セブンイレブンに排除命令の衝撃
公正取引委員会は、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンに対して、
「フランチャイズ(FC)契約を結んだ加盟店に対し、賞味期限が迫った弁当やおにぎりを値引きして売る「見切り販売」を制限したのは、独禁法違反(優越的地位の乱用)に当たる」として、
同社に見切り販売を可能にするマニュアル整備などを求める排除措置命令を出したとのことです。
前々から気になっていたニュースですが、これはコンビニ業界にとっては非常にインパクトの大きい行政措置で、コンビニエンスストアのビジネスモデルの一角を崩す可能性があります。
まずは、今回の排除命令の中身を確認したいと思います。
1)セブンイレブンは、フランチャイズ加盟店に対して優越的地位にある
2)加盟店は、経営の自主性を持ち合わせており、また、商品ロス時の原価負担責任を100%負っている
3)セブンイレブンは、加盟店に対して、特定商品の値下げ販売を認めない圧力をかけている
ということでしょう。
確かに論理的には、セブンイレブンに非(行為としての行き過ぎ)があったと認められるように思う。
では、どのような内容の命令か。
取締役会で機関決定した上で、社内および加盟店に周知し、計画・実行・検証をしなければいけないということだ。
この問題が、なぜそこまで大きなインパクトをもつかというと、コンビニのビジネスモデル、言い換えると、他業態との差別化を維持するための重要事項について、今後はやっちゃだめと命令しているからである。
一般的にも、コンビニは定価販売が基本で、通常は鮮度劣化に伴う値下げは行わないということが消費者に認知されている。その理由は、コンビニが消費者に提供する付加価値が、商品の安さではなく、様々な商品を欠品なく常に揃えており、24時間空いているという”利便性”だからだ。
お弁当などのいわゆる”推奨商品”を本部が加盟店に対して値下げ販売しないよう要請するのには、それなりの理由がある。
1)値下げをすることで、待てば安くなるという商品イメージが定着する
2)一部の消費者が、値下げ待ちするようになり、販売数量が落ちる ⇒ そのため、加盟店は売上確保のため、さらなる値下げ競争に発展する
3)安い商品は鮮度の低い商品であり、コンビニ運営の大原則である「鮮度管理」が守られていないというメッセージを消費者に伝えてしまう
注1)コンビニの店舗運営において、”基本4原則”として「品揃え」「鮮度管理」「フレンドリーサービス」「クリンリネス」が謳われており、どのコンビニでも基本中の基本としておさえられている。
注2)セブンイレブンは鮮度管理を徹底しており、弁当などは消費期限が近づいている商品はお客様に販売しないことになっている
4)結果として、コンビニのお弁当とスーパーのお弁当が同質化してしまい、いままでのお客さんが離反し、加盟店の収益力が低下する
コンビニのマネジメントシステムを知っている人間からすると、セブンイレブンの言い分「推奨商品の見切り販売をしないことが、最終的には加盟店の収益力を維持することにつながっている」というのは一理あるのだ。
少し整理すると、、、
・法(=独占禁止法)的には、セブンイレブンの一連の行為は、違反である。
⇒おそらく、その通り。言い逃れするのは難しいだろう。
・経営論(経営戦略)的には、セブンイレブンの手法(考え方)が、合理的である。
⇒差別化戦略の視点から、弁当等の見切り販売を野放しにすると、コンビニ業態の収益力が低下する。
まさに、痛し痒しの状況で、非常に厳しい経営判断を迫られることになる。
セブンイレブンとしては、なんとか公取委の命令を遵守しつつ、中庸の選択肢をとりたいところ。
今後、セブンイレブンがどのような意思決定を行っていくか大いに注目したい。
「フランチャイズ(FC)契約を結んだ加盟店に対し、賞味期限が迫った弁当やおにぎりを値引きして売る「見切り販売」を制限したのは、独禁法違反(優越的地位の乱用)に当たる」として、
同社に見切り販売を可能にするマニュアル整備などを求める排除措置命令を出したとのことです。
前々から気になっていたニュースですが、これはコンビニ業界にとっては非常にインパクトの大きい行政措置で、コンビニエンスストアのビジネスモデルの一角を崩す可能性があります。
まずは、今回の排除命令の中身を確認したいと思います。
(公取委発表内容より)ポイントとしては、
【違反行為の概要】
