(4月1日~)

風が暖かくなり、気持ちの良い季節となってきた。おれのマンションの前の道沿いにも、ソメイヨシノが咲き、夜はライトアップされて、本当にキレイであった。やはり、春は四季の中でも特別である。新しいことを始めた自分自身と季節のタイミングが合った気がして、桜を見る度、優しい気持ちになれた。

この頃になると、仕事で中国人に日本語を教える機会が多くなった。中国語しか話せない中国人に日本語を教えるというのは、非常に難しいことで、まず最初におれ自身が、中国語を学ぶ必要があったし、仕事としてやる以上は、初めてだからとかは、相手にとっては全く関係のないことであった。ただ、語学において、どうしても伝えなければならない状況に身を置けることは、非常にラッキーなことで、多くの人が自分でお金を出して学んでいることを考えれば、恵まれているのだと感じた。事実、家に帰って次の日の予習をしたりする時間は、充実していたと思う。


「きちんとした日本語を伝えたい。」

それは、自分自身の一つのテーマであった。いま、日本の多くの若者は、どういいうものがきちんとした日本語なのかさえ分からず、毎日を生きている。おれもまた、その一人だ。外国人に日本語を教える、文化や風習を伝える、それは簡単なようで非常に難しい。自分がいかに、今まであらゆる物事に無関心で無頓着であったか、つまりはそういうことなのだと思う。日本人として、もっともっと、知らなければいけないことがたくさんある。そしてそれを、多くの人に伝えていかなければいけない。欧米文化がこの国にたくさん入り込み、日本の正確な言葉というものが、次第に失われていってるような、そんな錯覚に陥ることがある。その時、自分はただ指をくわえて、その状況を見ているだけのような、そんな人間にはなりたくない。きちんとした日本語、言葉が持つ美しさ、伝統文化の数々、自分自身が外国人に対し、それらを伝えることにより、一人でも多くの’親日家’が増えればという想いが、この時の自分にあった。もちろん、今でもそれは変わらず、強く思っている。


入社して一ヶ月、会社は新宿なのだけれど、4月は挨拶周りも兼ねて、いろいろなところに行った。4日間で、関東全県に行った週もあって、移動は大変であったけれど、電車や車で、今まで行ったことのないところに行き、初めて見る景色の数々は、すごく新鮮であった。 車で移動中、コンビニや高速のパーキングで、一人で缶コーヒーを飲んでいる時、パン屋の仕事をしている時の缶コーヒーとは、少し違うと思った。うまく説明できないけれど、缶コーヒーでもきちんと味わえる余裕があるというか、きちんと自分の時間軸の中で、意味がある時間となっているような、そんな気がしていた。


東京ドームでジャイアンツの試合を見ることは、自分にとって非常にスリリングな時間だ。土日が休みになったこと、そして会社が東京ドームまで30分以内のところにあるため、平日でも観戦に行くことが可能になり、今年はたくさんの試合を見に行けることとなった。ライトスタンドでユニホームを着て、選手一人ずつの応援歌を皆で歌い、点数が入ったら、オレンジのタオルを振り回す。子供みたいと、言われるかもしれないけど、それが自分にとって、最高のストレス解消法となっていた。そして、同じ想いで毎回一緒に観戦に行ける人がそばにいることも、非常に嬉しいことだ。


生活は180度CHANGEした。何か新しいことと出会う毎日。それが、非常に刺激的であった。