこかで描きたいです。
それと、よく「悪役」を描くのが下手だと言われます。なので、鮫島雲城(中井弘)や堀口義威(『銅の軍神』)などは、悪役らしい悪役としたかったところですが、イマイチそうなっていないかも知れません。
要鍛錬です。
なお、創作スタートの伊達政宗はどこか憧れがあるのか、2回描いたのですが、どっちも少しやりにくかったですね。
質問 先生の著作である『風花』を読みたいのですが、読む方法はありますか?(出版予定はありますか?)
私がお聞きししたいです。
はい、皆様の応援が必要です。広く世間に「『風花』が読みたい!『風花』が読みたい!『風花』が読みたい~!!」と是非、叫んでいただきたく存じます。
よろしく、お願い申し上げます。
ただ、何分に20代のころの作品ですので、今から読み直すと文章が粗い粗い……
思い入れはやっぱり強いのですが。
続きます。
智本光隆