突然ですが、「猫絵の姫君コラム」は今回で最終回です!

おお・・・突然すぎだ笑い泣き

何故かというと、それは多分次回のこのブログにて。

で・・・諸事情?によって「新田ネタ」「南北朝ネタ」が使えません。

なので、最後は当面は使わないであろう、戊辰戦争関係からです。

最終回は箱館戦争について。

 

 

 

1,日本最初に「共和国」

 

『猫絵の姫君ー戊辰太平記ー』で武子、馨、そして大舘昇一郎が関わることになる箱館戦争。

今更ですが、この戦いに武子と馨が箱館まで出向いているのは本作の創作です。大舘昇一郎は箱館政府の一員で、戦死しているのはその通りですが。

 

 

前に書いたかも知れませんが、『猫絵の姫君』の終盤の舞台は、最初から箱館とは決まっていませんでした。初期構想としては、昇一郎が箱館を脱出して、山口へ逃れて奇兵隊に身を寄せ、それを鎮圧する馨と、山口を訪れた武子・・・という展開も考えました。

・・・なんか、まとまりそうにないな笑い泣き

箱館戦争になったのは土方歳三を出したかったから・・・という説があるとかないとか。

 

 

さて、この「蝦夷共和国」(当時の文献にこの名前はないですが便宜上)は、「入札」という選挙で代表者が決定されたため、「日本初の共和国」とよく言われています。総裁に選ばれたのは幕臣にして幕府海軍を率いる榎本武揚でした。元藩主クラス、老中クラスも参加している中で、これはなかなか画期的なことです。

 

 

なお、榎本は856票中の156票でしたが、実は土方も73票で6位です。多摩の百姓出の土方がこの票数を獲得しているのも、ある意味で共和国らしいように思います。榎本も父親が幕臣となったので、生粋の武士ではないですし。

 

 

この蝦夷共和国を「日本初の共和国」とする見方があります。しかし、それは一睡の夢となりまして・・・

 

 

五稜郭

 

 

2,蝦夷共和国勝利の可能性は?

 

そんな蝦夷共和国ですがわずか半年ほどで終幕してしまいます。

その経過は本作でも触れているので、ここでは「蝦夷共和国勝利の可能性」を考えたいと思いますが、

 

ないな、これはさっぱり。

 

一応、作者は元は仮想戦記作家であるんですが。会津戦争の段階ならまだ可能性もありますが、この段階の旧幕府軍は完全に追い詰められているので。

元々、蝦夷共和国が「事実上の政権」となったのは、榎本が江戸から引き連れて来た開陽を旗艦とする、幕府海軍で制海権を確保している点でした。

 

 

ですが、開陽は江刺で暴風雨にあって沈没。これは榎本が局地戦に主力艦を投入して、喪失させたと厳しい評価もあります。

この開陽の沈没の穴埋めに、土方歳三らが決行したのが「宮古湾海戦」です。明治2年3月25日、土方は岩手県宮古湾に停泊中だった新政府の最新軍艦・甲鉄(ストーンウォール号)を奪取するべく、夜陰に乗じて軍艦で宮古湾に侵入します。甲鉄はアメリカの南北戦争のために造られた、当時世界最高水準の軍艦です。

 

 

甲鉄(東艦 - Wikipedia

戊辰戦争後は「東艦」と改称されます。

 

 

箱館海軍の軍艦・回天を奇襲で接弦させ、甲鉄に切り込みをかけて船ごと強奪する・・・世界でも成功例の少ない「接舷攻撃」(アボルダージュ)です。

しかし、奇襲は成功したものの、悪天候、そして回天が接舷に不向き(外輪船で接舷できない)などが重なり、この作戦は失敗に終わります。仮に開陽が健在で、甲鉄の奪取に成功していれば、当面は新政府軍は北海道に手出し出来なかったはず・・・

それも一時的ですかね。榎本の外交工作次第で数年は持つかも知れませんが。

この作戦には彰義隊の生き残りも加わっているので、大舘昇一郎も参加しています。

新政府海軍側として、若き日の東郷平八郎がいました。

 

 

なお、井上馨は箱館戦争とは直接関係ないのですが、榎本武揚や初代山口県知事で中野悟一の助命に尽力しています。

 

 

馨 「なお、甲鉄が新政府に引き渡される交渉を担ったのは大隈重信君達です」

武子「達・・・他に誰だ?まさか・・・」

馨 「そんな説もあるとかないとかですね」

 

 

ちなみに、甲鉄の新政府の引き渡し交渉に、中井弘はまったく関わっていません。

投げられ損だな・・・

 

 

なんか、最終回っぽくないなw

まだ、何か書くかも知れませんw

ひとまず、お読みいただきましてありがとうございました。

 

 

 

智本光隆