『マドンナ(聖母)』
『ミューズ(女神)』

先日、惜しまれつつ亡くなられた、女優・八千草薫さん。
ご同期や同世代には本当に素敵な女優さん方が沢山いらっしゃいますが、このたとえが、本当にとてもしっくりとくる方でした。

『高嶺の花』というのは、また少し違う。
佇まいそのものが聖域の様でありながら親しみささえ感じる…
ワケありな役を演じても、どこか穢れきらない清廉としたところがあって…

お人柄がそうさせるのかな、と思ってみたり。

美貌の人。年齢を重ねても尚美しい。けれどもチャーミング。
品格があってたおやか。教養も深い。
決して偉ぶらず、常に謙虚。
それでいて、趣味は登山と快活。
ひとたび役を演じるとなると、その役作りに決して妥協しない。粉骨砕身と努力を惜しまないしんの強さを持っておられました。

完璧に近いと言って過言ではない、
稀有な方でした。
子供の頃から拝見させて頂いてて、幼心にも憧れてやまない方でした。


ご出演された作品はどれも名作品で、数多くあるその中でも、八千草薫さんの魅力が余すところなく散りばめられていて、大好きなご出演作品は

『拝啓、父上様。』

です✨

ご存知でしょうが、主演は嵐の二宮和也君です。
神楽坂の老舗料亭の大女将という役どころの八千草薫さんの登場は、実は全体比で言えば少なめです。
けれど、八千草さん演じる女将さんがとても鮮やかで印象的です。



余談ですが

海外に日本というものを知って頂く手段として、皇后陛下がハーバード大時代に『男はつらいよ』の鑑賞会を開かれたと伺いましたが、
今は、この『拝啓、父上様。』もオススメかと。



そんなこんなで、
八千草薫さんへの追悼の意と、
二宮くんご結婚祝の意と、
悲喜こもごもな心持ちの中

買いました。
『拝啓、父上様。DVDbox』(^_^;)

長い間、買おうか買うまいか悩んだまま延々となり現在に至ってしまいましたが、思い切りました。(Blu-rayでは出てないので、お手入れしながら大事に鑑賞させて頂きます)



だれもが憧れる人であること。

生来持ち合わせたものも確かにあるのかもしれませんが、そうあることを保ち続けていくことは、相当な努力なくしてはなかなか出来ることではありません。

美貌だけはどうにもなりませんが、
人としての在り方や所作・立ち居振る舞いなど、よきお手本として見習わせて頂けることは沢山あります。


拝啓、八千草薫様。

少しでも同じ時代に居させてもらえたことは、本当に幸いでした。

ありがとうございました。お疲れ様でございました。
どうか、安らかにおやすみ下さいませ。