恐るべし! | しじみなる日常

しじみなる日常

ひとつひとつは小さな蜆(しじみ)でも、蜆汁になったときの旨みは格別な幸せをもたらしてくれます。私の蜆汁は「クラシック音楽」。その小さな蜆の幸せを、ひとつひとつここで紹介できたらなあと思っています。

恐るべし、スーザン・ボイル
このCDを聴いて最初に思った感想です↓


夢やぶれて/スーザン・ボイル
¥2,800
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この人、只者ではありません!これは必聴かもしれません。

紅白にも出場したので(私は観ていない)、ご存知の方も多いと思いますが、イギリスのオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」に出場。
外見のダサいオバサンぶり(ゴメンナサイ!)から想像もつかない美声の持ち主と話題になった方です。
同番組の動画はチラッと観ていたので、気にはなっていたのですが、このCDを聴くまで、これほどの人とは思いませんでした。


彼女の声はとてもチャーミング。ですが、同時に非常に暗くて、もの哀しい雰囲気も持ち合わせています。
第1曲目の「Wild Horses」(これがローリング・ストーンズの曲!)でそれが早くも分かります。
「Cry Me A River」「You'll See」では女性らしい哀愁と官能を聴かせてくれます。
私が最も気に入ったのは「Daydream Believer」。あのモンキーズのヒットソングをバラード調に歌っています。
この曲はもともと好きな曲ですが、スーザン・ボイルが歌うと何故だか感傷と郷愁、それと暖かいものが胸に拡がります。


単なる美声だったら掃いて捨てるほどいるでしょうが、彼女の声は、これまでの積み重ねてきた人生とさまざまに抱いてきた感情に裏打ちされたもの。
だから、人の胸を打つのでしょうね。
選曲も凝っていて、この方の声の多才さをよく引き出していると思います。


そして何より「演技力」のある声の持ち主です。もしミュージカル歌手やオペラ歌手になっていたら、ものすごくレパートリーの広い歌手になっていたでしょう。
オペラだったら、プッチーニ・ヒロインでも、ファム・ファタル・カルメンでも、氷の姫君トゥーランドットでも何でもござれってカンジです。
これからもいろいろなアレンジで、ジャンルをこえて多才な声を聴かせてほしいです。