さて、コラムは前回で一区切りとなりまして、

今回より『猫絵の姫君』の時と同じく、「銅の軍神人物帖」を始めようと思います。ただ、、前と違って、今回は登場人物がほとんど創作です。

なので、本作を読んでいただけていないと、なんだかさっぱり分からない危険性がございます。それを回避するためには、読んでください!買ってください!

というのが一番でございますが、なるべくお読みいただけなくとも、楽しんでいただけるように頑張ります。しばし、お付き合いの程を。

 

 

1,現代日本の女の子・雨野彰子

 

雨野彰子 23歳 10月19日生まれ  157センチ

鎌倉精華大学大学院修士課程1年→2年

 

 

初回でございますので、主人公の雨野彰子から。

今作で7作目、12冊目となりますが、なんと初の現代物です。なので、当然のように現代日本の女性ということになります。

それを「どう描く?」というのが今作の最大の難関?でした。前に書いたか忘れてしまいましたが、実は今作の構想は『猫絵の姫君』よりも前です。これ以前に、『本能寺将星録』は細川忠興とガラシャのダブル主人公で、あとは(発売してませんが)1作だけ女性主人公がありましたが、どちらも歴史物です。

 

 

さて……現代の、それも平成女子が主人公というのは完全に初めての経験でした。これを描くにあたり、彰子と同年代の女性が主人公の小説を数冊読んでから執筆に入った覚えがあります。付焼刃だなぁ……

どうでしょう?会話など違和感なく描けているでしょうか?

 

 

彰子は「新田義貞の嫡男・義顕の子孫」という設定ですが、「謎解きしていく歴史ミステリ―」ということですが、所謂「内気でお勉強の出来る優等生タイプ」ということに自然となりました。ストーリーの都合上「転校生」ということなので、周りの顔色に敏感な子という感じでもあります。敏感過ぎて、返ってややこしくしている気もしますが……

中1の途中に外国から転校して来たのは、そういう同級生が作者の中学の時にいたからです。その子は内気でも内向的でも何でもなかったですがw

 

 

名前の「彰子」というのは、新田義顕の子孫なので「顕」に関する名前にしようとして、「あき」の読みをそのままに、いくつか候補があり、最終的に「彰子」としました。名前つながりで、中宮様こと藤原彰子のイメージを少し入れています。「藤原彰子のイメージってどんなだよ?」と言われてしまうと、なんですが……

ほら、1章の頭に「安部晴明の孫が主人公の小説とか」もあったし。そんな感じで。

 

 

なかなか、先に進んでくれない性格なのは作者泣かせではありますが、このタイプは描いていて苦手ではないですね。よく考えて一歩一歩行動してくれる分、岩松武子よりも動かしやすくはあります。

 

北鎌倉

明月院の側に住んでいます。

 

 

2,当初はもっとやさぐれ女子?

 

性格は初期は1章、2章の鎌倉編ではもうちょっとざっくりというか、やさぐれ気味にしゃべっていました。これで担当さんにも見せているのですが「これだと鎌倉編の方が本音でしゃべっているっぽい」ということに。手直しを入れた結果、鎌倉では「なかなか、本音がしゃべれない女の子」という感じになりました。由良隼人と再会後、稲村ヶ崎の夕日のあたりから徐々にしゃべり方が変わっています。群馬に戻ってきてからは、ちょいちょいと方言を入れています。

 

 

2章ラストで「本当の自分がわからない」的なセリフがありますが、別にどっちかが嘘というわけではありません。どちらの性格も彼女自身です。ただ、「どちらが本人にとって過ごしやすいか」の差があるだけです。

 

 

東京、横浜、京都、仙台、フランス、前橋、鎌倉と転校しているので、各地の影響を受けている子ですが、もうちょっと各地の影響が出るように逸話を入れたかったですね。その辺りは反省点。フランス帰りっぽい話も特になかったかな。

ちなみに、当初は20歳で国文専攻の大学生でした。ただ、隼人が史学科なので、「国文と史学じゃ謎解きがさくさく進みだろう!」ということで、美術系に変更。他との兼ね合い?で年齢も23歳になりましたが、メイン数人の中で一番幼い印象では描いています。

 

 

なお、イラストにあたりアオジマイコ先生にイメージが伝わりにくく、大変なご迷惑をおかけしました。その結果、素晴らしい雨野彰子が表紙となりました。改めまして、御礼申し上げる次第です。

 

雨野彰子

登場人物で唯一、イラストになっています。

 

 

続きます。