ずっと封を開けてない
お菓子がある。
そのお菓子
誰かが封を開けた途端
あっという間になくなる
ということがある。
食べ始めたら止まらない
というお菓子でもない。
そう
普通のお菓子。
バリッ
と
誰かがお菓子の袋を開けた途端
ひとつ、またひとつ
あっという間になくなってしまう。
そのお菓子
ずっと手つかずのまま
お菓子のカゴに入ったままだったのに。
角度を変えた話をしてみよう。
ずーっと言わないで
ずーっとガマンして
ずーっと言葉を飲み込んで
ずーっと言わないで我慢してたのに
「あのさ、
ちょっと言わせて
もらうけど」
片方が口火を切った途端
お互い、言いたかったこと
飲み込んでいた言葉が
出てくる出てくる。
ずーっとさぼってた掃除
ひとつが気になって
ちょこちょこやってるうちに
あっちもこっちも気になって
結局
本格的な掃除になってしまう
なんてこともある。
封を開けなければ
お菓子はそのままだし
誰かが口火を切らなければ
ケンカも起きないし
汚いなーと思わなければ
掃除も始まらない
お菓子の袋を開けた私は
今日を変えるかもしれない。
口火を切った私は
明日を変えるかもしれない。
止まっているものを動かしてみたら
何かが変わるかもしれない。