■1 マネジメントとは人のことである。
マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。
■2 人が成果を上げるのは強みによってのみである。
人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである。弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。強みに集中し、卓越した成果をあげよ。
■3 強みは当然とできるもので気づかない。
知っている仕事はやさしい。そのため、自らの知識や能力には特別の意味はなく、誰もがもっているに違いないと錯覚する。
■4 他社との比較で自社の強みを見つけ出す。
他社はうまくできなかったが、わが社はさしたる苦労なしにできたものは何かを問わなければならない。同時に、他社はさしたるくろうなしにできたが、わが社はうまくできなかったものは何かを問わなければならない。
■5 成功するためには一点の強みに集中して卓越する必要がある。
多くの領域において卓越することはできない。しかし成功するには、多くの領域において並み以上でなければならない。いくつかの領域において有能でなければならない。一つの領域において卓越しなければならない。
■6 組織の目的は、人の強みを爆発させ、弱みを無くすこと。
人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。人とは費用であり、脅威である。しかし人はこれらのことゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。
■7 凡人が非凡な働きをできる組織が目指すべき組織である。
組織の優秀さとは、凡人をして非凡な働きをなさしめることにある。
■8 人こそが最大の資源である。
マネジメントのほとんどがあらゆる資源のうち、人が最も活用されず能力も開発されていないことを知っている。だが、現実には、人のマネジメントに関するアプローチのほとんどが、人を資源としてではなく、問題、雑事、費用として扱っている。
■9 メンバーが相互に人間として尊敬される組織風土を築く。
仕事の上の人間関係は、尊敬に基礎をおかなければならない。これに対し心理的支配は、根本において人をばかにしている。マネジメント(管理職)のみが健康で、他のものは全て弱いとする。
■10 部分を合わせたものよりも、全体の総和で大きな成果を生む。
マネージャーの役割は、部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。オーケストラの指揮者のように、リーダーの行動、ビジョン、指導力を通じて各メンバーを統合し、創造的なものとして活かすことである。
■11 マネジメントとは権力ではない、人を活かす責任である。
マネジメントはもともと権力をもたない。責任を持つだけである。その責任を果たすために権限を必要とし、現実に権限を持つ。それ以上のなにものももたない。
■12 部下の弱みを見るものは、マネージャー失格である。
部下の弱みに目をむけることは、間違っているばかりか無責任である。上司たるものは、組織に対して、部下一人ひとりの強みを可能なかぎり活かす責任がある。そしてそれ以上に、部下に対して、彼らの強みを最大限に生かす責任がある。
■1 成果を上げることは身に付けることの技術である。
成果をあげることは一つの習慣である。実践的な能力の積み重ねである。実践的な能力は、習得することができる。それは単純である。あきれるほどに単純である。
■2 自分に多く期待するものが高い成果をあげる。
自分に少ししか求めなければ成長しない。多くを求めるならば、何も達成しないものと同じ努力で巨人に成長する。
■3 成果を上げるものはアウトプット思考である。
仕事を生産的なものにするには、成果すなわち仕事のアウトプットを中心に考えなければならない。技能や知識などインプットからスタートしてはならない。
技能・情報・知識は道具にすぎない。
■4 成果を上げるものは問題志向ではなく、機会志向である。
問題の解決によって得られるものは、通常の状態に戻すことだけである。せいぜい、成果を上げる能力に対する妨げを取り除くだけである。成果そのものは、機会の開拓によってのみ得ることができる。
■5 成果を上げるものは強みに集中する。
不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。
■6 自分の強みを知るためには振り返り分析を行う。
何かをすることに決めたら、何を期待するかを書き留める。9か月後、1年後に結果と照合する。私自身これを50年間続けている。そのたびに驚かされる。誰もが驚かされる。こうして自らの強みが明らかになる。自らについて知りうることのうち、この強みこそ最も重要である。
■7 得意な仕事のやり方で成果を上げる。
仕事上の個性は、仕事につくはるか前に形成されている。仕事のやりかたは強みは弱みと同じように与件である。修正できても変更はできない。ちょうど強みを発揮できる仕事で成果をあげるように、人は得意なやり方で仕事の成果をあげる。
■8 貢献を意識する時に初めて成果は上がる。
貢献に焦点をあわせることによって、自らの専門分野だけでなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。
■9 使命を意識するものが成長することができる。
今日でも私は「何によって人に覚えられたいか」を自らに問い続ける。これは自らの成長を促す問である。なぜならば、自らを異なる人物、そうなりうる人物として見るよう仕向けてくれるからである。