セブン-イレブン・ジャパンの取引上の地位は加盟者に対して優越しているところ,セブン-イレブン・ジャパンは,加盟店で廃棄された商品の原価相当額の全額が加盟者の負担となる仕組みの下で,推奨商品のうちデイリー商品に係る見切り販売を行おうとし,又は行っている加盟者に対し,見切り販売の取りやめを余儀なくさせ,もって,加盟者が自らの合理的な経営判断に基づいて廃棄に係るデイリー商品の原価相当額の負担を軽減する機会を失わせている。
1)セブンイレブンは、フランチャイズ加盟店に対して優越的地位にある
2)加盟店は、経営の自主性を持ち合わせており、また、商品ロス時の原価負担責任を100%負っている
3)セブンイレブンは、加盟店に対して、特定商品の値下げ販売を認めない圧力をかけている
ということでしょう。
確かに論理的には、セブンイレブンに非(行為としての行き過ぎ)があったと認められるように思う。
では、どのような内容の命令か。
【排除措置命令の概要】非常に厳しい内容の命令である。
(1) セブン-イレブン・ジャパンは,前記の行為を取りやめなければならない。
(2) セブン-イレブン・ジャパンは,前記の行為を取りやめる旨及び今後,当該行為と同様の行為を行わない旨を,取締役会において決議しなければならない。
(3) セブン-イレブン・ジャパンは,前記(1)及び(2)に基づいて採った措置を加盟者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(4) セブン-イレブン・ジャパンは,今後,前記の行為と同様の行為を行ってはならない。
(5) セブン-イレブン・ジャパンは,今後,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
ア 加盟者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の改定
イ 加盟者が行う見切り販売の方法等についての加盟者向け及び従業員向けの資料の作成
ウ 加盟者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査
取締役会で機関決定した上で、社内および加盟店に周知し、計画・実行・検証をしなければいけないということだ。
この問題が、なぜそこまで大きなインパクトをもつかというと、コンビニのビジネスモデル、言い換えると、他業態との差別化を維持するための重要事項について、今後はやっちゃだめと命令しているからである。
一般的にも、コンビニは定価販売が基本で、通常は鮮度劣化に伴う値下げは行わないということが消費者に認知されている。その理由は、コンビニが消費者に提供する付加価値が、商品の安さではなく、様々な商品を欠品なく常に揃えており、24時間空いているという”利便性”だからだ。
お弁当などのいわゆる”推奨商品”を本部が加盟店に対して値下げ販売しないよう要請するのには、それなりの理由がある。
1)値下げをすることで、待てば安くなるという商品イメージが定着する
2)一部の消費者が、値下げ待ちするようになり、販売数量が落ちる ⇒ そのため、加盟店は売上確保のため、さらなる値下げ競争に発展する
3)安い商品は鮮度の低い商品であり、コンビニ運営の大原則である「鮮度管理」が守られていないというメッセージを消費者に伝えてしまう
注1)コンビニの店舗運営において、”基本4原則”として「品揃え」「鮮度管理」「フレンドリーサービス」「クリンリネス」が謳われており、どのコンビニでも基本中の基本としておさえられている。
注2)セブンイレブンは鮮度管理を徹底しており、弁当などは消費期限が近づいている商品はお客様に販売しないことになっている
4)結果として、コンビニのお弁当とスーパーのお弁当が同質化してしまい、いままでのお客さんが離反し、加盟店の収益力が低下する
コンビニのマネジメントシステムを知っている人間からすると、セブンイレブンの言い分「推奨商品の見切り販売をしないことが、最終的には加盟店の収益力を維持することにつながっている」というのは一理あるのだ。
少し整理すると、、、
・法(=独占禁止法)的には、セブンイレブンの一連の行為は、違反である。
⇒おそらく、その通り。言い逃れするのは難しいだろう。
・経営論(経営戦略)的には、セブンイレブンの手法(考え方)が、合理的である。
⇒差別化戦略の視点から、弁当等の見切り販売を野放しにすると、コンビニ業態の収益力が低下する。
まさに、痛し痒しの状況で、非常に厳しい経営判断を迫られることになる。
セブンイレブンとしては、なんとか公取委の命令を遵守しつつ、中庸の選択肢をとりたいところ。
今後、セブンイレブンがどのような意思決定を行っていくか大いに注目したい。