皆さんは聞いたことがあるでしょうか?この病気のこと。


◆胆道閉鎖症

肝臓で作られた胆汁は、本来胆管を通って十二指腸に流れ、
ここで食物と混じって栄養素の吸収を助けます。
胆汁の通り道である胆管が、生まれつきまたは生後間もなく

詰まってしまい、胆汁を腸管内へ排泄できないのが

「胆道閉鎖症」です。

胆汁が肝臓内に溜まると黄疸を引き起こし、さらに肝臓の

組織が壊され硬くなる「胆汁性肝硬変症」に進行します。
肝硬変になるともう治ることはありません。
脂溶性ビタミンの吸収障害により、頭蓋骨内出血して発覚し、
後遺症を残したり死亡したりする例も後を絶たないため
早期発見が望まれます。

約10,000人の赤ちゃんの中に一人の割合で発生し、
女の子は男の子の2倍の頻度で発生します。
病気の原因は未だにわかっていません。
お母さんの胎内で一度作られた胆管が
なんらかの炎症により閉塞するものが多いといわれています。

見てわかる症状は

1.薄い色の便 2.黄疸 3.濃い黄色の尿 です。

治療は外科的手術です。(薬などでは治すことができません。)
まず、胆管の詰まったところを取り除いて胆汁の流出をはかる
手術(葛西術)を行います。
生後60日以内に葛西術を実施することが良い予後につながります。
それでも黄疸が続く場合、成長障害が見られる場合などは、
肝臓自体を取り換える移植手術の適用になります。

胆道閉鎖症の患者は、約30%が1歳前後で、約30%が成人までに
肝移植が必要になるのが現状です。
無治療であれば、2歳になる前に肝不全で死亡します。

※経過は本当に人それぞれですが、元気に学校に通っている子も
 たくさんいます。
 移植術の進歩により、救われる命が増えました。


(参考)
胆道閉鎖症 - 日本小児外科学会 など
http://www.jsps.gr.jp/05_disease/hbp/ba.html

ちなみにご紹介…
▽一般向けにとてもわかりやすくまとまっています
胆道閉鎖症・乳幼児肝疾患 母の会 肝ったママ's
http://kimottamama.info/