リハーサル室に足を踏み入れたときも
肩には まだ無数のタスクや決断の重さがのしかかっていた
指示に従って そっと目を閉じると
闇が視覚のノイズを切り離してくれて
その瞬間 初めて「聞こえた」
長時間うつむいていたせいで
首の横の筋肉が小さく訴えていること
肩甲骨が 伸びたがっている鈍い叫び
体の奥から湧き上がる力に身を任せて
腕を動かした
何もデザインしていないのに
驚くほど正直なストレッチだった
損得も考えず
リスクも想定せず
ただ 骨と筋肉が いちばん自然に響き合う動き
その一瞬の流れの中で
まったく違う種類の「決断」を体験した
頭で何度も検証するものじゃなく
体そのものの知恵から生まれる
速くて まっすぐで
迷いのない感覚
ビジネスの世界は 周到さを教えてくれる
でも 体の言葉は 正直さを教えてくれる
理性や言葉を いったん脇に置いたとき
見過ごしてきた「自分」についての本当の欲求が
考えずに伸びる その一つ一つの動きの中で
ようやく 声を持つ
これは暴走じゃない
別の次元で 主導権を取り戻す感覚だった
