なんせあの外周コースを5年連続で走ってますからね。

こんにちはこんばんは。
今日は、本の感想。

『横浜大戦争』という本を読みました。蜂須賀敬明さんの作品です。
前々から気になっていました。詳しくは話しませんが、横浜は色々と縁のある地だからです。でも、まだ早いかなって。
(何が早いのかは自分でもわからない)
でも、現在発表されているシリーズ三作目を本屋で見かけてしまったらね、
「これは読まねば....ここまで辿り着かねば....」
となったんです。これも詳しくは言いませんが。

あらすじは、横浜市の土地神である横浜の大神の大号令により、『横浜ナンバーワンの土地神』を決める『横浜大戦争』が勃発することになった横浜市内の各区の土地神達の物語、と言ったところでしょうか。詳細は公式サイトへ。
おそらく、横浜市が政令指定都市であることを知っていても、その中に18の区が存在していることや、その18の区の名前を知っているのは、せいぜい神奈川県民や横浜市にお勤めの方くらいなもので、多くの日本国民はご存知ないと思います。だから、ちょっと内輪ネタ感があるのは否めないかも。
(ちなみに、私は先に説明した通り、横浜市には縁があるので、横浜市内に区が存在していることは、幼い頃から知っていました。18もあることはこの本で初めて知りましたけど)
でも、逆にその内輪ネタに大きく振り切っているからこそ、各区の土地神のイメージが「それっぽい」感じになっているんだと思います。私にはわからなかったことも多いけど、金沢区とか磯子区とか鶴見区とか、キャラクターはともかく、神器はまさにそれそのものって感じでした。
そして、内輪ネタに振り切ったからこそ、正直全国的にはどうなんだろうって部類に入ると私は勝手に思っている保土ケ谷区の土地神が主人公級の扱いを受けられるんだろうと思いました。そこ、西区とか中区じゃないんだ!?っていうね。確かに歴史を見れば、保土ケ谷区も横浜市内の区では最古とのことなので、納得感はありますし、あの横浜国立大学がある区なので、まあ有りか、っていう感じはするんですけど。
(Webのインタビューか何かを読んだところ、作者さんの縁の地だそう)
また、仮に横浜市に詳しくなくても、章の頭には横浜市と各区が載った地図があって、次はどこに行くかが図解されていたり、各市や区、名所等は注釈が付いていて、各章の最後で解説されていたりしました。その注釈もなかなか面白かったりします。なので、どこで何が起きているのかわかったし、勉強になりました。
(おそらく注釈は、紙の本であればページ毎に付いていると思われますが、電子書籍だったので、章末でした)
物語自体も、各区の成り立ちや特徴が、土地神のキャラクターや神器という形で表現されていたり、丁寧に説明されていて、横浜市に関する勉強になりました。兄弟・姉妹関係や家族関係も、どれも「なるほどな」と思わされましたし、先程も触れた神器について、鶴見の神の自在に炎を操る能力なんて、まさに火力発電所があるからこそ、ですよね。保土ケ谷区や金沢区の「参謀」ポジションも、それぞれ市内有数の公立大学があるからこそですし。
(金沢区は横浜市立大学(※医学部有り)があるからこそ、ですよね)
物語では、正直知らない土地の方が多かったんですけど、一部ものすごく縁のある土地が出てきたりして、あそこかー!と若干テンション上がりました(笑)

ここから若干のネタバレ有りです。













物語としては、個人的には面白かったと思いつつも、横浜の大神の思惑が少し読み取りづらかったかなと。
物語冒頭で、連携が取れていないから自分がこんなに苦労するんだ、と嘆きつつ、だったら神奈川ナンバーワンの土地神を決めて、そいつに全部任せてしまおう!となるのは、少し短絡的すぎるかなあ、という気がします。ていうか、そいつに全部任せて他の土地神追放するんなら、そもそも横浜の大神いらないんじゃ?って思うし。
てっきり、各区の連携が取れていないことを思い知らせるためか、かつての保土ケ谷と西の神の間の遺恨を晴らすか、どちらかの理由で『横浜大戦争』を始めただけで、追放するとかは考えていないと思ってたんですけど、実際追放するっていう意図はあったんだ!?と驚きましたね。
あと、最後に瀬谷の神が出てきて全部持っていったのは、そういう神様なんだっていう説明があったにしろ、少しあっけなかったですね。拍子抜けしたというか。瀬谷の神だからこそ、追放とかなくなってみんな助かったんですけど。これで鶴見の神や西の神が勝ってたらどうなってたんだろう。
一方で、保土ケ谷の神の智将ぶりは、非常に見ていて楽しかったです。巻末の神様名鑑では『人心掌握術に長ける』って書いてありましたが、その通り、人たらしでしたね。栄の神がしっかりやられて、成長していましたし。これは戸塚の神のお姉さんも嬉しかったでしょうね。でも私も、残念ながら、好みの男性土地神を挙げるなら鶴見の神かなあ、実は面倒見良さそうで真っ直ぐだし(笑) あと、栄の神も言っていますが、保土ケ谷の神は、少し自己犠牲心が強すぎるのがよろしくないですね。あのキャラクター性で自己犠牲心が強いってどういうことだよ。お前ほんと何者?って思いました。冥界に行ったあとの件とかね。保土ケ谷の神の設定の盛られ方は、少し面白かったです。


ということで、『横浜大戦争』の感想でした。
この後、シリーズ二作目を読んで、三作目にも辿り着きたいところです。三作目で白旗揚げて読み始めたようなものなので。

ではでは〜(ΦωΦ)ノシ


※例の外周コースの話です。