野村證券が特定社員制度を本格導入 | バブソンMBAのベンチャー日記

野村證券が特定社員制度を本格導入

野村證券が、旧リーマン社員との融和を図るという目的で、7月から人事制度を改定し、特定社員制度の運用を始めるようです。
特定社員とはハイリスク・ハイリターンの職種。実績に応じて億単位の高給に道を開く半面、終身雇用の保証はない。欧米金融機関ではごく普通の制度で、昨年秋、破綻したリーマン・ブラザーズから野村が迎え入れた従業員は、特定社員として雇われている。それを日本人にも広げようという話だ。

対象は法人取引・管理部門などの約3000人。野村證券の説明では、応募は年1回で、強制ではなく選択制だという。

日本人社員の平均給与は1000万円台前半だが、旧リーマン組は4000万円ともいわれる。ざっと4倍だ。稼げる選択肢が加わったのだから好ましくもみえる。だが、社員の声に耳を傾けると、真の狙いは別のところにあるのではないか、という疑念がわく。

人員整理である。それも、バブル世代狙い撃ちだ。
私は、人事制度を何回かつくった経験がありますので、このあたりの会社側の悩み/思惑はよくわかります。

「従業員の生産性と報酬のバランスを確保(調整)する」という課題に対して、人事的にどのように解決していくかということについては、会社が一定規模以上(従業員300人くらいから)になるとその重要度が一機に高まります。

通常とられるのが、専任職や専門職という名称で、部署間・職種間異動をなくし、その代わり報酬の平均値を上げ下げしたり、業績に対する報酬連動性を高めたりするのです。

今回の野村證券の特定社員は、旧リーマンの”金が大好きでかつエース級プレイヤー”をどのように囲いつづけるかという課題にたいしての答えなのでしょう。また、会社側の本音としては、使えない奴はエグジット(転職)してもらいたいというのも、勿論あるはずです。選択は任意ということらしいですが、実態として違ってくる可能性は高いでしょう。会社として、特定社員にしたい人間はバイネームで決まっているものなのです。

「業績連動性を強化し、努力によっては1億円プレイヤーにもなれる!」というのは聞こえはいいですが、制度設計的思想について言えば、これは酷いものです。使えない人間の報酬を極端に下げて、その分を上位プレイヤーに分配するということなのですから。

旧リーマン社員からすると、特定社員制度における①給与の平均値、②平均評価を得るための目標難易度、③報酬ボラタリティ(変動の大小)がどうなのか? ということが重要なポイントです。①と③は制度として規定しますので、一度決めたら変更はしにくいのですが、②については運用でいくらでも調整できます。その上、金融業界のパラダイムシフトを受け、証券会社/投資銀行において、以前のような平均報酬が4000万なんてことは、もうあり得ません。

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結論から言えば、この制度は失敗するでしょうし、失敗を認めることなく続けたとしても、会社自体が良くなることはないでしょう。長期的に見た場合、業績は下がっていくものと予想します。
とありましたが、会社として疲弊していくというのは、私もそのように思います。

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