当日の朝、試合会場ではまだ小雨が降っていた

中止連絡もなく、集まったチーム関係者は、「芝でやりたかった」と皆が口にしていた


決勝トーナメント最終日、選手は全員参加

試合に出るチームのメンバーも、予選で敗れ本選に進めなかったメンバーも一緒になって戦っていく

試合前の練習はいつもにもなく積極的だった

誰から始まったわけでもなく、選手が自主的にボールを出して蹴りだしたのだ

試合開始時間にはまだ速いので、10分位、子供達に自由にやらせていた

それが終わってチームの全体練習が始まったわけだが

準備体操、ランニングと進んでボールを使った練習メニューになったとき

私も一緒に練習をしたのだが、予想以上に下が緩い

足をとられてまともには踏ん張れないし、何よりボールが収まらないのだ


そして、事件は1対1の練習中に起きた

競り合いの中でたまたま足が絡み合い交錯

倒れたのは息子だった

そのプレイをまともに正面から見ていた私は、そんなに息子の倒れ方は悪くないように思えた

ただ、全体重を肩だけで受け止めるような落ち方をしたので、いくら楽観的な私でも一瞬心配した

しかし、冷静を保っていた

「きっと少し経てば痛みも和らぎ試合には出れるだろう」



だが、その心配は一瞬だけではすまない緊急事態に変わっていくのであった


転倒直後の息子は肩を押さえ、人知れず涙を流していた

痛みには強くない人間なのでそれに関しては驚かなかったし、いつものことだぐらいに思っていた

ただ、練習から離れ、保護者席でアイシングをしているときも顔を歪め、涙は止まらなかった

コーチがメンバー表を本部に届ける時間になってもイスから動くことができなかった

2年間、この大会のために頑張ってきた息子

試合には出してやりたい

しかし、かばいながらプレイをする選手がそこにいれば、周りの選手はそちらに意識はいき、統率は欠き、チームのバランスはバラバラになってしまう


私は苦渋の決断を下さなければいけなかった

息子に尋ねた

「試合に出たいか」

返事は聞くまでもない

痛そうにしている息子を立たせてボールを渡した

蹴ることは出来る

しかし、少し離れたところにボールを蹴り出すと息子は追い付けないし、腕も振れない

これでは試合中のボールに対する反応も遅れ、試合にはならないだろう

私はコーチに今日の全試合、出場を見合わせる事を確認した

そして、残酷だがその事を息子にも伝えた

表情は悔しさを必死に耐え、その瞳からは頬を伝うひとすじの涙が

私は人生の中で一番、息子をいとおしく感じた



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