さくらは2013年3月、帰省先の産院で産声をあげた。
朝破水してからしばらくのんびりした後、
急に痛みが増した1時間後にはぽーんと産まれた
とっても親孝行で、かわいい赤ちゃん。
兄の光が産まれたばかりの妹をとっても嬉しそうに
抱っこした。
本当に本当に幸せなお産だった。
この子がお腹にいるとき、妊娠悪阻が本当に酷く
私は1ヶ月で11kg痩せ、会社は休職することになった。
その時は、悪阻が一番大変なことで、それさえ終われば
すべてが順調にうまくいくと心から思っていた。
産院で、ちいさなちいさな赤ちゃんを隣に寝かせ
ちいさなちいさな寝息に耳を澄ましているとき…。
隣にいるのは幸せのカタマリだと感じた。
お母さんのところにきてくれてよかった。
今回は気持ちに余裕をもって子育てを楽しめるな…
そんな風に考えていた。
さくらは「胆道閉鎖症」という原因不明の難病と闘っている。
子どもの病気というのはとても辛いものだ。
想像していたよりももっとずっと胸が苦しく、痛む。
いまを忘れないため
そして自分が己の気持ちを言葉として紡ぎだすことによって
心を落ち着かせるため
少しずつ病気のことや経緯を書き残していく。