■10 上司の強みをマネジメントせよ。
上司をいかにマネジメントするか。実のところ答えはかなり簡単である。上司の強みを活かすことである。
上司をマネジメントするということは、上司と信頼関係を築くことである。そのためには、上司の側が、部下が自分の強みに合わせて仕事をし、弱みや限界に
対して防御策を講じてくれるという信頼をもてなければならない。
■11 部下の弱みをみるものはマネージャー失格である。
部下の弱みに目を向けることは、間違っているばかりか無責任である。上司たるものは、組織に対して、部下一人ひとりの強みを可能なかぎり活かす責任がある。部下に対して、彼らの強みを最大限に生かす責任がある。
■12 成果をあげる最大の条件は時間である。
成果を上げるものは、仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。そして最後に得られた自由な時間を大きくまとめる。
■1 リーダーに求められるのは人格である。
人のマネジメントにかかわる能力、たとえば議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、、報酬制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずつこともできる。だがそれだけでは十分ではない。スキルの向上や仕事の理解では補うことのできない根本的な資質が必要がある。真摯さである。
■2 その人の下で働かせたいと思うかが判断基準である。
組織のリーダー選ぶには何をみなければならないか。真摯さである。重要なことは、わが子をその人の下で働かせたいを思うかである。その人が成功すれば若い人が見習う。だから私はわが子がその人にようになってほしいかを考える。
■3 リーダーは私情にとらわれず、公正でなくてはならない。
CEOは客観的かつ公正でなければならない。超越した存在でなければならず、好き嫌いどころか、仕事のやり方さえ気にしてはならない。唯一の規律は成果と人物である。交友とは両立しない。社内に友人を持ち、仕事以外の話をするのでは公正たりえない。
■4 リーダーはメンバーの強みのみを見なくてはいけない。
部下の弱みに目を向けることは、間違っているばかりか無責任である。上司たるものは、組織に対して、部下一人ひとりの強みを可能なかぎり活かす責任がある。そしてそれ以上に、部下に対して、彼らの強みを最大限に生かす責任がある。
■5 リーダーは人の強みを活かすものである。
成果を上げるためには、リーダーは人がもつ最大の強みに焦点を合わせ、その強みの発揮の妨げとならない限り、弱みは関係ないものとして無視しなくてはならない。重要な事は人を変えることではない。人のもつあらゆる強み、活力、意欲を動員し、そうすることによって全体の能力を増大させることである。
■6 リーダーの役割とは使命を確立すること。
効果的なリーダーシップの基礎とは、組織の使命を考え抜き、それを目に言える形で明確に定義し、確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持することである。
■7 リーダーは壮大なビジョンを描き、個人の徳を社会にとって利益にする。
社会にとってよいことを企業にとってよいことにするためには、懸命な仕事、優れたマネジメント、高度の責任感、大きなビジョンが必要である。マネジメントが社会のリーダー的存在であるためには、この原則を行動の原理とし、意識として遵守し、現実に実行していかなければならない、なぜならば、優れた社会、徳のある社会、永続する社会は、私人の徳を社会の福利の基盤としたとに、実現されるからである。
■8 リーダーシップとは人の視座を高めることである。
重要なのはカリスマ性ではない。リーダーシップとは人を惹きつけることではない。惹きつけるだけでは扇動者にすぎない。友達をつくり、影響を与えることでもない。それでは人気取りにすぎない。リーダーシップとは、人のビジョンを高め、成果の基準を高め、人格を高めることである。
■9 リーダーは正当性をもたなければならない。
いかなる権力も、正当でないかぎり永続しない。いかなる社会といえども、一人ひとりの成員を組み入れない限り機能しない。われわれには二つの道しかない。
社会として機能する産業社会を構築するか、自由が無秩序や圧政のうちに消失するのを座視するかのどちらかである。
■10 リーダーシップとは正しい意思決定の事である。
やがて妥協が必要になるからこそ、何が受け入れられやすいかではなく、何が正しいかを考えなければならない。そもそも、何が正しいかを知らずして、正しい妥協と間違った妥協を見分けることはできない。
その結果間違った妥協をしてしまう。
■11 これからのリーダーは変化を活かすチェンジリーダーになれ!
今日のような乱気流の時代にあっては、変化が常態である。変化はリスクに満ち、悪戦苦闘を強いられる。
だが、変化の先頭に立たない限り、生き残ることはできない。変化を脅威ではなく、チャンスとして捉えるリーダーでなくてはならない。
■12 責任とは外部に対するものであると同時に内部に対するものである。
リーダーの責任とは外部に対するものであって、かつ内部に対するものである。外部に対しては成果に対する責任を持つことであり、内部に対しては成果を上げるために全力を傾けることである。働く者としての責任とは、成果をあげることに責任をおうだけでなく、成果を上げる上で必要な、すべてを行いそれらの成果に全力を傾けることである。