レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」 | しじみなる日常

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ひとつひとつは小さな蜆(しじみ)でも、蜆汁になったときの旨みは格別な幸せをもたらしてくれます。私の蜆汁は「クラシック音楽」。その小さな蜆の幸せを、ひとつひとつここで紹介できたらなあと思っています。

面白い曲ですね。
リュートとありますが、16~17世紀頃のリュート曲をもとに作曲したもので、古典的な曲調と華麗な管弦楽がうまい具合に溶け込んでいます。

 

3曲ある中でよく演奏されるのが、1931年作曲の第3組曲だそうですが、私のお気に入りが1923年の第2組曲です。

 

中でも、第3曲「パリの鐘(アリア)」が秀逸です。宵闇せまるパリに厳かに響く鐘なんだろうなあと思わせるゆったりとしたメロディ。空が青から夕焼けに染まる赤、そして漆黒の闇へと変化していく様が目に見えるな、何とも色彩豊かな管弦楽です。

 

そして続く第4曲「ベルガマスク舞曲」。もう何でしょう、色の洪水ってカンジ。いろいろな色の水玉がはじけて、光を反射して輝いているような。
この第3曲から第4曲への流れがとても好きです。

 

私が聴いていたのはこちら。

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ネヴィル・マリナー指揮、ロス・アンジェルス室内管弦楽団。1975年の録音です。

とても聴き手にとって心地いい、スピードも強弱も間合いも「ちょうどいい」名演奏です。